ユリノキ属

ユリノキ属(ユリノキぞく、学名: Liriodendron)は、モクレン科に分類されるの1つである。北米東部に分布するユリノキL. tulipifera)と、中国からベトナムに分布するシナユリノキL. chinense)の2種が知られる。落葉高木であり、は数カ所浅裂して特徴的な形を示す(右図)。は黄緑色、上向きに咲く。世界各地で植栽されている。

ユリノキ属
ユリノキ
ユリノキの葉と花
分類
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : モクレン類 Magnoliids
: モクレン目 Magnoliales
: モクレン科 Magnoliaceae
亜科 : ユリノキ亜科 Liriodendroidae
: ユリノキ属 Liriodendron
学名
Liriodendron L., 1753[1]
シノニム
下位分類

学名の Liriodendron は、ギリシア語の lirionユリ)と dendron(木)に由来する[2]。和名のユリノキ(百合の木)もこれと同様である。

特徴

落葉性高木であり、樹皮は灰白色で縦に裂ける[2][3](下図1a, b)。には隔膜がある[2]冬芽は合着した2個の托葉で覆われており、托葉は葉柄と合着していない[3]

1a. シナユリノキの樹形
1c. ユリノキの樹皮
1c. シナユリノキの葉

は互生で螺生し、枝先にまとまってつくことはない[2][3]。葉柄は長い[3]葉身は数カ所浅裂し特徴的な形をしている[2][4](上図1c)。

は枝先に単生、放射相称の両性花であり、雌性先熟雌しべが先に成熟し、その後で雄しべが成熟する)[2][3]。花の匂いは強くないが、テルペノイドユリノキではリモネンシナユリノキではα-ファルネセン)を主成分とする[3][5]花被片はふつう9枚、3枚ずつ3輪につき、最外輪の3枚は緑色、萼片状で反曲し、内側の花被片は黄緑色でオレンジ色を帯び花弁状、立ち上がって碗状になる[2][3](下図1d, e)。雄しべは多数、は外向、花糸は葯の1/3–1/2長[2][3](下図1d)。雌しべは多数が離生、花軸にらせん状につき、最外のものは不稔[3](下図1d)。胚珠は各心皮に2個[3]

1d. ユリノキの花(上面観)
1e. シナユリノキの花(側面観)
1f. ユリノキの集合果

果実は非裂開性の翼果、多数集まって紡錘状の集合果となり、各果実が脱落して散布される[2][3][4](上図1f)。各果実に種子は1–2個、種皮は内果皮に合着している[2][3]。基本染色体数は x = 19 であり、ふつう 2n = 38[2]

分布

北米東部、および中国からベトナム隔離分布する[2][3]

日本でも中新世からホンシュウユリノキ(Liriodendron honshuensis Endo)の化石が見つかっており、古くはユリノキ属植物が分布していた[6]

分類

ユリノキ属には、(現生種としては)下記の2種が認識されている。

ユリノキ属の分類体系[1][7]

脚注

  1. Liriodendron”. Plants of the World Online. Kew Botanical Garden. 2022年3月5日閲覧。
  2. Liriodendron”. Flora of North America. Missouri Botanical Garden and Harvard University Herbaria. 2022年3月5日閲覧。
  3. Flora of China Editorial Committee. Liriodendron”. Flora of China. Missouri Botanical Garden and Harvard University Herbaria. 2022年3月5日閲覧。
  4. 勝山輝男 (2000). “ユリノキ属”. 樹に咲く花 離弁花1. 山と渓谷社. pp. 386–387. ISBN 4-635-07003-4
  5. 東浩司 (2004). “モクレン科の花の匂いと系統進化”. 分類 4 (1): 49-61. doi:10.18942/bunrui.KJ00004649594.
  6. 庄子加奈子, 髙橋真実, 長島康雄 & 菊池正昭 (2016). “白沢層の植物化石目録 3”. 仙台市科学館研究報告 25: 25-31. doi:10.24650/scsm.25.0_25.
  7. 米倉浩司・梶田忠 (2003-). BG Plants 和名−学名インデックス(YList)”. 2022年3月5日閲覧。

関連項目

外部リンク

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