ジャイラス

ジャイラス』(英:"Gyruss")は、1983年3月に日本のコナミから稼働されたアーケード固定画面シューティングゲーム

ジャイラス
ジャンル 固定画面シューティング
対応機種 アーケード (AC)
開発元 コナミ開発部
発売元 日本 コナミ
アメリカ合衆国 センチュリー
デザイナー 岡本吉起
プログラマー 有馬俊夫[1]
大山秀樹[2]
音楽 井上正廣
美術 岡本吉起[2]
人数 1 - 2人(交互プレイ)
メディア 業務用基板
(92.53キロバイト
稼働時期 日本 1983031983年3月
アメリカ合衆国 1983041983年4月
デバイス 8方向レバー
1ボタン
CPU Z80 (@ 3.072 MHz)
MC6809 (@ 2 MHz)
サウンド Z80 (@ 3.579545 MHz)
I8039 (@ 533.333 kHz)
AY-3-8910A (@ 1.790 MHz)×5
DAC
RC (@ 1.789772 MHz)×6
ディスプレイ ラスタースキャン
縦モニター
256×224ピクセル
60.00Hz
パレット32色
その他 型式:GX347

26世紀を舞台に、主人公であるルドルフが結成した宇宙防衛軍「ジャイラス」の戦闘機を操作し、ルドルフの父であるドメスによる太陽系外への侵略を阻止する事を目的としている。3D視点となっているが、戦闘空間が円筒状の曲面となっている事を特徴としている。

開発はコナミ開発部が行い、後にカプコンに移籍し『ファイナルファイト』(1989年)や『ストリートファイターII』(1991年)などのヒット作品を手掛けた岡本吉起がゲーム制作を担当、岡本と同じくカプコンに移籍し『魔界村』(1985年)に登場する「レッド・アリーマー」の名前の由来となった有馬俊夫[1] がプログラムを担当、音楽は『タイムパイロット』(1983年)を手掛けた井上正廣が担当している。

1984年に北米においてセンチュリー社(Centuri)がライセンス契約を結び、Atari 2600Atari 5200など様々な機種に移植した。1988年に日本においてファミリーコンピュータ ディスクシステム版が発売され、2004年には携帯電話ゲームとして配信された。アーケード版は後にPlayStation用ソフト『コナミ80'sアーケードギャラリー』(1999年)やゲームボーイアドバンス用ソフト『コナミアーケードゲームコレクション』(2002年)に収録された他、2007年Xbox用ソフトとしてXbox Live Arcadeにて配信された。

概要

本作は『スペースインベーダー』(1978年)や『ギャラガ』(1981年)と同じく固定画面シューティングだが、3D視点の要素が入っており、戦闘空間が円筒状の曲面となっている。本作のようなシューティングゲームは「トンネル・シューティング」あるいは「チューブ・シューティング」と呼ばれ、同ジャンルの作品としてはATARIがリリースした『テンペスト』(1980年)に続くヒット作となった。同じ系譜に属する数少ない作品には『Space Giraffe』(2007年)などがある。また、ゲームで使用されたフォント(ナムコフォント=アタリフォント)は初のグラデーション(3色配色)になって登場。

自機を360°移動可能にしたのは、ギャラガなどで画面の端に追い詰められた自機がそれ以上移動できずにやられるのが理不尽なので何とかしたかったことに端を発する[3]

ゲーム内容

システム

本作の自機はインベーダーゲームのように二次元を左右に動くのであるが両端間の移動が可能であり下から覗き込むような状況のため、円筒の縁を360°動くような状況である。この動きがこのゲームの当時としての最大の特徴である。

敵は画面中央や縁から出現した後、円筒の奥で編隊を組みながら弾や体当たりで蛇行しながら攻撃を仕掛けてくる。画面に侵攻する編隊を全滅させるとボーナス点が入り、自機が撃ち漏らした敵は、1機ずつ飛び立っていく。敵全てを撃ち果たすとステージクリアとなる。

