モウセンゴケ

モウセンゴケ(毛氈苔; 学名: Drosera rotundifolia L.)は、モウセンゴケ科モウセンゴケ属分類される多年草の1[1]種小名 rotundifolia〈円形葉の〉に由来するマルバモウセンゴケという別名もある。食虫植物の一種で、にある粘毛から粘液を分泌して虫を捕獲する。

モウセンゴケ
モウセンゴケ
分類
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
: ナデシコ目 Caryophyllales
: モウセンゴケ科 Droseraceae
: モウセンゴケ属 Drosera
: モウセンゴケ D. rotundifolia
学名
Drosera rotundifolia L.
和名
モウセンゴケ
分布域

リンネの『植物の種』(1753年) で記載された植物の一つである[2]

概要

モウセンゴケの捕虫葉

コケとあるが種子植物である。ミズゴケ類の育つような湿地に生育する、背の低い草で、茎はごく短く、地面から葉を放射状に出す。葉にははっきりした葉柄があり、葉身はほぼ円形で、一面に長い毛があり、その先端から甘い香りのする粘液を出す。これに釣られるなどしてやってきた虫がくっつくと、粘毛と葉がそれを包むように曲がり、虫を消化吸収する。ただしモウセンゴケの天敵であるモウセンゴケトリバの幼虫はモウセンゴケの粘液に耐性を持っているので逆に食べられてしまう[3]。日当たりのよい場所に育つものでは、粘毛は赤く色づき、一面に生育している場所では毛氈を敷いたように見えることから、毛氈苔の名がある。 根はほとんど発達しない。冬になると、茎の先端に葉が丸まったような冬芽をつける。 モウセンゴケと同属の植物は世界中に多数の種があり、いずれも葉の表面に粘毛をつけ、それによって虫を捕らえる食虫植物である。いくつかの型の植物がある。

分布

北半球の高山・寒地に広く分布する[1]ミンダナオ島南半球ニューギニアでも発見されている[4]。日本では北海道から九州まで湿地帯に自生し、多数の都道府県にてレッドリストの絶滅危惧I類[5]、絶滅危惧II類[6]、準絶滅危惧種などに指定されている[7]

本種とナガバノモウセンゴケが共に生育している地域ではサジバモウセンゴケとよばれる中間的な形質の雑種を作る。また、トウカイコモウセンゴケは本種とコモウセンゴケとの雑種の染色体が倍化してできたものであると考えられている。6月から8月にをつける。花は白い花びらが5枚。茎の中心から花柄を伸ばし、花柄は先端が渦巻のように丸まり、その巻きの外側に花をつけ、花が咲くにつれまっすぐになる。

葉を放射状に出す特徴がある。

近縁種

特徴

  • 類似のコモウセンゴケは、葉の葉柄がはっきり区別できず、次第に細くなって基部に続く。ミズゴケの生える湿地よりは、水気の強い岩場などに生え、長い根を伸ばす。冬芽を作らず、そのままの姿で冬を越す。より南の地方に分布する。
  • モウセンゴケと同様に、根出葉を出し、花柄だけが立ち上がるもの:日本では他にナガバノモウセンゴケ・コモウセンゴケ・トウカイコモウセンゴケがある。
  • 茎は立ち上がり、茎に沿って葉を出すもの:日本ではイシモチソウ・ナガバノイシモチソウがある。

人とのかかわり

園芸植物として栽培される[6]ほか、喘息を抑える薬として主にヨーロッパで伝統的に使われている。研究によりアレルギーを抑制する物質が含まれていることが判明している[8]

関連画像

脚注

  1. 豊国秀夫『日本の高山植物』山と溪谷社〈山溪カラー名鑑〉、1988年9月、412頁。ISBN 4-635-09019-1。
  2. Linnaeus, Carolus (1753) (ラテン語). Species Plantarum. Holmia[Stockholm]: Laurentius Salvius. p. 281. https://www.biodiversitylibrary.org/page/358300
  3. モウセンゴケトリバ”. 岐阜県. 2020年11月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月5日閲覧。
  4. Fleischmann, Andreas, and L. M. U. GeoBio-Center (2021). “On tropical Drosera rotundifolia L.”. Carnivorous Plant Newsletter 50 (1). https://cpn.carnivorousplants.org/articles/CPNv50n1p7_15.pdf.
  5. 維管束植物 (PDF). 埼玉県. p. 49. 2020年11月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年11月15日閲覧。
  6. 福岡県の希少野生生物”. 福岡県 (2011年). 2022年9月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年3月5日閲覧。
  7. モウセンゴケ”. 日本のレッドデータ検索システム. 野生動物調査協会・Envision環境保全事務所. 2021年5月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月5日閲覧。
  8. アレルギーに有効なモウセンゴケを研究”. 東海大学. 2020年11月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年11月15日閲覧。

関連項目

外部リンク

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