ポリシーン・パン

ポリシーン・パン」(Polythene Pam)は、ビートルズの楽曲である。1969年9月に発売された11作目のイギリス盤公式オリジナル・アルバム『アビイ・ロード』に収録された。アルバム『アビイ・ロード』のB面の特徴であるメドレー「ザ・ロング・ワン」(The Long One)の4曲目で、1969年7月に「シー・ケイム・イン・スルー・ザ・バスルーム・ウィンドー」と繋げてレコーディングされた。

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ポリシーン・パン
ビートルズ楽曲
収録アルバムアビイ・ロード
英語名Polythene Pam
リリース1969年9月26日
録音
ジャンルロック
時間1分12秒
レーベルアップル・レコード
作詞者レノン=マッカートニー
作曲者レノン=マッカートニー
プロデュースジョージ・マーティン
アビイ・ロード 収録曲
ミーン・ミスター・マスタード
(B-5)
ポリシーン・パン
(B-6)
シー・ケイム・イン・スルー・ザ・バスルーム・ウィンドー
(B-7)

背景

本作は1968年頃にビートルズのメンバーがインドリシケーシュで、マハリシ・マヘーシュ・ヨーギーのもとで瞑想修行を行っていた時期に書かれた楽曲で、同時期に書かれた「ミーン・ミスター・マスタード」と同様にレノンは「インドで書いたガラクタの一つ」としている[1]。1968年5月にジョージ・ハリスンの自宅でデモ音源が録音されており、この時の音源は1996年に発売された『ザ・ビートルズ・アンソロジー3』や2018年に発売された『ザ・ビートルズ (ホワイト・アルバム) 〈スーパー・デラックス・エディション〉』に収録された[2]

本作のモチーフについて、レノンは「とある女性と僕たちを最初にマスコミに露出してくれた、イギリス版のアレン・ギンズバーグともいえる男との思い出。1963年8月のツアー中に会ったんだけど、僕は女連れで、向こうにも僕に会わせたいという女がいた。その女はポリエチレンを身に纏っていると聞いていたけど、本当にそうだった。長靴やキルトは着けてない。あれは僕の捏造だ。ポリ袋の中の変態的なセックス。とにかく曲のネタが欲しかったんだ」と語っている[3]。レノンは、本作をきつめのリバプール訛りで歌っている[4]ジョージ・ハリスンは、テレビシリーズ『ザ・ビートルズ・アンソロジー』のインタビューで、「僕がこの曲を気に入ったのは、すごくリヴァプールっぽかったからだ。コミカルでありながら、シリアスなところもある曲を書く人間はいなかった。この曲はとても上出来なロックンロール・ナンバーだったけど、明らかにジョークなのに、誰も笑わず、誰もピンときていないと、もどかしくなってくることもある」と語っている[1]

タイトルの「ポリシーン」は、ポリエチレンの(主にイギリスでの)別称で、「ポリシーン・パン」というタイトルは、キャヴァーン・クラブでライブを行っていた時期の常連客で、ポリエチレンを食していたことから「Polythene Pat」と称されていたパトリシア・ホジットに由来している[5]。レノンが弾くパワー・コードから始まる楽曲で、音楽評論家のイアン・マクドナルドザ・フーの「ピンボールの魔術師」に触発されたものと推測している[6]

レコーディング

「ポリシーン・パン」のレコーディングは1969年7月25日に開始され、「シー・ケイム・イン・スルー・ザ・バスルーム・ウィンドー」と繋げてレコーディングされた[7][1]。8トラック・レコーダーのトラック1にポール・マッカートニーベース、トラック2にリンゴ・スタードラム、トラック3にレノンの12弦アコースティック・ギター、トラック4にハリスンのリードギター、トラック6にレノンとマッカートニーのリード・ボーカルが録音された[8]。ギターソロ中にレノンは「Fab! That's great! Real good, that. Real good ...(イカす!最高じゃん!それほんといい。)」と称賛の言葉を口にしていた[9]。この日にレコーディングされたテイクから、オーバー・ダビング用にテイク39が採用された[10]

7月28日と30日にスネアドラムシンバルタンバリンEからAに下降し、この2つのキーの間の転調を可能にする5音のエレクトリック・ギター、レノンとマッカートニーのハーモニー・ボーカル、新たなリード・ボーカルなどがオーバー・ダビングされた[10]

なお、本作は『アビイ・ロード』のB面の特徴となっているメドレー「ザ・ロング・ワン」の4曲目となっているが、当初は前曲「ミーン・ミスター・マスタード」と本作の間には「ハー・マジェスティ」が配置される予定となっていた。しかしメンバー内で考えが変わったため、「ハー・マジェスティ」はメドレーから外れることとなり、本作との繋がりを持たせるために「ミーン・ミスター・マスタード」の歌詞に登場するマスタード氏の妹の名前が「シャーリー」から「パン」に変更された[10]

クレジット

※出典[1]

カバー・バージョン

1970年にブッカー・T&ザ・MG'sがアルバム『McLemore Avenue』でカバー。

1976年にロイ・ウッドがドキュメンタリー映画『All This and World War II』のサウンドトラックとしてカバー。

1999年にアトム・アンド・ヒズ・パッケージがアルバム『Making Love』で歌詞を変更してカバー。タイトルも「P.P. (Doo-Doo)」に変更された。

脚注

出典

  1. Abbey Road 2019, p. 12.
  2. White Album 2018, p. 38.
  3. Sheff 2000, p. 203.
  4. Miles 2001, p. 356.
  5. Turner 2003, p. 196.
  6. MacDonald 2005, p. 319.
  7. Lewisohn 2005, p. 182.
  8. Abbey Road 2019, pp. 12–13.
  9. Winn 2009, pp. 310–311.
  10. Abbey Road 2019, p. 13.

参考文献

  • ハウレット, ケヴィン (2018). ザ・ビートルズ (ホワイト・アルバム) 〈スーパー・デラックス・エディション〉 (ブックレット). ビートルズ. アップル・レコード.
  • ハウレット, ケヴィン (2019). アビイ・ロード (スーパー・デラックス・エディション) (ブックレット). アップル・レコード.
  • Lewisohn, Mark (2005) [1988]. The Complete Beatles Recording Sessions: The Official Story of the Abbey Road Years 1962-1970. London: Bounty Books. ISBN 978-0-7537-2545-0
  • MacDonald, Ian (2005). Revolution in the Head: The Beatles' Records and the Sixties. ISBN 978-0099526797
  • Miles, Barry (2001). The Beatles diary. Volume 1: The Beatles years. Omnibus press London. ISBN 0-7119-8308-9
  • Sheff, David (2000). All We Are Saying. St. Martin's Griffin. ISBN 0-312-25464-4
  • Turner, Steve (2003). “Abbey Road”. A Hard Day's Write (9 ed.). HarperResource. ISBN 0-06-273698-1
  • Winn, John C. (2009). That Magic Feeling: The Beatles' Recorded Legacy, Volume Two, 1966-1970. New York, NY: Three Rivers Press. ISBN 978-0-307-45239-9

外部リンク

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