ターポン

ターポン (学名: Megalops atlanticus 英名:Atlantic tarponアトランティック・ターポン)は、カライワシ目イセゴイ科に属する

ターポン
Megalops atlanticus
保全状況評価[1]
VULNERABLE
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
: カライワシ目 Elopiformes
: イセゴイ科 Megalopidae
: イセゴイ属 Megalops
: ターポン M. atlanticus
学名
Megalops atlanticus
Valenciennes, 1847
和名
ターポン、タイセイヨウイセゴイ
英名
Atlantic tarpon
Tarpon

形態

体長は最大で250 cm、体重は最大161 kg の個体が記録されている[2]。およそ1800万年前よりほとんど形状を変えることなく現代まで生き延びてきた古代魚であり、体の構造には原始的な特徴が見られる[3]。背中側は緑あるいは青みがかっており、両脇は銀色である[3]背びれの端の鰭条はほかのものよりも非常に長く、尾の近くまで及ぶ[3]。大きな口は上向きに開いており、下顎には延長された骨板が含まれている[3]は原始的な肺のような役割を果たしており、空気を充填することが出来る構造となっており、酸素が少ない場所でも生きることができる[3]

分布

大西洋の主に熱帯から亜熱帯にかけての地域で見られるが、それより遥かに北のノバスコシアや南フランスの大西洋岸、あるいは遥かに南のアルゼンチンでも報告がある。

おそらくパナマ運河経由で、コスタリカ沿岸にも分布を広げている[1]

太平洋には同属のイセゴイ(Megalops cyprinoides が生息しており、アトランティックターポンの和名として「タイセイヨウイセゴイ」という呼称が使われることもある。

生態

海洋の沿岸部や河口ラグーン河川などに生息し、さまざまな魚やカニなどの甲殻類を餌とする[4]

他のカライワシ目の魚同様にターポンも海で産卵する。一度に産む卵は1,200万個にも及び、卵から生まれた稚魚はレプトケファルス幼生を経て成魚となる。レプトケファルス期は水中から直接栄養を吸収し、未成魚期になると動物プランクトンや小さな獲物を捕食するようになる[4]

人間との関係

有史以前より、ターポンの爪やすり装身具として利用がなされてきた[5]。また、ブラジルの伝統医学においてはターポンの砕いた鱗が用いられてきた[5]

1510年ごろに造られたシスティーナ礼拝堂の天井フレスコ画には、イタリアの画家ミケランジェロ・ブオナローティによってターポンが描かれている[6]。1847年、フランスの動物学者アシル・ヴァランシエンヌによって、Megalops atlanticusとして記された[3]

肉に毒などはなく食べられるが、一般的に臭く骨っぽいと言われ、食用には適さない[7]

ターポンは別名「シルバー・キング(Silver King)」の名で知られ、その大きさや手軽な生息地だけでなく、かかった時の抵抗の強さなどのために、生息地域の釣り人の間では海水域で最もすばらしいゲームフィッシュ(GameFish:スポーツフィッシングの対象魚)の一つと見なされており、多くの釣り人がターポン釣りを目的として南米などの生息地を訪れている[7][8]

夜間にダイバーが潜水していると、光に引き寄せられて集まった小魚などを狙ってターポンが急接近し、その体の大きさもあってダイバーを驚かせることもある。

大型の肉食魚だが、意図的に人間を襲うことはなく、人が被害を受けたという例はない。

だが、ニカラグアの川周辺は200-300kgの超巨大なターポンが存在するというが信憑性は定かではない。その超巨大ターポンは、とても凶暴と言われており、漁師の死亡事故も度々報告されている。主に死亡原因は突進して頭突きを食らわせるというようなものである[9]

ギャラリー

脚注

  1. Adams, A., Guindon, K., Horodysky, A., MacDonald, T., McBride, R., Shenker, J. & Ward, R. (2019). “Megalops atlanticus”. IUCN Red List of Threatened Species 2019: e.T191823A174796143. doi:10.2305/IUCN.UK.2019-2.RLTS.T191823A174796143.en. https://www.iucnredlist.org/species/191823/174796143 2023年9月26日閲覧。.
  2. New study reveals international movements of Atlantic Tarpon, need for protection”. news.miami.edu. University of Miami. 2020年12月10日閲覧。
  3. The Science Behind Tarpon”. www.saltwatersportsman.com. Salt Water Sportsman (2015年5月5日). 2020年12月10日閲覧。
  4. Atlantic Tarpon”. gcrl.usm.edu. The University of Southern Mississippi. 2021年5月18日閲覧。
  5. Tarpon remain a fascinating species”. www.tampabay.com. Tampa Bay Times. 2020年12月10日閲覧。
  6. Michelangelo's Tarpon”. midcurrent.com. Midcurrent. 2021年5月18日閲覧。
  7. Tracking Texas Tarpon”. sportfishingmag.com. Sport Fishing Magazine (2021年8月5日). 2022年5月16日閲覧。
  8. Texas Tarpon: The Mighty Silver King”. www.texas-wildlife.org. Texas Wildlife Association. 2020年12月10日閲覧。
  9. 怪物魚を追え! シーズン5」〜殺人魚雷〜ディスカバリーチャンネルCS340ch 番組内の説明より抜粋

関連項目

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