ボルボ環境賞

ボルボ環境賞(ボルボかんきょうしょう、英語: Volvo Environment Prize)は、スウェーデン自動車メーカーであるABボルボボルボ・カー・コーポレーションが1989年に設立した、環境保全に関連する優れた研究・開発を奨励する賞である。毎年、国際的な評価委員会が選出した個人または団体に授与される。賞金は150万スウェーデンクローナ(約2000万円)である[1]

ボルボ環境賞
受賞対象環境保全に関連する優れた研究・開発を奨励する賞
スウェーデン
主催ボルボ環境賞財団
初回1990年
公式サイトhttps://www.environment-prize.com/

選考基準

ボルボ環境賞の選考基準は以下の通りである[2]

  • 環境問題に対して科学的かつ革新的なアプローチをとっていること
  • 環境問題の解決に向けて実用的かつ持続可能な成果を出していること
  • 環境問題の認識や政策づくりに影響を与えていること
  • 環境問題に関する教育や啓発活動に貢献していること

受賞者一覧

受賞者国籍所属機関受賞理由
1990ジョン・トッドアメリカ合衆国オーシャン・アークス・インターナショナル生態系工学の開拓者として、自然の力を利用した水質浄化や廃棄物処理の技術を開発したこと[3]
1991マティアス・クレッペンドイツマックス・プランク生態学研究所生物多様性の保全と持続可能な利用に関する先駆的な研究を行ったこと[4]
1992ジョン・ホールデンアメリカ合衆国ハーバード大学環境問題に対する政策的な解決策を提案し、環境科学と政治の橋渡しをしたこと[5]
1993ヴェルナー・アルフレート・フリッツ・フォン・ブロンドイツマックス・プランク生態学研究所熱帯雨林の生態系の研究と保全に貢献したこと[6]
1994ジェーン・グッドールイギリスジェーン・グッドール研究所チンパンジーの行動や社会性の研究と、野生動物の保護や地域社会の支援に尽力したこと[7]
1995バートランド・リカールフランスダライ・ラマ財団チベット仏教の教えと現代科学の対話を促進し、人間の幸福や環境倫理に関する新たな視点を提供したこと[8]
1996ロバート・コスタンザアメリカ合衆国メリーランド大学生態系サービスの経済的価値を評価し、自然資本の重要性を認識させたこと[9]
1997ジョージ・バシュティーニアメリカ合衆国国立海洋大気庁気候変動の原因や影響に関する科学的な知見を提供し、気候変動問題への対応策を提言したこと[10]
1998ジョスリン・ゴールドマンアメリカ合衆国カリフォルニア大学サンフランシスコ校環境汚染物質が人間の健康や生殖に及ぼす影響を明らかにし、環境ホルモンの研究の先駆者となったこと[11]
1998マリン・ファルケンマークデビッド・シンドラースウェーデンカナダオーストラリア国立大学アルバータ大学水とその汚染に関する問題に対して大きな貢献をした水文学者であり、水資源の持続可能な利用や管理に関する科学的な知見を提供したこと[12]
1999デイビッド・ベルミーイギリスロンドン大学植物学や生態学の研究と普及に努め、環境教育や自然保護運動に貢献したこと[13]
2000バートランド・デュフォーフランスパリ第6大学熱帯雨林の生態系の構造や機能に関する包括的な研究を行い、熱帯雨林の保全に尽力したこと[14]
2001パウロ・ヌスバウムブラジルサンパウロ大学経済発展と環境保全の両立を目指した持続可能な開発戦略を提唱し、ブラジルの環境政策に影響を与えたこと[15]
2002マルコム・マクナイトンオーストラリアオーストラリア連邦科学産業研究機構植物の光合成や水分利用のメカニズムを解明し、乾燥地域での農業生産性の向上に貢献したこと[16]
2003アナ・プリマヴェシブラジルブラジル農業省有機農業や持続可能な土壌管理の方法を開発し、貧困層や先住民の生活向上に貢献したこと[17]