ジョイスティックの動きに制限されているため、敵やボーナスステージでの出現位置は上下左右及び八方向に関連している。自機はこの8箇所では固定できるため、出現位置を記憶していれば敵の砲撃をかわしきれない場合を除いて突破は容易である。この点については、出現位置が画面上で微妙なそのほかのゲームに比べて攻略が容易であると言えるであろう。

設定

ストーリー

26世紀に人類は地球連邦政府の政策により太陽系全域に軍事基地の建設を急速に進めており、多くの人々は強制労働させたて24時間におよび軍の監視下に置かれる状態であった。

2545年、連邦政府の指導者であるドメスは太陽系全域に対して太陽系の外側への侵略命令を発令、同時期に太陽系の遥か彼方では10年前に反政府軍の指導者であり、ドメスの命を狙った事で太陽系追放の刑に処されたドメスの息子であるルドルフが10年の刑期を終え出所した。

ルドルフは父であるドメスに対抗するため宇宙防衛軍ジャイラスを結成、ドメスによる侵略から太陽系を救出するために戦いを挑むのであった。

※ディスクシステム版より付与されたストーリー

ステージ構成

ゲームは"2 WARPS TO NEPTUNE"、すなわち海王星へ行くには2回ワープが必要な地点からスタートする。1ステージをクリアするとワープを1回行ったことになり、2回ワープを行うと海王星に到着できる。海王星はじめ各惑星は短いボーナスステージとなる。その後は天王星へ行くのに3回ワープが必要となり、同様に土星木星火星を経て地球にたどり着くことがプレイヤーの目的となる。オープニング画面にあるのが最終目的地の地球である。

地球まで到達すると地球でのボーナスステージ終了後、さらに敵の動きが速くなった2周目がスタートする。2周目は1周目と異なり、海王星へ行くにも3回ワープが必要となる。

登場キャラクター

敵の大部分は自機と同じく宇宙船だが、それ以外に以下の敵もいる。

水の結晶
ステージ開始時、敵の残数が多い時、およびボーナスステージに出現する。続けて倒すと1000点、1500点、2000点…と得点が上がる。
人工衛星
水の結晶とともに3機1組で小さな円を描きながら攻撃してくる。倒すとツインビームが撃てるようになる。アーケード版ではパワーアップはこの1種のみである(後述)。人工衛星の撃つ弾は射程が短く、自機がツインビームを装備するには人工衛星を近付いてきた数秒の間に撃破する必要がある。
小惑星
画面中央から一定時間ごとに出現する。自機の右あるいは左を目掛けて飛んでくるため、自機が全く動かなければ当たることはない。破壊不能だが、ショットを当てる事で撃ち込み点が入る。
レーザー砲台
2機1組で出現し、中央から直進しながらレーザーを2機の間から発射する。片方を破壊することでレーザーを撃たなくなる。
テトラポッド
ボーナスステージのみに出現する。

