ベラ・ノッテ

ベラ・ノッテ」(Bella Notte)は1955年公開のウォルト・ディズニー・プロダクション制作のアニメ映画わんわん物語』の主題歌・挿入歌。作詞・作曲はペギー・リーソニー・バーク。歌手はジョージ・ギボット(トニー役)とビル・トンプソン(ジョー役)。曲名はイタリア語で「美しい夜」を意味する。歌い出しのフレーズを取って This is the Night という題で呼ばれることもある[1]

概要

印象的な戦後の映画音楽のひとつに数えられる[2]。『わんわん物語』のオープニングでは、オーケストラをバックに合唱で歌われる[3]。劇中では、レディとトランプがイタリアン・レストランで一緒にスパゲッティを食べるシーンで、レストラン主人のトニーが恋する犬達のためのセレナーデとしてカンツォーネの色彩で歌い上げる曲として有名[1][4]。この他にも随所で使われる代表的な挿入歌である。

『わんわん物語II』ではカルロス・ポンセジョイ・エンリケスによりカバーされた。

評価・受容

イタリア系住民の描写

『わんわん物語』に登場する人間・動物はアメリカ社会を構成する人々の元型や行動を体現しており、挿入歌の音楽性にもそれが色濃く現われている。音楽研究家のD・ゴールドマークらによれば、「ベラ・ノッテ」の曲調は、アメリカ社会になじもうとしているイタリア系歌手の当時の各楽曲をモデルとしており、民族に基づくステレオタイプや社会的階層構造に関する観点を強調しているとされる[5]

スウェーデンでの受容とカバー

スウェーデン特有の現象として、この曲は1960年代以後からクリスマスソングの定番として国民に親しまれ、スウェーデン人のクリスマス感情を反映する曲の1つである[6][7][8][9]。『わんわん物語』の幕開けがクリスマスであることも関係しているが、毎年クリスマス・イヴの午後に国民の4割以上が視聴するスウェーデン・テレビのクリスマス特別番組 Kalle Anka och hans vänner önskar God Jul: From All of Us to All of You[10][11]に、カール=エリク・タンベルトによるカバーと『わんわん物語』からの一幕が含まれている影響が大きいとされる[9]。このほか、スウェーデン語の訳詞でシュー・マルムクヴィストが1956年にカバーしている[12]

その他の主なカバー

上述の各カバーに加え、下記の各アーティストがカバー演奏している。

脚注

  1. 山下は本作を「幼少時代に初めて観たディズニーアニメで、強い思い入れがある作品」と語っている。

参考文献

  1. Hischak, Thomas S.; Robinson, Mark A. (2009). The Disney Song Encyclopedia. Scarecrow Press. p. 16
  2. Tyler, Don (2008). Music of the Postwar Era. ABC-CLIO. p. 120. ISBN 9780313341915
  3. Tietyen, David (1990). The Musical World of Walt Disney. H. Leonard Publishing Corporation. ISBN 0881884766
  4. 尾上, 典子「Walt Disneyとアメリカ大衆文化 : 芸術と企業の理想的融合」『経営学紀要』第9巻第2号、亜細亜大学、2002年1月、83-156頁、NAID 110000554287
  5. Goldmark, Daniel; McKnight, Utz (2008). “Locating America: Revisiting Disney's Lady and the Tramp”. Social Identities: Journal for the Study of Race, Nation and Culture 14 (1): 101-120. doi:10.1080/13504630701848705.
  6. Österberg, Gunlis; Leskelä, Ari (1997). Julens önskesångbok. Warner/Chappell Scandinavia. OCLC 185890317
  7. Wulfson Quartet. Julpaket”. 2014年11月28日閲覧。
  8. Turner, Zane (2009年12月). December Laudes”. Musicweb International. 2014年11月28日閲覧。
  9. Dennis Nydahl”. D23. Disney. 2014年11月28日閲覧。
  10. Wennström, Daniel (2006年). Kalle Anka och hans vänner önskar God jul”. Magic Movies. 2010年8月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年11月28日閲覧。
  11. Axelsson, Malin (2008年12月22日). “Kalle Ankas jul tappar tittare”. Svenska Dagbladet. http://www.svd.se/kultur/kalle-ankas-jul-tappar-tittare_2237899.svd
  12. スウェーデン国立図書館スウェーデン・メディアデータベース SMDB 001350731
  13. Gelles, Barrie (2011). Glee and the “Ghosting” of the Musical Theatre Canon”. Popular Entertainment Studies 2 (2): 89-111. ISSN 1837-9303. https://novaojs.newcastle.edu.au/ojs/index.php/pes/article/view/66/59.
  14. "Bella Notte", MusicBrainz, 2014年12月13日閲覧
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