クラシコ・タパティオ

クラシコ・タパティオ(スペイン語: Clásico Tapatío)は、メキシコ・ハリスコ州・グアダラハラに本拠地を置くふたつのサッカークラブ、CDグアダラハラ(チーバス)とCFアトラス(マルガリータス)の間で行なわれるローカル・ダービーである。タパティオとはグアダラハラ市民の意味である[1]。

クラシコ・タパティオ
グアダラハラ・ダービー
都市、地域 メキシコの旗 メキシコ, ハリスコ州, グアダラハラ
チーム CDグアダラハラ
CFアトラス

文化

CFアトラスの愛称であるマルガリータス(マーガレット)
CDグアダラハラの愛称であるチーバス(ヤギ)

チーバス・グアダラハラとCFアトラスはいずれも、メキシコ第2の都市であるハリスコ州・グアダラハラに本拠地を置いている。クラシコ・タパティオはメキシコに現存する最古のダービーであると同時に、メキシコでもっとも激しいダービーのひとつである[1]。チーバスはメキシコでもっとも人気のあるクラブのひとつであり、その名声はハリスコ州にとどまらないが、地元のライバルであるアトラスとの対戦はもっとも待ち望まれる試合でもある。アトラスの最大のライバルはチーバスだが、チーバスのライバルにはアトラスの他に、首都シウダ・デ・メヒコに本拠地を置くクルブ・アメリカがある。

チーバスは中流階級出身の学生らによって設立されたが、労働者階級に人気のクラブである[1]。一方のアトラスは上流階級出身の学生によって設立され、裕福な市民によって支えられたクラブである[1]。アトラスの愛称であるマルガリータス(マーガレットの意味)は、チーバスのファンがライバルを蔑むために呼んだのが由来であり、CDグアダラハラの愛称であるチーバス(ヤギの意味)は、アトラスのファンがライバルを蔑むために呼んだのが由来である。対戦成績はチーバスがやや優勢であり、2006年時点でチーバスが77勝、アトラスが60勝、引き分けが55試合である。国内リーグに限ると勝ち星の差は縮まり、チーバスが48勝、アトラスが40勝、引き分けが42試合である。

歴史

1906年にチーバスが設立され、1916年にはアトラスが設立された。1916年、親善試合として初のダービーが行なわれ、0-0で引き分けた。1917年の地域選手権ではアトラスが2-1で勝利を収めたが、チーバスの選手は主審の判定に納得がいかずに残り試合の出場を拒否し、この出来事がきっかけとなって両クラブのライバル意識が形成されていった[1]。1932-33シーズンにはチーバスが8-1で大勝し、この試合は今日でもダービーの最多得点差試合である。アトラスのダービーでの最多得点差勝利は5-1であり、1964-65シーズンと1974-75シーズンの2度記録している。アトラスのファンは1917年に18-0で勝利したことがあると主張するが、このような試合があったという記録はない[1]。

1951年、アトラスはチーバスに勝利して優勝を決めた。コスタリカ人ストライカーのエドウィン・クベーロが決めたPKが決勝点となったが、チーバスのファンは50年以上経った現在においても、このPKは与えられるべきでなかったとの姿勢を崩していない[1]。1955年に行なわれたダービーではチーバスが易々と2点を先行したため、キーパーのハイメ・ゴメスは試合中ながら近くの観客から雑誌を拝借し、ゴールポストにもたれかかって雑誌を読みふけった[1]。結局この試合はチーバスが3-0で勝利し、ゴメスの悪ふざけはアトラスのファンを激怒させた。翌シーズンにはアトラスが2-0で勝利し、狂喜したアトラスのファンはゴメスに向かって何冊もの雑誌を投げつけて仕返しを果たした[1]。

両クラブでのプレー経験がある選手には、2006 FIFAワールドカップでメキシコ代表の正ゴールキーパーを務めたオスワルド・サンチェスなどがいる。サンチェスは1993年にアトラスからデビューしたが、クルブ・アメリカを挟んで1999年にチーバスに移籍し、チーバスでヒーローとなった。アトラスの下部組織には定評があり、1990年代以降にはサンチェス、ラファエル・マルケス、アンドレス・グアルダードなどの名選手を輩出している。エフライン・フローレスは長年アトラスで指導し、1990年代にはアトラスのユースチームで最高責任者の地位にあったが、2000年代になってチーバスはフローレスを引き抜くことに成功した[1]。フローレスの転身以後、チーバスの下部組織からはパトリシオ・アラウホ、ルイス・ミチェル、ハビエル・エルナンデス(チチャリート)などが次々とトップチームに昇格した。

スタジアム

1930年代から1960年まで、両クラブはパルケ・オブラートスと呼ばれる小規模なスタジアムを使用していた。1960年にはエスタディオ・ハリスコが開場し、50年間に渡って両クラブがホームスタジアムとして使用した。2010年から、チーバスは独自に建設したエスタディオ・オムニライフ(エスタディオ・チーバス)をホームスタジアムとしている。

クラブスタジアム開場年収容人数画像
アトラスエスタディオ・ハリスコ1960年56,713人
チーバスエスタディオ・オムニライフ2010年49,850人

タイトル

いずれもプロリーグ化後に限る。

大会アトラスチーバス
国内大会リーガMX(1部)1回11回
アセンソMX(現2部)0回0回
セグンダ・ディビシオン(旧2部・現3部)3回0回
コパ・メヒコ4回2回
カンペオン・デ・カンペオーネス4回7回
インテルリーガ0回1回
国際大会CONCACAFチャンピオンズリーグ0回1回
北中米・カリブ海選手権0回2回

統計

大会試合数アトラス
勝利
引き分けチーバス
勝利
アトラス
得点
チーバス
得点
レギュラーシーズン134424449181204
リギージャ413065
ハリスコ州アマチュアリーグ43137227094
コパ・メヒコ156362624
インテルリーガ100113
通算197625778284330

試合一覧

ハリスコ州アマチュアリーグ

コパ・メヒコ

シーズンホームスコアアウェー
1942-43チーバス3-1アトラス
1943-44チーバス1-1アトラス
アトラス2-1チーバス
1944-45チーバス1-2アトラス
1947-48チーバス1-0アトラス
1948-49アトラス3-0チーバス
1950-51チーバス3-0アトラス
1959-60チーバス2-2アトラス
アトラス4-1チーバス
1963-64アトラス0-2チーバス
チーバス2-2アトラス
1964-65アトラス5-1チーバス
1973-74チーバス3-0アトラス
1995-96アトラス4-2チーバス
チーバス1-0アトラス

プリメーラ・ディビシオン

リギージャ

シーズンホームスコアアウェー
ベラーノ2000アトラス1-1チーバス
チーバス1-1[4]アトラス
アペルトゥーラ2004チーバス0-1アトラス
アトラス3-3チーバス

脚注

  1. Mexico’s vintage derby Atlas VS Chivas Guadalajara FIFA.com、2006年4月16日
  2. コパ・ハリスコでの試合
  3. アトラスがセグンダ・ディビシオンにいたため。
  4. レギュラーシーズンの順位が上のチーバスが勝ち上がった。
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