ファマディハナ
ファマディハナ(英:Famidihana)は先祖の遺体を墓から取り出して新しい布で包み遺体と共に踊るマダガスカルの伝統的な改葬儀式[1]。英語での別名はthe turning of the bones[1][2]。歴史家のマヘリ・アンドリアナハグ (Mahery Andrianahag) によれば「この国(マダガスカル)で最も普及している儀式の一つ」だという[3]。何世紀も前から行われている行事であり[1]マダガスカルの高地にある村々が起源だとされている[3]が、マダガスカルの最初の定住者の起源とされている東南アジアの文化や伝統が元になっている可能性もある[1]。

概要
メリナ族などマダガスカルの複数の部族が行う儀式[2]。マダガスカルの冬にあたる7月から9月に行われる[3]。マダガスカルの人々にとって、この儀式は死者を敬う儀式であり、また家族が国全体から一堂に会する機会でもある[2]。墓から先祖の遺体を取り出して新しい布で包み、共に会話をしたり踊ったりする[2]。また、ご馳走を食べたり音楽隊の演奏なども行われる[3][注釈 1]。
マダガスカルの死生観
マダガスカルではキリスト教と伝統的な宗教が融合しているが天国と地獄の存在は信じておらず、死後は遺体が完全に朽ちるまでは故郷の地に留まり、その後に第二の生で生存時と同様の生活をするのだと考えられている[2]。亡くなった「先祖」は神と生者を仲介する存在であると考えられており、「先祖」には地上に干渉する力があるのだと信じられている[2]。また、一度もファマディハナを行っていない遺体は「生者」でも「先祖」でもなく、ファマディハナを行うことで新しい世界に属する「先祖」になるのだという[2]。マダガスカルの人々にとって墓は自らのアイデンティティであり家よりも金をかけるもので、ファマディハナにも大金が費やされる[2]。
問題
キリスト教との関連
初期にマダガスカルを訪れたキリスト教の宣教師らはファマディハナを止めさせようとしたという[2]。今日では、マダガスカルで最大の宗派であるローマ・カトリック教会は反対していないが、福音主義ではファマディハナを止める人が増加している[2]。
脚注
注釈
- 出典によって祭りの描写が異なるので、地域によって詳細は異なる可能性がある。
出典
- “Madagascar's dance with the dead”. BBC. (2008年8月16日) 2017年10月31日閲覧。
- Jo Munnik; Katy Scott (2016年10月18日). “In Famadihana, Madagascar, a sacred ritual unearths the dead”. CNN 2017年10月31日閲覧。
- Tsiresena MANJAKAHERY (2017年10月30日). “遺体とダンス 死者敬う風習がペスト感染リスクに マダガスカル”. AFPBB news 2017年10月31日閲覧。