マーキュリー・トレーサー

トレーサー(TRACER )は、フォードが製造し、マーキュリーブランドで販売していた普通乗用車である。

マーキュリー・トレーサー
3代目 LS
概要
製造国 日本の旗 日本
中華民国の旗 台湾
メキシコの旗 メキシコ
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
販売期間 1987年-1999年
ボディ
ボディタイプ 3/5ドアハッチバック
4ドアセダン
5ドアステーションワゴン
系譜
先代 マーキュリー・リンクス
後継 無し

概要

マーキュリーにおける最小クラスの車としてデビューし、2代目より北米版フォード・エスコートの姉妹車となる。マーキュリーディビジョンより販売されるため、他のマーキュリー車と同様、内外装の装備がエスコートよりも豪華となっている。また、全世代においてマツダ・ファミリア/フォード・レーザーをベースに開発されている。

初代(1987年-1989年)

マーキュリー・トレーサー(初代)
フロント
リア
概要
製造国 日本の旗 日本(広島)
中華民国の旗 台湾(桃園市、福特六和汽車)
メキシコの旗 メキシコ[1](エルモシージョ)
販売期間 1987年 - 1989年(生産終了)
ボディ
乗車定員 5名
ボディタイプ 3/5ドアハッチバック
5ドアステーションワゴン
プラットフォーム マツダ・BFプラットフォーム
パワートレイン
エンジン B6型 1.6L 直列4気筒
変速機 3速AT(F3A)/5速MT
車両寸法
ホイールベース 2,410mm
全長 4,110mm(ハッチバック)
4,310mm(ステーションワゴン)
全幅 1,660mm
全高 1,350mm(ハッチバック)
1,365mm(ステーションワゴン)
系譜
先代 マーキュリー・リンクス

1987年、旧式化したマーキュリー・リンクスに代わるマーキュリーディビジョンの最小クラスを受け持つ車として発表された。ボディ形状は3ドアハッチバック、5ドアハッチバック、5ドアステーションワゴンが用意された。ベースとなったのはBF系マツダ・ファミリアであり、デザインはファミリアの姉妹車であり、日本やアジア・オセアニア・環太平洋地域で既に発売されていたフォード・レーザーとほぼ変わらない。またエンジンも直列4気筒 1.6Lのマツダ製B6型を搭載していた。

製造期間は短いが、これはベースとなったファミリアが1989年にフルモデルチェンジを実施したことにより、モデルレンジの整理を行ったためである。

2代目(1990年-1996年)

マーキュリー・トレーサー(2代目)
セダン GS
ステーションワゴン GS
概要
製造国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国(ウェイン)
メキシコの旗 メキシコ(エルモシージョ)
販売期間 1990年 - 1996年(生産終了)
ボディ
乗車定員 5名
ボディタイプ 4ドアセダン
5ドアステーションワゴン
プラットフォーム マツダ・BGプラットフォーム
パワートレイン
エンジン BP型 1.8L 直列4気筒
CVH 1.9L 直列4気筒
変速機 4速AT(F-4EAT)/5速MT(M5)
車両寸法
ホイールベース 2,500mm
全長 4,340mm(セダン)
4,350mm(ステーションワゴン)
全幅 1,690mm
全高 1,340mm(セダン)
1,360mm(ステーションワゴン)
車両重量 1,133kg
その他
姉妹車 フォード・エスコート

1990年、フルモデルチェンジを実施。同時にトレーサーは前身であるリンクス同様にエスコートと姉妹車の関係となった。ベースとなったのはBG系ファミリアで、デザインはやはりレーザーとほぼ同じである。ボディ形状は4ドアセダンとステーションワゴンで、エスコートには存在した3ドアハッチバッククーペと5ドアハッチバックは用意されなかった。

このモデルのLTSは雑誌「カー・アンド・ドライバー」の1991年のカー・アンド・ドライバー ベスト10に選ばれた。

3代目(1996年-1999年)

マーキュリー・トレーサー(3代目)
セダン
ステーションワゴン GS
概要
製造国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国(ウェイン)
販売期間 1996年 - 1999年(生産終了)
ボディ
乗車定員 5名
ボディタイプ 4ドアセダン
5ドアステーションワゴン
プラットフォーム フォード・CT120プラットフォーム
パワートレイン
エンジン SPI2000 2.0L 直列4気筒
変速機 4速AT(F-4EAT)/5速MT(IB5)
車両寸法
ホイールベース 2,500mm
全長 4,440mm(セダン)
4,390mm(ステーションワゴン)
全幅 1,700mm
全高 1,350mm(セダン)
1,370mm(ステーションワゴン)
その他
姉妹車 フォード・エスコート
系譜
後継 無し

1997年、エスコートと同時にモデルチェンジ。ただしプラットフォームはBH系ファミリアのものは用いられず旧型のプラットフォームを改良したものを用いており、実質的に先代のスキンチェンジ(ワゴンにおいてはビッグマイナーチェンジ)版である。ボディ形状は先代同様4ドアセダンと5ドアステーションワゴン。セダンのデザインは今までのレーザーを元にしたものから、独自の丸みを帯びたものとなった。ステーションワゴンは先代のボディをそのまま用い、フロントマスクをセダンと共通のデザインに変更している。

エスコートに用意されたハイパワーエンジンが用意されないなど、大きな魅力に乏しいトレーサーは販売不振により1999年に生産を終了しモデル消滅。ボブキャットから続く系譜、3世代約25年の歴史に幕を下ろした。

自動車衝突安全テスト

1999年に米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)のテストを受けた[2]。結果は以下の通り。

機関 国 試験年 評価 備考
NHTSA アメリカ 1999年
  • Driver Front ★★★
  • Passenger Front ★★★
  • Driver Side ★★★
  • Passenger Side ★★★
  • Rollover 未検証

幻の4代目

2010年初めフォードは3代目フォーカスのバッジエンジニアリング版としてトレーサーを復活させることを計画する[3]。当時販売不振にあえぐマーキュリーにとってはブランドの再興もとい延命がかかっていたが2010年の夏、フォードはマーキュリー部門の廃止を発表。トレーサーの復活は幻に終わった。

車名の由来

「トレーサー」は、「追跡者」を意味する英語である。

脚注

  1. Machine that Changed the World, James P. Womack, Daniel T. Jones, Daniel Roos, Massachusetts Institute of Technology, Simon and Schuster, 1990, page 265
  2. 1999マーキュリートレーサークラッシュテストの安全性評価
  3. New Ford Focus Badged as Mercury Tracer Due in 2011

関連項目

外部リンク

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