ヒートショック現象

ヒートショック現象(ヒートショックげんしょう、: heat shock response)とは、住環境における急激な温度変化によって血圧が乱高下したり脈拍が変動する現象[1]

概説

一般[2]で使われている用語としては、ヒートショックとは急激な温度変化により身体が受ける影響のことである。比較的暖かいリビングからまだ冷たい浴室、脱衣室、トイレなど、温度差の大きいところへ移動すると、身体が温度変化にさらされて血圧が急変するため、脳卒中心筋梗塞などを引き起こすおそれがある。高血圧動脈硬化の傾向がある人がその影響を受けやすい傾向があり、なかでも高齢者は注意が必要とされる[3]

このようなヒートショックの要因となる住環境のリスクは「暖差リスク」とも呼ばれ、特に冬期は住宅内の温度差が大きくなるため、注意が必要である[4]

日本の入浴中の急死者数は諸外国に比べて高いとされ、その理由は浴室と脱衣室の温度差であると考えられている[5]。日本で年間累計1万人以上がヒートショックが原因で死亡しているといわれ、室内における高齢者の死因の4分の1を占める、ともされている[3]。実際に、2011年の1年間で約17,000人もの人々がヒートショックに関連した入浴中急死をしたと推計され、その死亡者数は交通事故による死亡者数(4611人)をはるかに上回る[6]。そのうち14,000人ほどが高齢者だと考えられている[6]。東京23区では2019年、1,402人が浴室でヒートショックにより死亡した。月別で見ると1月が最も多く(294人)、2、11、12月を合わせた冬季で839人に上った。

ヒートショック対策方法

住宅内を移動した際の急激な温度変化による影響を防ぐためには、住宅内の温度差を小さくすることが推奨される[7]

高断熱・高気密住宅
家の構造自体を保温性の高いものにして、外気温の影響を受けにくくする。
脱衣所や浴室、トイレへの暖房器具設置や断熱改修
ただし、お湯や水を大量に使う場所であるので、感電事故にならないよう、浴室での暖房器具は、浴室専用のものを使うことが望ましい。
シャワーによるお湯はり
蛇口ではなくシャワーを使うことでお湯を拡散させ、浴室全体を温める。
夕食前・日没前の入浴
外気温が比較的高い日中に入浴し、浴室と脱衣所の温度差を少なくする。

脚注

  1. 知恵蔵』2013年「ヒートショック」
  2. たとえば、NHK、民放の各報道機関、新聞、建設業界、暖房機メーカー等々
  3. 『知恵蔵』2013年
  4. 冬の住宅環境に潜む、ヒートショックのリスク要因『暖差リスク』”. 暖差リスク予防委員会. 2014年11月5日閲覧。
  5. 暮らしと住まいの便利帖 住まいの中の安全大研究 温度のバリアフリーとは?”. 東京ガス. 2009年1月13日閲覧。
  6. 冬場の住居内の温度管理と健康について”. 地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター. 2019年12月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年12月5日閲覧。
  7. 「暖差リスク」予防・対策ガイドライン”. 暖差リスク予防委員会. 2014年11月5日閲覧。

外部リンク

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