ジョンバール分岐点

ジョンバール分岐点(ジョンバールぶんきてん、: Jonbar hinge: Jonbar pointとも)は、SFの用語である。

特にタイムトラベルに関する物語において、歴史上の重要な一点で時間軸が分岐し、世界が枝分かれして元の世界と平行した別の世界が生まれているという解釈を基に、パラレルワールドが生まれる瞬間を指す。

この用語は、量子力学の考え方に基づいた可変の未来という発想を元に、史上最初に書かれたとされるSF小説ジャック・ウィリアムスンの「航時軍団」(The Legion of Time、1938年[1])に由来する。

物語本編内では、平穏なユートピア社会「ジョンバール」(Jonbar)とカルト教団的な専制君主が支配するうえ、最後に支配者同士の対戦が原因で人類が絶滅する「ギロンチ」(Gyronchi)という二つの未来世界が存在し、両者とも人間の意志で原子エネルギーを制御・開放する「ダイナト(Dyna Atomic Tensor、原子力学的張律と訳される)/ギレーヌ[注釈 1]」という新技術[注釈 2]を基に世界が発展したことは同じだが、この技術の発見者が以下のような小さなことで別人となり、それによって全く異なる世界と化している。

1921年のアーカンサス州オザークで、当時12歳のジョン・バール(John Barr)少年が道端で何かを見つけて拾う。
ジョンが拾ったものジョンに与えた影響ジョンの未来ダイナト/ギレーヌの発見未来世界
磁石[注釈 3]科学への興味
(最終的にダイナトの発見につながる)
学校の理科教師
(アマチュア科学者)
ジョン・バール(1980年)[注釈 4]ジョンバール
きれいな小石とくになし[注釈 5]季節労働者イヴォル・ギロスと仏教破戒僧(1989年)[注釈 6]ギロンチ

[2]

脚注

注釈

  1. ギロンチ側の呼称、ギロンチ内では技術というより秘術扱いで崇拝の対象・教団名。
  2. 単純なエネルギー源だけではなく、人間をより優れたものにもできる無限の可能性を秘めた力。(野田(1979訳)p.91-92
  3. 正確に言うと「T型フォードの点火部品のマグネット」見た目はV型の鉄片。
  4. ダイナトの技術を公表した後間もなく死亡するが、未来世界は彼にちなんで「ジョンバール」という名前が付けられる。
  5. この小石はジョンにパチンコの弾にされ、すぐに紛失する。
  6. イヴォル・ギロスはソビエトから亡命してきた技師。
    ジョンより不完全にこの技術を発見するが、独占して私利私欲に使い、破戒僧と2人で狂信的な宗教団体を築いて新しい専制国家を作り、これがギロンチの起源となる。

出典

  1. 野田(1979訳)p.221「訳者あとがき」
    なお、ハヤカワ文庫版の見返しにある原書説明の「1952年」は原書の単行本化の年代。
  2. 野田(1979訳)p.168-174
  • 『航時軍団』、野田昌宏訳、ハヤカワ文庫SF349、1979年6月、ISBN 978-4150103491


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