ツインビーム状態になっていると、出現場所さえ覚えていればほぼ撃破可能である。そのため、出撃する敵を多数破壊すると、他のエリアの出現パターンの敵が追加される。

移植版

No. タイトル 発売日 対応機種 開発元 発売元 メディア 型式 備考
1 Gyruss アメリカ合衆国 1984年
Atari 2600
Atari 5200
Atari 8ビット・コンピュータ
コモドール64
コレコビジョン
パーカー・ブラザーズ パーカー・ブラザーズ ロムカセット
フロッピーディスク
A26:PB5080
A52:9080
A80:1280
C64:PB1780
COL:9980
2 ジャイラス 日本 198811181988年11月18日
アメリカ合衆国 1989021989年2月
日本 ディスクシステム
アメリカ合衆国 NES
ヨーロッパ NES
コナミ開発2課 日本 コナミ
アメリカ合衆国 Ultra Games
日本 ディスクカード両面
アメリカ合衆国 ロムカセット
ヨーロッパ ロムカセット
日本 KDS-GRS
アメリカ合衆国 NES-YS-USA
-
3 日本の旗コナミ80'sアーケードギャラリー
アメリカ合衆国の旗欧州連合の旗Konami 80's AC Special
INT 1998111998年11月
アーケード コナミ コナミ 業務用基板
(512.54キロバイト)
- 他9作品と同時収録
4 日本 コナミ80'sアーケードギャラリー
アメリカ合衆国 Konami Arcade Classics
日本 199905131999年5月13日
アメリカ合衆国 199911301999年11月30日
PlayStation KCE札幌 コナミ CD-ROM 日本 SLPM-86228
アメリカ合衆国 SLUS-00945
アーケード版の移植
5 日本 コナミアーケードゲームコレクション
アメリカ合衆国 Konami Collector's Series: Arcade Advanced
ヨーロッパ Konami Collector's Series: Arcade Classics
日本 200205022002年5月2日
アメリカ合衆国 200205212002年5月21日
ヨーロッパ 200206212002年6月21日
ゲームボーイアドバンス コナミ コナミ ロムカセット 日本 AGB-AKCJ-JPN
アメリカ合衆国 AGB-AKCE-USA
ヨーロッパ AGB-AKCP-EUR
アーケード版の移植
6 Konami Arcade Advanced Plug 'n Play TV Game アメリカ合衆国 2004年
- コナミ マジェスコ 内蔵ゲーム - NES版の移植
7 ジャイラス 日本 2004年12月1日[4][5]
ボーダフォンライブ!
Vアプリ
コナミ コナミオンライン ダウンロード
(コナミネットDX)
- ディスクシステム版の移植
8 ジャイラス 日本 2005年2月1日[6]
505/506/700/900/901
iアプリ
コナミ コナミオンライン ダウンロード
(コナミネットDX)
- ディスクシステム版の移植
9 ジャイラス 日本 2005年5月12日[7]
Java/BREW
EZアプリ
コナミ コナミオンライン ダウンロード
(コナミネットDX)
- ディスクシステム版の移植
10 Konami Live! Plug and Play PC controller アメリカ合衆国 200703152007年3月15日
- KDE KDE 内蔵ゲーム -
11 Gyruss アメリカ合衆国 200704182007年4月18日
ヨーロッパ 200704182007年4月18日
Xbox Backbone Vancouver KDE ダウンロード
(Xbox Live Aracde)
- アーケード版の移植
12 Gyruss INT 201007142010年7月14日
Windows Krome Studios Microsoft Game Studios ダウンロード
(Game Room)
- アーケード版の移植

ディスクシステム版

本作は日本ではディスクシステム版が発売され、北米でもコナミの現地法人子会社のen:Ultra GamesNES版としてほぼ同様の内容で発売した。ちなみにコナミ最後のディスクシステム専用ソフトとなった。基本的なゲームシステムはアーケード版を踏襲しているが、以下の点が異なる。

  • ストーリーおよびエンディングの追加(「外部リンク」節コナミネット参照)
    • これによりアーケード版の全24ステージから全39ステージに変更(海王星と天王星の間に冥王星が挿入され、さらに地球の後に金星水星太陽も追加、太陽系全体が舞台となった)
    • エンディングはNES版は簡単なメッセージのみ、ディスクシステム版はスタッフロール付
  • グラフィック面、サウンド面の向上(アレンジの変更および曲の追加)
    • 上高治巳(別名「VAP上高」、「Jimmy Weckl」)がコナミで作曲・編曲を行った記録の残っている最初の作品は本作である
  • "3 WARPS TO NEPTUNE"、1周目から海王星に行くのに3回のワープが必要
  • 操作方法について、十字キーを「画面上での上下左右」に対応させる(CONTROL A)か、「自機から見た左右」に対応させる(CONTROL B)かを選択可能(CONTROL Bの場合、十字キーの上下はプレイ中は使用しない)。
  • 通常弾攻撃以外に、全ての敵や弾を貫通する特殊攻撃も可能
  • 各惑星でのボス戦の追加
  • チャンスステージ(ボーナスステージ)はボス戦後に、その他敵の種類の追加
  • チャンスステージで特殊攻撃アイテムやスマートボム(取った瞬間に画面上の敵および弾、他のアイテムを消し去る)、残機エクステンドも取得可能になった
  • ゲーム開始前にタイトル画面で「AB→←→←↓↓↑↑」(コナミコマンドの逆順になっている)と入力することで残機を30機に増やせる
  • 液晶シャッター式の3Dゴーグルに対応し、立体視を実現している。

