アジア開発キャピタル

アジア開発キャピタル株式会社(アジアかいはつキャピタル)は、東京都に本社を置く投資事業を展開する会社。

アジア開発キャピタル株式会社
Asia Development Capital Co. Ltd.
種類 株式会社
市場情報
東証スタンダード 9318
1963年7月29日 - 2023年4月30日
[1]
略称 ADC (アジ開)
本社所在地 日本の旗 日本
105-0004
東京都港区新橋4丁目21番3号
新橋東急ビル2F
設立 1922年2月7日
業種 証券、商品先物取引業
法人番号 9010601034809
事業内容 投資事業
代表者 代表取締役社長 徐天雄
資本金 6,390,024,613円
(2023年7月10日現在)
発行済株式総数 2,326,042,223株
(2023年9月30日現在)[2]
売上高 連結:1億6161万2000円
単独:542万4000円
(2023年3月期)[3]
営業利益 連結:△5億2631万円
単独:△5億2364万4000円
(2023年3月期)[3]
経常利益 連結:△5億5567万8000円
単独:△5億7392万8000円
(2023年3月期)[3]
純利益 連結:△11億6623万8000円
単独:△14億6209万7000円
(2023年3月期)[3]
純資産 連結:13億6509万2000円
単独:9億552万7000円
(2023年3月31日現在)[3]
総資産 連結:35億7320万7000円
単独:21億8235万9000円
(2023年3月31日現在)[3]
従業員数 単独:16名
(2022年3月31日現在)
決算期 3月31日
会計監査人 監査法人アリア[3]
主要株主 徐天雄 32.89%
スタンダードチヤータードバンクホンコン エバーブライト セキユリテイーズ インベストメント サービシズ エイチケー リミテツド クライントアカウント(常任代理人 三菱UFJ銀行) 3.30%
NSL DTT CLIENT(常任代理人 野村證券) 2.54%
西肇 0.77%
奥村友紀人 0.65%
吉田年男 0.47%
JPモルガン証券(株) 0.47%
山本一浩 0.44%
森啓造 0.44%
滝沢裕一郎 0.38%
(2023年9月30日現在)[2]
主要子会社 アジアビジネスソリューションズ株式会社 100%
ワンアジア証券株式会社 99.7%[2]
外部リンク http://www.asiadevelop.com/

概要

創業時は倉庫業を運営していた。

2004年からは投資事業へ転換し、当時100円台後半だった株価が、翌年7月には2000円台まで急騰した。

しかし小杉産業等への投資失敗で損失を被り、2006年1月頃から株価は急落。一年程で株価は1/10まで下落した。

2021年8月7日に特設注意市場銘柄に指定されたが[4]、内部管理体制が改善される見込みがないとして、2023年4月30日に上場廃止となった[1][5]

上場廃止に至った経緯

子会社であったトレードセブンを通じて、元取締役名が関係する複数の会社との間に不可解かつ不適切とも思われる取引が多数実在していることが、社内調査によって確認された。さらに、それらの会計処理が不適切に行われていたのではないかという新たな疑義も発覚した[6]

アジア開発キャピタルは2021年4月28日に、特別調査委員会を設置[7]。アジア開発キャピタルは同年6月21日に、特別調査委員会から調査報告書を受領した[8]。特別調査委員会は、アジア開発キャピタルとトレードセブンが行った蓄電池取引においては、蓄電池の現物の納品はなされておらず、かつ循環取引であったと結論づけた。さらに、循環取引の原因がD-LIGHTによる説明不足、トレードセブン担当取締役の踏査・認識不足などであるとした[8][9]

アジア開発キャピタルは2021年6月30日に、2018年3月期第3四半期から2021年3月期第3四半期までの四半期並びに有価証券報告書の訂正処理を行った上で関東財務局へ提出したが[10]東京証券取引所は同年8月7日に、過去の経営陣による不適切会計や、内部管理体制が不十分であることから、アジア開発キャピタルを特設注意市場銘柄に指定した[4]。特設注意市場銘柄の指定を受けてアジア開発キャピタルは同年8月10日に第三者委員会を設置[11]。アジア開発キャピタルは同年10月29日に、第三者委員会から調査報告書を受領した[12]。第三者委員会は、中古遊技機取引において、網屋信介元社長が網屋自身や網屋が社長を務めていたエス・エー・コンサルティングの利益を図り、アジア開発キャピタルやトレードセブンに無断で行っていたなどと結論づけた。

アジア開発キャピタルは2022年2月、新たな社外取締役を迎えた上で、経営陣の監督と内部管理体制の強化のために経営等監視委員会を立ち上げた[13]。子会社であったアジアインベストメントファンドも、2022年6月6日に東京機械製作所から約19億4000万円の支払を求める訴訟を提起された[14]。アジア開発キャピタルは、特設注意市場銘柄の指定後に実施した子会社等の整理統合の一環として、同年8月22日付でアジアインベストメントファンド、にっぽんインキュベーション、AGパワーソリューションズの3社の株式並びに貸付債権を、シンガポールに本社があるGALLANTLION RESOURCES PTE. LTD.へ譲渡した[15]。2022年7月22日にアンセム・ウォンが代表取締役社長を退任して木内孝胤が代表取締役社長に就任したが、木内は1か月半で代表取締役社長を辞任した。