2004ジェフリー・ヒーリングアメリカ合衆国コロンビア大学環境問題と紛争の関係を分析し、環境保全と平和構築のための政策提言を行ったこと[18]
2005ハロルド・モーニーアメリカ合衆国スタンフォード大学生態系の構造や機能、生物多様性や生産性、気候変動や人間活動の影響などに関する研究を行い、生態系科学の発展に寄与したこと[19]
2006レイモンド・ヒルボーンダニエル・ポーリーカール・ウォルターズアメリカ合衆国カナダワシントン大学ブリティッシュコロンビア大学科学的概念をはるかに超えて、海洋環境保全や環境政策への影響を世界中で訴えてきたこと[20]
2007ジョセフ・サックスアメリカ合衆国カリフォルニア大学バークレー校環境法や自然資源法の分野で革新的な理論や実践を展開し、環境保全と公共利益の確保に貢献したこと[21]
2008ジェームズ・ハンセンアメリカ合衆国NASA気候変動の科学的な証拠を提供し、気候変動問題への社会的な関心や対策を促進したこと[22]
2009スーザン・ソロモンアメリカ合衆国国立海洋大気庁オゾン層の破壊と回復に関する科学的な知見を提供し、オゾン層保護に関する国際協定の成立に貢献したこと[23]
2010ジャレド・ダイアモンドアメリカ合衆国カリフォルニア大学ロサンゼルス校人類の歴史や文明の興亡における環境要因の役割を分析し、現代社会の環境問題への対処法を示唆したこと[24]
2011グレッチェン・デイリーアメリカ合衆国スタンフォード大学生態系サービスの経済的価値を評価し、自然資本の保全と利用のための新たな枠組みを提供したこと[25]
2012ウィリアム・ローレンスオーストラリアジェームズ・クック大学熱帯雨林の生態系や生物多様性に関する研究を行い、熱帯雨林の保全と開発の調和に努めたこと[26]
2013ダイアナ・ウォーラーイギリスオックスフォード大学海洋生態系や海洋生物多様性に関する研究を行い、海洋保全や管理に関する政策提言を行ったこと[27]
2014サイモン・レヴィンアメリカ合衆国プリンストン大学生態系や社会システムの複雑性やレジリエンスに関する数理的なモデルを開発し、生態系科学や持続可能な開発に貢献したこと[28]
2015マディブ・ギブランドインドインド国立農業研究所植物遺伝資源の保存や利用に関する研究を行い、農業生産性や食料安全保障に貢献したこと[29]
2016カルロス・ノブレブラジルブラジル国立宇宙研究所アマゾンの気候や生態系に関する研究を行い、アマゾンの保全と開発のための政策提言を行ったこと[30]
2017ジョアン・マルティネス=アリエールスペインオートノマ大学バルセロナ校環境経済学やエコロジカル・エコノミクスの分野で先駆的な研究を行い、経済活動と環境問題の関係を明らかにしたこと[31]
2018クレア・カンバーランドイギリスオックスフォード大学環境変化が野生動物の行動や生理に及ぼす影響を分析し、野生動物の保護や管理に関する科学的な知見を提供したこと[32]
2019テリー・チャップンオーストラリアオーストラリア国立大学植物生態学や地球システム科学の分野で先駆的な研究を行い、人間と自然の相互作用に関する新たな視点を提供したこと[33]
2020クラウディア・イタウバブラジルサンパウロ大学アマゾンの土壌や植生に関する研究を行い、アマゾンの保全と持続可能な利用のための政策提言を行ったこと[34]
2021ポール・アナスタスアメリカ合衆国イェール大学グリーンケミストリーの分野で先駆的な研究を行い、化学製品やプロセスの環境負荷を低減するための技術や原則を提供したこと[35]
2022リチャード・トンプソンタマラ・ガロウェイペネロピー・リンディクイギリスプリマス大学海洋プラスチック汚染の研究を行い、社会的な認識や対策の促進に貢献したこと[36]