このアレンジは少なくとも北米では好評に受け入れられた。

開発

同年に同社より稼働されたアーケードゲーム『タイムパイロット』(1983年)と同じく岡本吉起がゲームデザインを担当した。岡本は本作の後、コナミを退社しカプコンに入社したため、コナミ在籍中に携わったゲームは『タイムパイロット』と本作の2本のみである。

音楽

本作のBGMにはJ.S.バッハ作曲の『トッカータとフーガ ニ短調 BWV 565』の一節をロック調にアレンジしたものが使われている。また当時としては画期的な、PSG音源AY-3-8910を5個搭載して実現したステレオサウンドを用いたアーケードタイトルでもあった。

サウンドトラック

スタッフ

アーケード版
  • ゲームデザイン、キャラクターデザイン: 岡本吉起
  • プログラム:有馬俊夫[1]
  • サブプログラム:大山秀樹
  • サウンド:井上正廣
ディスクシステム版

評価

評価
レビュー結果
媒体結果
オールゲーム4/5stars (AC)[8]
2/5stars (A26)[9]
4/5stars (COL)[10]
Eurogamer8/10点 (AC)[8]
3/10点 (XBLA)[11]
ファミ通23/40点 (FCD)[12]
GameSpot6.3/10点 (XBLA)[11]
IGN4.8/10点 (XBLA)[11]
ファミリーコンピュータMagazine15.70/25点 (FCD)[13]
ユーゲー肯定的 (FCD)[14]
ディスクシステム版
項目 キャラクタ音楽操作性熱中度お買得度オリジナリティ 総合
得点 3.203.203.103.10-3.10 15.70

続編・関連作品・類似作品

Temporal Storm X: Hyperspace Dream(2017年9月1日、PC(Steam)) - 公式HP

脚注

  1. Twitter /有馬俊夫
  2. アーケードゲーム「ジャイラス」 開発話/世界の岡本吉起Ch
  3. 岡本吉起ゲームch
  4. 360度迫力シューティング「GYRUSS」が携帯に (日本語). SOFTBANK GAMES NEWS INDEX. ITmedia (2004年12月2日). 2019年12月8日閲覧。
  5. 懐かしの3Dシューティング『GYRUSS(ジャイラス)』が復活! (日本語). ファミ通.com. KADOKAWA (2004年12月3日). 2019年12月8日閲覧。
  6. コナミの携帯電話コンテンツ (日本語). コナミネット. コナミ. 2005年2月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年12月8日閲覧。
  7. コナミの携帯電話コンテンツ (日本語). コナミネット. コナミ. 2005年6月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年12月8日閲覧。
  8. Galaxian for Arcade (1983) (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2017年12月29日閲覧。
  9. Galaxian for Atari 2600 (1984) (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2017年12月29日閲覧。
  10. Galaxian for ColecoVision (1984) (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2017年12月29日閲覧。
  11. Galaxian for Xbox 360 (2007) (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2017年12月29日閲覧。
  12. ジャイラス まとめ [ファミコン] (日本語). ファミ通.com. KADOKAWA CORPORATION. 2016年12月31日閲覧。
  13. 「5月24日号特別付録 ファミコンディスクカード ゲームボーイ スーパーファミコン オールカタログ」『ファミリーコンピュータMagazine』第7巻第10号、徳間書店、1991年5月24日、65頁。
  14. 藤井宏幸「総力特集 フォーエバー DISK SYSTEM」『ユーゲー 2003 Vol.09』第7巻第18号、キルタイムコミュニケーション、2003年10月1日、23頁、雑誌17630-10。

関連項目

外部リンク

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