1回目の内部管理体制確認書の提出前に、日本取引所自主規制法人はアジア開発キャピタルに対して往査による社内帳票等の調査を実施。日本取引所自主規制法人による往査の結果、融資金額100億円と記載された「融資証明書」が発見された[16]。アジア開発キャピタルは2022年9月28日に特設注意市場銘柄の指定継続の決定を受けた[17]。 アジア開発キャピタルは2022年10月14日に、監査役会による件外調査報告書を公表した[16]。件外調査報告書では、社用車として購入したトヨタ・アルファードメルセデス・ベンツ・G350、メルセデス・ベンツ・G450の3台がウォン元社長自身が私的に利用していたという疑いをかけたが、アルファード、ベンツ・G350の2台は社用車としての導入は適切であったとした一方で、ベンツ・G450は社用車としての導入は不適切であること、会社の経費で購入した酸素カプセル2台の内1台がウォン元社長が私的に利用していたなどとした[16]

アジア開発キャピタルは2023年2月7日に2回目となる内部管理体制確認書を提出したが[18][19]、グループ間の情報授受に関して、子会社であるワンアジア証券の内部管理体制などを把握していなかったこと、海外子会社において、主管部署が運営状況の詳細を把握しておらず、海外子会社に対する管理が機能していなかったことなどから内部管理体制が改善される見込みがないとして、東京証券取引所は2023年3月29日に上場廃止の決定を下し、アジア開発キャピタルは同年4月30日に上場廃止となった[1][5][20]。アジア開発キャピタルは、内部管理体制確認書の審査による上場廃止によって60年続いた上場企業としての歴史に幕を下ろす事になった。2回目に提出した内部管理体制確認書の審査による上場廃止は、2013年8月9日の有価証券上場規程改正後(改善期間が3年から1年へ変更など)では2015年12月に上場廃止となったエル・シー・エーホールディングス以来2社目となった。また、2022年4月4日の東京証券取引所新市場移行後では、初となる内部管理体制確認書の審査による上場廃止となった。50日という2回目の内部管理体制確認書提出から上場廃止までの期間は、2017年5月に1回目に提出した内部管理体制確認書の審査結果によって上場廃止となったフード・プラネットの42日に次ぐ短さとなった。

アジア開発キャピタルは上場廃止の翌日である2023年5月1日、内部管理体制が改善されなかった要因として、東京証券取引所の指摘の他にも、特設注意市場銘柄の指定解除に向けた対応が本来のスケジュールより半年以上遅れて進行していたことを認めたと同時に、経営陣の一新を行った[13]

沿革

  • 1952年6月 - 旧日本橋倉庫株式会社設立。
  • 1963年4月 - 額面変更のため休眠会社の岡田織布株式会社(1922年2月設立)に吸収合併される。岡田織布が存続会社となり、商号を日本橋倉庫株式会社に変更。
  • 1963年7月 - 東証2部に新規上場。
  • 2003年10月 - 株式会社NDBに商号変更。
  • 2003年11月 - 親会社である都築紡績が会社更生法を申請。
  • 2004年5月 - 投資事業に参入。
  • 2004年7月 - ジェイ・ブリッジ株式会社に商号変更。
  • 2005年6月 - 小杉産業を子会社化。
  • 2007年4月 - 小杉産業の経営権が伊藤忠商事系のレゾン投資事業有限責任組合へ移る。
  • 2010年4月 - 名古屋における中堅ゼネコン株式会社六合の65%の株式を取得。 その後持株比率を93.3%に増資。
  • 2010年10月 - アジア・アライアンス・ホールディングス株式会社に商号変更。
  • 2012年4月 -中国で総合病院の経営等を展開している同仁医療産業集団有限公司へ出資。
  • 2015年6月 - フィリピン証券取引所上場の29.85%の持ち分を所有すると共に、MABUHAY社のプロジェクトに融資。フィリピンMABUHAY社、IRC社を通じて現地の中堅ビジネスマン向けの宅地開発を行っている。2016年3月までに既に1,634戸が完工、販売された。現在、2,211万m2の土地の買収が完了しており、土地の開発と宅地分譲を行っている。
  • 2015年12月 - 同仁医療産業集団有限公司の株式持ち分を売却し、約7億3000万円のキャピタルゲインを実現。
  • 2015年10月 - アジア開発キャピタル株式会社に商号変更。
  • 2015年12月 - M&Aアドバイザリー及び経営コンサルティング専門会社、株式会社エス・エー・コンサルティングの全株式を取得。国内外のM&Aアドバイザリー事業を香港を中心とした株主企業と共に推進。
  • 2016年3月 - 金融事業の一環として質屋業のTS社の35%の株式を取得すると共に、資金提供を行うことで金融事業に参入。事業主体は、質による貸付と中古ブランド品の買取・販売。国内でTS社が買い取ったブランド品を国内、アジア圏でのネットワークを通じ、日本以外の消費者へも販売していく計画。
  • 2018年3月 - バイオマス燃料供給事業を開始
  • 2018年4月 - 連結子会社であり、質屋業・古物買取販売事業を主とする株式会社トレードセブンを銀座に開業
  • 2018年9月 - 中国福州市の百貨店内での日本食レストラン事業(JFT)開始
  • 2019年2月 - 日本インキュベーション吸収合併[21]
  • 2020年1~3月 - 中国の百貨店内(臻萃本物餐飲管理有限公司)での日本食レストランを順次閉店し撤退。[22]
  • 2020年9月 - 買収を検討していた中古車割賦販売事業会社について、簿外債務や架空の棚卸資産などが発生するリスクがあるため、買収を中止。
  • 2020年11月 - 中古買取店 「BRAND PIT 銀座本店」閉店
  • 2020年12月24日 - アンセム ウォン代表取締役社長が最高責任者となった新経営体制のもと、中核事業を「証券事業」、「投資事業」、「貸金事業」の3つに集約。
  • 2020年12月 - 子会社の株式会社アライドビジネスファイナンスを、アジアビジネスファイナンス株式会社に商号変更。
  • 2020年12月 - 子会社のクリアスエナジーインベストメント株式会社を、アジアインベストメントファンド株式会社に商号変更。
  • 2021年2月 - ワンアジア証券株式会社を完全子会社化。[23]
  • 2021年3月 - 質屋および中古買取業の子会社「株式会社トレードセブン」を解散。[24]
  • 2021年8月 - 内部管理体制などが不十分として、東京証券取引所から特設注意市場銘柄の指定を受ける[4]
  • 2022年8月 - アジアインベストメントファンド、にっぽんインキュベーション、AGパワーソリューションズの3社の株式並びに貸付債権を、シンガポールに本社があるGALLANTLION RESOURCES PTE. LTD.へ譲渡[15]
  • 2022年9月 - 東京証券取引所から特設注意市場銘柄の指定継続決定を受ける[17]
  • 2023年4月 - 内部管理体制が改善される見込みがないとして、東京証券取引所スタンダード市場上場廃止[1][5]
  • 2023年10月 - アジアビジネスファイナンス株式会社の商号を、アジアビジネスソリューションズ株式会社に変更[2]

