ヌエバ・エスパーニャ副王の一覧

ヌエバ・エスパーニャ副王の一覧(ヌエバ・エスパーニャふくおうのいちらん)は、1535年から1821年にいたる300年間弱の間に在職した62代(ルイス・デ・ベラスコ2世とフアン・デ・オルテガの2人は2期在職しているため60人)のヌエバ・エスパーニャ副王の一覧である。

概要

スペインによる北アメリカ大陸の植民地化は1521年のエルナン・コルテスによるアステカ帝国征服にはじまるが、副王制がはじまったのはかなり遅れて1535年のことである。副王はスペイン本国から赴任し、他の権力者であるアウディエンシア、メキシコ大司教などと対立しながらも1821年のメキシコ独立まで続いた。

副王に任命されてから実際にメキシコシティに到着して就任式を行うまでには年単位のずれがあることが多い。下の表の在職年は後者から数えている(ただし最後のフアン・オドノフはメキシコシティに到着する前にメキシコの独立を承認している)。

カルロス1世

カルロス1世(神聖ローマ皇帝カール5世)が1535年にはじめて副王を任命した。

代数副王(爵位)在職年備考
1アントニオ・デ・メンドーサ1535-1550ペルー副王に転任
2ルイス・デ・ベラスコ1世1550-1564在職中に死亡

フェリペ2世

フェリペ2世の時代(1556-1598年)に任命された副王。

代数副王(爵位)在職年備考
3ガストン・デ・ペラルタ
第3代ファルセス侯爵
1566-1567解任
4マルティン・エンリケス・デ・アルマンサ1568-1580ペルー副王に転任
5ロレンソ・スアレス・デ・メンドーサ
第4代コルーニャ伯爵
1580-1583在職中に死亡
6ペドロ・モヤ・デ・コントレラス1584-1585臨時の副王
7アルバロ・マンリケ・デ・スニガ
初代ビリャマンリケ侯爵
1585-1590解任
8ルイス・デ・ベラスコ2世
初代サリナス侯爵
1590-1595第2代副王の子
ペルー副王に転任
9ガスパール・デ・スニガ
第5代モンテレイ伯爵
1595-1603ペルー副王に転任

フェリペ3世

フェリペ3世時代(1598-1621年)に任命された副王。日本に使節を送ったのは第11代のサリナス侯爵ルイス・デ・ベラスコ2世であり、支倉常長らの慶長遣欧使節を迎えたのは第13代のグアダルカサル侯爵ディエゴ・フェルナンデス・デ・コルドバである。

代数副王(爵位)在職年備考
10フアン・デ・メンドーサ・イ・ルナ
第3代モンテスクラロス侯爵
1603-1607ペルー副王に転任
11ルイス・デ・ベラスコ2世
初代サリナス侯爵
1607-1611第8代副王の再任
12フランシスコ・ガルシア・ゲラ1611-1612臨時の副王、在職中に死亡
13ディエゴ・フェルナンデス・デ・コルドバ
初代グアダルカサル侯爵
1612-1621ペルー副王に転任

フェリペ4世

フェリペ4世の時代(1621-1665年)に任命された副王。

代数副王(爵位)在職年備考
14ディエゴ・カリーリョ・デ・メンドーサ
初代ガルベス侯爵
1621-1624
15ロドリーゴ・パチェコ
第3代セラルボ侯爵
1624-1635
16ロペ・ディエス・デ・アルメンダリス
初代カドレイタ侯爵
1635-1640
17ディエゴ・ロペス・パチェコ
第7代エスカローナ公爵
1640-1642解任
18フアン・デ・パラフォクス1642臨時の副王
19ガルシア・サルミエント・デ・ソトマヨル
第2代サルバティエラ伯爵
1642-1648ペルー副王に転任
20マルコス・デ・トーレス1648-1649臨時の副王
21ルイス・エンリケス・デ・グスマン
第9代アルバ・デ・リステ伯爵
1650-1653ペルー副王に転任
22フランシスコ・フェルナンデス・デ・ラ・クエバ
第8代アルブルケルケ公爵
1653-1660
23フアン・フランシスコ・デ・レイバ
第6代アドラダ侯爵
1660-1664解任
24オシリオ・デ・エスコバル1664臨時の副王
25アントニオ・セバスティアン・デ・トレド
第2代マンセラ侯爵
1664-1673

カルロス2世

カルロス2世の時代(1665-1700年)に任命された副王。

代数副王(爵位)在職年備考
26ペドロ・ヌーニョ・コロン・デ・ポルトゥガル
第6代ベラグア公爵
1673在職中に死亡
27パヨ・エンリケス・デ・リベラ1673-1680
28トマス・デ・ラ・セルダ
第3代ラ・ラグナ・デ・カメロ・ビエホ侯爵
1680-1686
29メルチョル・ポルトカレロ
第3代モンクローバ伯爵
1686-1688ペルー副王に転任
30ガスパル・デ・ラ・セルダ
第8代ガルベ伯爵
1688-1696
31フアン・デ・オルテガ1696臨時の副王
32ホセ・サルミエント・デ・バリャダレス
初代アトリスコ公爵
1696-1701

