テルブタリン

テルブタリン(Terbutaline)は速効性の交感神経β2受容体作動薬の一つである。商品名ブリカニール。日本では経口剤および皮下注射剤が販売されているが、海外では喘息の「リリーバー」として吸入剤も用いられている。

テルブタリン
IUPAC命名法による物質名
臨床データ
Drugs.com monograph
MedlinePlus a682144
胎児危険度分類
  • C
法的規制
投与経路 SQ, Oral, Inhaled
薬物動態データ
血漿タンパク結合25%
代謝GI tract (oral), liver; CYP450: unknown
半減期11-16 hours
排泄urine 90% (60% unchanged), bile/faeces
識別
CAS番号
23031-25-6 チェック
ATCコード R03AC03 (WHO) R03CC03 (WHO)
PubChem CID: 5403
IUPHAR/BPS 560
DrugBank DB00871
ChemSpider 5210 チェック
UNII N8ONU3L3PG チェック
KEGG D08570
ChEBI CHEBI:9449
ChEMBL CHEMBL1760
化学的データ
化学式C12H19NO3
分子量225.284 g/mol

また、適応外使用として切迫早産の抑止(子宮弛緩作用)にも使用される。アメリカ産科婦人科学会はそのような使用を推奨していない。

テルブタリンは世界アンチ・ドーピング機関の薬物リストに収載されており、オリンピック選手の場合は、事前に治療的吸入使用の許可を得ない限り使用禁止とされている。

効能・効果

日本で承認されている効能・効果は、気管支喘息、慢性気管支炎、喘息性(喘息様)気管支炎、気管支拡張症肺気腫である[1]。錠剤のほか、後発品に細粒剤がある。気管支拡張症および肺気腫にはシロップ剤は使用できない[2]。皮下注射剤は気管支喘息にのみ使用できる[3]

有効性

喘息発作時のリリーバーとしてはテルブタリンの頓用使用に比較して、維持療法に使用するブデソニド/ホルモテロール配合剤を追加吸入する方が最初の重度増悪までの期間や重度増悪・軽度増悪した患者の割合について優れていた[4]

子宮収縮抑制剤として早産の抑制に使われることがあるが[5]、胎児の心筋壊死が発生することがあり、2011年には米国で72時間を超える投与が禁止された[6]。そもそもテルブタリンは子宮弛緩剤としては承認されていない。FDAの胎児危険度分類はCであり、妊婦に対して日常診療に用いる薬ではない。米国産科婦人科学会もまた早産予防にテルブタリンを48時間以上用いないよう呼びかけている[7]

副作用

注意すべき重大な副作用は、アナフィラキシー様症状(0.1%未満)と血清カリウム値低下(頻度不明)である[1][2][3]

構造活性相関

窒素を修飾する三級ブチル基が、交感神経β2受容体選択性を高めている。ベンゼン環の4位に水酸基がない事で、COMTの影響を受け難くなっている[10]

立体化学

テルブタレンは、立体中心を含み、2つのエナンチオマーからなる。 これは[ラセミ体]、すなわち(R)体と(S)体の1:1混合物である:[11]

テルブタリンのエナンチオマー

CAS-Nummer: 37394-31-3

CAS-Nummer: 90877-48-8

ドラマでの引用

ドラマ「アンサング・シンデレラ」第11回[12]では、早産の患者に対してリトドリンの代わりにテルブタリンを近くの内科から取り寄せるシーンに引用されていた。

出典

  1. ブリカニール錠2mg 添付文書 (2015年1月). 2015年9月13日閲覧。
  2. ブリカニールシロップ0.5mg/mL 添付文書 (2015年1月). 2015年9月13日閲覧。
  3. ブリカニール皮下注0.2mg 添付文書 (2015年1月). 2015年9月13日閲覧。
  4. 【ATS特別版】ブデソニド/ホルモテロール配合剤 コントロール不充分な成人喘息への維持療法に頓用吸入を追加する治療法で有効性を示す”. ミクス (2012年5月24日). 2015年9月13日閲覧。
  5. Mohamed Ismail NA, Ibrahim M, Mohd Naim N, Mahdy ZA, Jamil MA, Mohd Razi ZR (September 2008). “Nifedipine versus terbutaline for tocolysis in external cephalic version”. Int J Gynaecol Obstet 102 (3): 263–6. doi:10.1016/j.ijgo.2008.04.010. PMID 18554601.
  6. FDA warns against certain uses of asthma drug terbutaline for preterm labor”. FDA (2011年2月17日). 2015年9月13日閲覧。
  7. ACOG helps ob-gyns ‘choose wisely’”. ACOG (2014年5月). 2015年9月13日閲覧。
  8. Shen, Howard (2008). Illustrated Pharmacology Memory Cards: PharMnemonics. Minireview. pp. 7. ISBN 1-59541-101-1
  9. , 5 Minute Consult (Original Source: UpToDate "Terbutaline: Drug information").
  10. Medicinal Chemistry of Adrenergics and Cholinergics
  11. F. v. Bruchhausen, G. Dannhardt, S. Ebel, A. W. Frahm, E. Hackenthal, U. Holzgrabe (Hrsg.): Hagers Handbuch der Pharmazeutischen Praxis: Band 9: Stoffe P-Z, Springer Verlag, Berlin, Aufl. 5, 2014, S. 804, ISBN 978-3-642-63389-8.
  12. アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋”. フジテレビ. 2021年2月27日閲覧。
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