ジョセフ・キャロン

ジョセフ・キャロン (Joseph P. Caron、1947年 - )は、カナダ外交官、ビジネス・コンサルタントである。キャロンはアジア各地の大使を歴任した、カナダきっての知日派外交官である。

ジョセフ・キャロン
Joseph P. Caron
生誕 Joseph P. Caron
1947年
カナダの旗オンタリオ州
国籍 カナダの旗 カナダ
出身校 オタワ大学
職業 官僚外交官
肩書き 駐日カナダ大使
任期 2005年 - 2008年
前任者 ロバート・G・ライト
後任者 ジョナサン・T・フリード
配偶者 クルム・キャロン
子供 三人

生い立ち

キャロンはオンタリオ州南西部のパン・クアーの農家に生まれた。パン・クアーは田舎[1]の農村であったが、母親の姉が30年以上も福島県で暮らしていたため、日本への親近感をもって育った[2]。1970年にオタワ大学政治学を学び、優等の成績で卒業した[3]

経歴

キャロンは1972年にカナダ外務省に入省して以来、アジアとの貿易畑を中心にキャリアを重ねてきた。最初に配属されたのはカナダ通商部である[3]。1973年から1975年にかけてトルコ大使館二等書記官(商務担当)として勤務した。1975年から1977年まで横浜の米国日本語研修所で日本語を学び、1977年から1980年までは東京カナダ大使館で一等書記官(商務担当)を務めた[4]

1980年からはオタワの本省に戻り、インドシナ東南アジア課次長を務めた。1982年から1984年までトルドー政権下の枢密院事務局に出向し、外務国防担当書記官を務めた。1987年から1989年には2度目の日本勤務を経験し、参事官領事の任を果たした[4]

1990年代になると本省の国際経済課長や次官補として主要国首脳会議G8サミット)やアジア太平洋経済協力(APEC)を担当した。APECでは高級実務者を務め、経済サミットには8回にわたり参加し、カナダ首相出席の一切をとりしきった[3]

2001年からは中国大使モンゴル朝鮮民主主義人民共和国の大使も兼務)として北京に赴任した。2005年からは日本大使、2008年からはインド高等弁務官を務め(ネパールブータンの大使も兼務)、2010年に外務国際貿易省を退職した。これまでのところ日中印三か国のカナダ大使を務めたのはキャロンだけである[5]

2010年以降は、ジョセフ・キャロン社を設立し、日加間で取引する企業への助言を提供する[6]他、マニュライフ・フィナンシャル社外取締役[7]や、ヒーナンブレイキー法律事務所特別顧問[8]に就任するなど、ビジネスの世界に活動の場を移した。また、ブリティッシュコロンビア大学名誉教授[9]や政府系シンクタンクカナダ・アジア太平洋基金フェロー[10]にもなっている。

なお、短期間ではあるが、1973年にサイゴンに赴任し、ベトナム国際管理監視委員会に参加して、平和維持活動や停戦監視の実際に触れる[11]

人物

オンタリオ州南西部の英仏二言語圏で育ったキャロンは英語フランス語を話す。また日本語を使いこなす他、大学時代には中国語を学び[1]ヒンディー語も勉強した[9]

キャロンの伯母はカナダの宣教団の一員として会津若松で35年間にわたって英語を教えていた。伯母が送ってくれる手紙やプレゼントを通して日本に親しみをもつようになったキャロンは「9歳の時に初めて地図を手にするまで、私は世界がカナダ、アメリカ、日本の3つの国で成り立っている」と思っていたという[1]

日本勤務の長いキャロンは四国遍路を続け、2005年12月時点で回った札所の数は59寺になった。ガード下の居酒屋を楽しむ一面もあり、サラリーマンらにまじっておでんを食べ、カラオケでは井上陽水安全地帯を歌う[12]

2008年、明治学院大学より名誉博士号を授与され[11]、2011年にはヨーク大学から法学の名誉博士号を授与された[13]。2017年4月、旭日重光章受章。

家族には妻クルムと3人の子どもがいる。クルムとの結婚は、アンカラ時代にカナダ大使館で勤務していたトルコ人の彼女との出会ったのがきっかけである。子どもはみな日本勤務時代に生まれた[1]

脚注

  1. ジョゼフ・キャロン駐日カナダ大使スピーチ”. 明治学院大学. 2012年12月19日閲覧。
  2. 窪田明 (2005年12月9日). “【大使訪問】ジョゼフ・キャロン 新駐日カナダ大使”. 日加タイムス
  3. ジョセフ・キャロン略歴”. Joseph Caron Incorporated. 2012年12月19日閲覧。
  4. ジョゼフ・キャロン 駐日カナダ大使による知事儀礼訪問”. 兵庫県. 2012年12月19日閲覧。
  5. Caron, Joseph (Career), Canadian Heads of Posts Abroad from 1880 to 2000”. Department of Foreign Affairs and International Trade, Canada. 2012年12月19日閲覧。
  6. カナダ・アジア太平洋の堅い絆のために”. Joseph Caron Incorporated. 2012年12月19日閲覧。
  7. Joseph P. Caron, Board of Directors”. Manulife Financial Corporation. 2012年12月19日閲覧。
  8. Joseph P. Caron Special Advisor, Asia-Pacific, Our Team”. Heenan Blaikie LLP. 2012年12月19日閲覧。
  9. Top Canadian diplomat joins UBC to advance teaching, research of Asian-Canada relations”. University of British Columbia. 2012年12月19日閲覧。
  10. Josep caron, Distinguished Fellows”. Asia Pacific Foundation of Canada. 2012年12月19日閲覧。
  11. ジョゼフ・キャロン駐日カナダ大使に明治学院大学名誉博士学位を授与しました”. 明治学院大学. 2012年12月19日閲覧。
  12. “ひと「ジョゼフ・キャロンさん お遍路さんで「日本の心」を知る新駐日カナダ大使」”. 朝日新聞. (2005年12月20日)
  13. York will honour four distinguished citizens at fall convocation”. York University. 2012年12月19日閲覧。

外部リンク

外交職
先代
ハワード・バロック
カナダの旗 在中華人民共和国カナダ大使 中華人民共和国の旗
2001年 - 2005年
次代
ロバート・G・ライト
先代
ロバート・G・ライト
カナダの旗 駐日カナダ大使 日本の旗
2005年 - 2008年
次代
ジョナサン・T・フリード
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