フェリペ5世

スペイン・ブルボン朝のフェリペ5世およびルイス1世の時代(1700-1746年)に任命された副王。

代数副王(爵位)在職年備考
33フアン・デ・オルテガ1701-1702臨時の副王。第31代副王の再任
34フランシスコ・フェルナンデス・デ・ラ・クエバ
第10代アルブルケルケ公爵
1702-1711
35フェルナンド・デ・アレンカストレ
初代リナレス公爵
1711-1716
36バルタサル・デ・スニガ
初代アリオン公爵
1716-1722
37フアン・デ・アクニャ
初代カサ・フエルテ侯爵
1722-1734在職中に死亡
38フアン・アントニオ・デ・ビサロン1734-1740在職中に死亡
39ペドロ・デ・カストロ・フィゲロア
初代ラ・コンキスタ公爵
1740-1741在職中に死亡
40ペドロ・デ・セブリアン
第5代フエンクララ伯爵
1742-1746

フェルナンド6世

フェルナンド6世の時代(1746-1759年)に任命された副王。

代数副王(爵位)在職年備考
41フアン・フランシスコ・デ・グエメス
初代レビジャヒヘド伯爵
1746-1755
42アグスティン・デ・アウマダ
第2代アマリージャス侯爵
1755-1760在職中に死亡

カルロス3世

カルロス3世の時代(1759-1788年)に任命された副王。ブルボン改革の一環としてヌエバ・エスパーニャの行政組織は大幅に変更された。また七年戦争の結果スペイン領フロリダを失い、かわりにフランス領ルイジアナを得たが、アメリカ独立戦争でイギリスと戦い、その結果再びフロリダを得た。イエズス会が追放され、アルタ・カリフォルニアの植民地化がはじまったのもこの時期である。

代数副王(爵位)在職年備考
43フランシスコ・アントニオ・カヒガル・デ・ラ・ベガ1760臨時の副王
44ホアキン・フアン・デ・モントセラト
初代クルイジャス侯爵
1760-1766
45カルロス・フランシスコ・デ・クロワ
初代クロワ侯爵
1766-1771
46アントニオ・マリア・デ・ブカレリ1771-1779在職中に死亡
47マルティン・デ・マヨルガ1779-1783
48マティアス・デ・ガルベス1783-1784在職中に死亡
49ベルナルド・デ・ガルベス1785-1786マティアスの子、在職中に死亡
50アロンソ・ヌニェス・デ・アロ1787臨時の副王
51マヌエル・アントニオ・フロレス1787-1789

カルロス4世

カルロス4世の時代(1788-1808年)に任命された副王。フランス革命の時期と重なる。スペインは当初フランスと戦ったが後に同盟し、第三次サン・イルデフォンソ条約でルイジアナをフランスに返還した。

代数副王(爵位)在職年備考
52フアン・ビセンテ・デ・グエメス
第2代レビジャヒヘド伯爵
1789-1794第41代副王の子
53ミゲル・デ・ラ・グルア・タラマンカ
初代ブランシフォルテ侯爵
1794-1798
54ミゲル・ホセ・デ・アサンサ
初代サンタ・フェ侯爵
1798-1800
55フェリクス・ベレンゲル・デ・マルキナ1800-1803
56ホセ・デ・イトゥリガライ1803-1808クーデターで逮捕される

フェルナンド7世時代

半島戦争およびフェルナンド7世の時代(1808-1833年)に任命された副王。メキシコ独立革命の時代に重なる。1812年のカディス憲法の下ではヌエバ・エスパーニャは最高首長 (es:jefe político superior) によって統治されるが、この表では副王に含めている。フェルナンド7世がカディス憲法を破棄したため、法律上副王でなかったのはスペイン立憲革命中に任命されたオドノフのみである。

代数副王(爵位)在職年備考
57ペドロ・デ・ガリバイ1808-1809クーデターによる臨時の副王
58フランシスコ・ハビエル・デ・リサナ1809-1810アランフエスの最高中央評議会が任命
59フランシスコ・ハビエル・ベネガス
初代レユニオン・イ・ヌエバ・エスパーニャ侯爵
1810-1813カディスの評議会が任命
60フェリクス・カジェハ
初代カルデロン伯爵
1813-1816カディスの摂政委員会が任命
61フアン・ルイス・デ・アポダカ
初代ベナディート伯爵
1816-1821辞職させられる
62フアン・オドノフ1821メキシコの独立を承認
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