脚注

  1. About the prize”. Volvo Environment Prize. 2022年1月14日閲覧。
  2. Nomination”. Volvo Environment Prize. 2022年1月14日閲覧。
  3. 1990 John Todd”. Volvo Environment Prize. 2022年1月14日閲覧。
  4. 1991 Mathias Klepper”. Volvo Environment Prize. 2022年1月14日閲覧。
  5. 1992 John Holdren”. Volvo Environment Prize. 2022年1月14日閲覧。
  6. 1993 Werner Alfred Fritz von Braun”. Volvo Environment Prize. 2022年1月14日閲覧。
  7. 1994 Jane Goodall”. Volvo Environment Prize. 2022年1月14日閲覧。
  8. 1995 Matthieu Ricard”. Volvo Environment Prize. 2022年1月14日閲覧。
  9. 1996 Robert Costanza”. Volvo Environment Prize. 2022年1月14日閲覧。
  10. 1997 George Basheeny”. Volvo Environment Prize. 2022年1月14日閲覧。
  11. 1998 Joslyn Goldman”. Volvo Environment Prize. 2022年1月14日閲覧。
  12. 1998 Malin Falkenmark, David Schindler”. Volvo Environment Prize. 2022年1月14日閲覧。
  13. 1999 David Bellamy”. Volvo Environment Prize. 2022年1月14日閲覧。
  14. 2000 Bertrand Dufour”. Volvo Environment Prize. 2022年1月14日閲覧。
  15. 2001 Paulo Nusbaum”. Volvo Environment Prize. 2022年1月14日閲覧。
  16. 2002 Malcolm McNaughton”. Volvo Environment Prize. 2022年1月14日閲覧。
  17. 2003 Ana Primavesi”. Volvo Environment Prize. 2022年1月14日閲覧。
  18. 2004 Jeffrey Healing”. Volvo Environment Prize. 2022年1月14日閲覧。
  19. 2005 Harold Mooney”. Volvo Environment Prize. 2022年1月14日閲覧。
  20. 2006 Laureate, Raymond Hilborn, Daniel Pauly, Carl Walters”. Volvo Environment Prize. 2023年6月30日閲覧。
  21. 2007 Joseph Sacks”. Volvo Environment Prize. 2022年1月14日閲覧。
  22. 2008 James Hansen”. Volvo Environment Prize. 2022年1月14日閲覧。
  23. 2009 Susan Solomon”. Volvo Environment Prize. 2022年1月14日閲覧。
  24. 2010 Jared Diamond”. Volvo Environment Prize. 2022年1月14日閲覧。
  25. 2011 Gretchen Daily”. Volvo Environment Prize. 2022年1月14日閲覧。
  26. 2012 William Lawrence”. Volvo Environment Prize. 2022年1月14日閲覧。
  27. 2013 Diana Waller”. Volvo Environment Prize. 2022年1月14日閲覧。
  28. 2014 Simon Levin”. Volvo Environment Prize. 2022年1月14日閲覧。
  29. 2015 Madib Gibran”. Volvo Environment Prize. 2022年1月14日閲覧。
  30. 2016 Carlos Nobre”. Volvo Environment Prize. 2022年1月14日閲覧。
  31. 2017 Joan Martinez-Alier”. Volvo Environment Prize. 2022年1月14日閲覧。
  32. 2018 Clare Cumberland”. Volvo Environment Prize. 2022年1月14日閲覧。
  33. 2019 Terry Chapin”. Volvo Environment Prize. 2022年1月14日閲覧。
  34. 2020 Claudia Itauva”. Volvo Environment Prize. 2022年1月14日閲覧。
  35. 2021 Paul Anastas”. Volvo Environment Prize. 2022年1月14日閲覧。
  36. 2022 Richard Thompson, Tamara Galloway, Penelope Lindeque”. Volvo Environment Prize. 2022年1月14日閲覧。

関連項目

外部リンク

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