マルクス・ガビウス・アピシウス

マルクス・ガビウス・アピシウス(マルクス・ガウィウス・アピキウス、ラテン語: Marcus Gavius Apicius、1世紀頃)は、古代ローマ・帝政ローマ期にグルメとして知られ、贅沢を好んだ料理人である。1世紀頃、ティベリウス帝の時代に生存していたとみられる。古代ローマ随一の料理本『アピシウス』(アピキウス)は、彼の著書だとしばしば言われるが、証拠らしい物は何一つ見つかっていない。彼は古代ギリシアの文法学者だったアピオンの『On the Luxury of Apicius』の主筆だったが、現存していない。ただ彼が紀元前1世紀(正確には紀元前90年頃)に、やはりグルメかつ奢侈家として知られたアピシウスにあやかって、コグノーメンをアピシウスと名付けたことだけは明らかになっている。

マルクス・ガビウス・アピシウスの生涯については、同時期あるいは同年代の資料から証拠を得る事はできるものの、アピオンによって名付けられた著書を通して遮断されている部分もある。特に名前や贅沢な食物の由来となった部分を説明するには、多分に著書『アピシウス』と逸話風に密接な形で結びついているのである。マルクス・ガビウス・アピシウス(以後「アピシウス」と呼ぶ事にする)について逸話風にこれらの証拠を語ろうとする事は、実際の生涯とは間違った形で後世に残ってしまう事になった。

アピシウスの名前を冠したレシピはいくつもあり、アピシウスの人となりを説明するのに可能である。

  • キャベツを調理する時に、食用油と塩の中にマリネにし、ソーダを使う事によって緑色を保つ[11]。
  • ケーキの一種である「Chrysippus of Tyana」 - アテナイオス『食卓の賢人たち』647c.に記載されている。
  • 『アピシウス』にある7つのレシピ[12]。

ローマの文学者はアピシウスを、典型的なグルメかつ大食家だったと評価した。例えば小セネカは、料理を科学的に証明し、彼の料理は時代と共に退廃していったと評価した。4世紀か5世紀になるとアピシウスは料理人ではなく、著作家として記憶されるようになった。それはあの料理本『アピシウス』がその当時刊行された事に因る物である。このような言及が最初になされたのは、『Scholia on Juvenal』 (4.22)で、アピシウスがディナーやソースの作り方を書いたと記載された。

脚注

注釈

  1. アイリアノス『Letters』nos 113-114 Domingo-Forasté[4]
  2. アテナイオス『食卓の賢人たち』(デイプノソフィスタイ、希: Δειπνοσοφισται)[6]
  3. 小セネカ『Ad Helviam Matrem, de Consolatione』10[10]

出典

  1. タキトゥス『年代記』(Annales、117年) 4.1(同英訳)。
  2. ホラティウス Odes 4, 11, Z. 14-20., Carmina Liber IV, Carmen XI
  3. ガイウス・プリニウス・セクンドゥス(大プリニウス)『博物誌』19.137
  4. Apicius 2006, p. 55.
  5. 小セネカ『道徳書簡集』(Epistulae Morales ad Lucilium)英語訳 95.42
  6. C. D. Yonge, B.A., Ed. “英語訳 Ath. 1.12” (英語). Perseus. 2022年11月19日閲覧。
  7. 大プリニウス『博物誌』9.30(66)
  8. 大プリニウス『博物誌』10.26(68.133)
  9. 大プリニウス『博物誌』8.209
  10. Lucius Annaeus Seneca minor. “L. ANNAEI SENECAE DIALOGORVM LIBER XII - AD HELVIAM MATREM DE CONSOLATIONE” (ラテン語). The Latin Library. 2022年11月19日閲覧。
  11. 大プリニウス『博物誌』19.143
  12. Dalby 2003, p. 17.

出典

  • Dalby, Andrew (2003-5) (英語). Food in the ancient world from A to Z. London, New York: Routledge. pp. 16-18. ISBN 978-0415232593
  • Marcus Gavius Apicius (2006-12-06) (英語). Apicius. A critical edition with an introduction and an English translation. Christopher, Grocock (translator), Shadrake, Dan (illustrator) (Illustrated ed.). Totnes: Prospect Books. pp. 54-58. ISBN 978-1903018132

参考文献

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