なぎビカリアミュージアム

なぎビカリアミュージアムは、岡山県勝田郡奈義町に位置する博物館。奈義町周辺で産出するビカリアを中心とした動植物化石を展示しているほか、保存された露頭や、1600万年前の景色を再現したジオラマなどを見ることができる。同じく奈義町にある奈義町現代美術館との共通割引が用意されている。

なぎビカリアミュージアム
Nagi Vicarya Museum
2021年3月25日撮影
なぎビカリアミュージアムの位置(岡山県内)
なぎビカリアミュージアム
岡山県内の位置
施設情報
管理運営 柿ビカリア会
所在地 〒708-1312
岡山県勝田郡奈義町柿1875
位置 北緯35度6分3.5172秒 東経134度11分14.0892秒
外部リンク www.town.nagi.okayama.jp/bikaria/
プロジェクト:GLAM

なぎビカリアミュージアムは2018年に開館20周年を迎えた。

ビカリア

ビカリアはウミニナ科の大型で棘を持つ円錐形の巻貝の属であり、現在から約1600万年前にあたる新生代新第三紀中新世中期の地層である勝田層群から多産する。保存状態は酸性の生息環境やカキやフジツボやヤドカリなどによる影響が確認できるほど良好である[1]。また、ビカリア以外にも勝田層群吉野層からはマングローブ林のある河口を示唆する貝化石が産出している[1]。1600万年前の奈義町周辺は海抜0メートル地帯であったと推測されており、なぎビカリアミュージアムでは化石資源を活かした教育普及活動が行われている[2]。

構造と展示内容

建物は上空から見るとTの字や十字に近い形状をしている。入口には大型のビカリアのモニュメントが飾られている。室内展示ホールを挟んだ両翼にはトイレ・事務室と視聴覚室があり、後者は映像展示『ぼくのビカリア日記』の上映や講義に利用されている[2]。また、『地球カレンダー』という別の映像展示も開館20周年記念企画展で上映された。『地球カレンダー』はビカリアのうち月のおさがり[注 1]にちなんだCGキャラクターが登場し、来館者に地球の歴史を1年に喩えつつ古生物や地球史を紹介する内容となっている。ツキノオサガリのキャラクターデザインは奈義町出身の漫画家岸本聖史が、声は竹内順子が担当した。また元林原自然科学博物館館長で岡山理科大学教授の石垣忍が映像を監修した[5]。

室内展示ホールでは生態系のジオラマや分類群ごとの化石が展示されている。屋根に覆われた屋外展示エリアには化石の多産する地層を含む露頭が保存され、通路から眺めることができる[2]。

発掘体験エリアでは来館者が実際に化石を掘り出すことができる。ビカリア以外ではカケハタアカガイ、トクナリヘタナリ、サクラガイなどの産出が報告されている。公式Webサイトではノコギリガザミ(カニ)のツメやワニの歯なども見ることのできる化石として紹介されている[2]。

沿革

1997年4月に設立された柿ビカリア会が中心となり[6]、自然科学を親しむための施設として1998年4月に開館[7]。奈義町の指導を受けつつ柿ビカリア会の会員が運営を始めた。開館前に整備した3ヘクタールの山は放置すると遷移して元の荒れ山に戻ってしまうため、エビネ、アジサイ、コブシ、ヒペリカム、フジ、サクラが植えられた[6]。企画展は岡山理科大学生物地球学部、林原自然科学博物館、笠岡市立カブトガニ博物館の特別協力を受けて開催された[8]。

その後2019年10月30日に奈義町が同大の生物地球学部との連携協力協定を締結し、これ以降ビカリアミュージアムは展示に同学部の協力を得られるようになったほか、インターンシップとして同大の学生を受け入れる仕組みができた[7]。

新型コロナウイルス感染症の世界的流行を受け、奈義町はビカリアミュージアムを含む公共施設を2020年4月25日から休業する決定を下し[9]、5月12日から営業を再開した[10]。同年8月には岡山市北区の環境センター「アスエコ」で三葉虫を中心とする企画展が開催されたが、この時アスエコとカブトガニ博物館とビカリアミュージアムを巡るスタンプラリーも実施された[11]。

アクセス

中国自動車道の美作インターチェンジから20分の場所にある[2]。

脚注

注釈

  1. 内部がオパールやメノウといったケイ酸塩鉱物に置換されたビカリア化石のこと[3][4]。

出典

  1. 岸本眞五「1600万年前の巻貝化石”ビカリア”に見られるヤドカリの空隙利用」『共生のひろば』第14号、兵庫県立人と自然の博物館、2019年。
  2. “なぎビカリアミュージアム”. 奈義町. 2021年1月13日閲覧。
  3. “瑞浪市化石博物館常設展解説その4(ビカリアと月のおさがり)”. 瑞浪市 (2020年2月17日). 2021年1月13日閲覧。
  4. “月のおさがり”. コトバンク. 朝日新聞社. 2021年1月13日閲覧。
  5. “なぎビカリアミュージアム20周年記念”. 津山瓦版. アドデザイン (2018年5月1日). 2021年1月13日閲覧。
  6. “化石博物館を拠点に取り組むふるさとづくり”. 明日の日本を創る会. 2021年1月13日閲覧。
  7. “奈義町と生物地球学部が連携協力協定を締結 インターンシップで貢献”. 岡山理科大学 (2019年10月31日). 2021年1月13日閲覧。
  8. “団体情報”. 日本財団 (2013年10月24日). 2021年1月13日閲覧。
  9. 「奈義町現代美術館 25日から休業 コロナ感染対策、5月6日まで」『山陽新聞』、2020年4月1日。2021年1月13日閲覧。
  10. 「市有施設の休館延長、真庭市 奈義町は美術館など12日再開」『山陽新聞』、2020年5月7日。2021年1月13日閲覧。
  11. 「「三葉虫」で太古のロマン感じて 岡山・アスエコで化石など展示」『山陽新聞』、2020年8月27日。2021年1月13日閲覧。

外部リンク

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