関連項目

脚注

  1. 上場廃止等の決定:アジア開発キャピタル(株)東京証券取引所 2023年3月29日
  2. 2024年3月期半期報告書アジア開発キャピタル
  3. 第103回定時株主総会招集ご通知アジア開発キャピタル 2023年6月8日
  4. 特設注意市場銘柄の指定及び上場契約違約金の徴求:アジア開発キャピタル(株)東京証券取引所 2021年8月6日
  5. 当社株式の上場廃止の決定及び整理銘柄の指定に関するお知らせアジア開発キャピタル 2023年3月29日
  6. 第三者委員会の設置に関するお知らせアジア開発キャピタル 2021年4月9日
  7. 第三者委員会の解散及び特別調査委員会の設置に関するお知らせアジア開発キャピタル 2021年4月28日
  8. 特別調査委員会の調査報告書受領に関するお知らせ アジア開発キャピタル 2021年6月22日
  9. TSR速報 (株)D-LIGHT東京商工リサーチ 2021年8月25日
  10. 過年度の決算短信の訂正に関するお知らせアジア開発キャピタル 2021年6月30日
  11. 第三者委員会設置に関するお知らせアジア開発キャピタル 2021年8月10日
  12. 第三者委員会の調査報告書受領に関するお知らせアジア開発キャピタル 2021年10月29日
  13. 非上場化に伴う組織体制の変更等についてアジア開発キャピタル 2023年5月1日
  14. (開示事項の経過)当社子会社に対する訴訟の提起に関するお知らせアジア開発キャピタル 2022年6月6日
  15. 特定子会社等の異動(株式譲渡)及び債権譲渡に関するお知らせアジア開発キャピタル 2022年8月15日
  16. 監査役会による「件外調査報告書」公表のお知らせアジア開発キャピタル 2022年10月14日
  17. 特設注意市場銘柄の指定継続:アジア開発キャピタル(株)東京証券取引所 2022年9月28日
  18. 監理銘柄(審査中)の指定:アジア開発キャピタル(株)東京証券取引所 2023年2月6日
  19. 内部管理体制確認書の再提出に関するお知らせアジア開発キャピタル 2023年2月7日
  20. (開示事項の経過)子会社の経営管理体制強化に関するお知らせアジア開発キャピタル 2023年2月14日
  21. 連結子会社の吸収合併(簡易合併・略式合併)および孫会社の異動に関するお知らせ”. アジア開発キャピタル株式会社. 2019年3月3日閲覧。
  22. 子会社の事業撤退および営業外費用・特別損失の計上に関するお知らせ”. アジア開発キャピタル株式会社. 20200313閲覧。
  23. 2021年3月期 第3四半期の経営進捗報告と中期経営計画見直し予定のお知らせ 20210215”. アジア開発キャピタル株式会社. 20210226閲覧。
  24. 株式会社トレードセブンの事業撤退に関するお知らせ”. アジア開発キャピタル株式会社. 20210326閲覧。

外部リンク

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