リアール (フランスの通貨)

フランスにおけるリアール、リアル(フランス語: liard)はかつて使われていた貨幣のひとつ。銅貨とのみ解説されているケース[1]も見られるがこれは末期の姿であり、後述のように銀貨、ビロン貨があり形態は時代ごとに異なった。

シャルル9世のリアール貨。1574年。銀貨。
ルイ14世のリアール貨。1657年。銅貨。

初出は1439年でこの時は銀貨であり、3ドゥニエの価値があると定められていた[2]。アンリ2世(在位:1547年 - )の時代にも重量は1.05グラムで品位179/1000という銀貨であった[3]。シャルル9世の治世でも引き続き鋳造され、次代の1583年にアンリ3世はサン・エスプリ(精霊の)と呼ばれるタイプのリアール貨を発行した。これは1578年に創設した同名のサン・エスプリ勲章をかたどった貨幣であったが、ビロン貨であった[4]。

ルイ14世が発行したリアールは銅貨であった[5]。治世中、1654年には3ドゥニエであったものが[6]、1658年に2ドゥニエに切り下げられ[7][8]、1694には再度3ドゥニエの価値に戻された[6]。

フランス革命まで存続し、以後は廃止された[2]。

慣用句として「無一文である」と表現するとき、フランス語では“n'avoir pas un liard” という用例が見られる[1]。

リアールという名前の通貨は、17世紀以降のリュクサンブール、リエージュ、オーストリア領ネーデルラントの銀貨として、主要通貨たる地位を占めるようになった[2]。

脚注

  1. 『ディコ仏和辞典』白水社、2006年、899頁。ISBN 4-560-00038-7。
  2. 平木啓一『新・世界貨幣大事典』PHP研究所、413頁。https://books.google.co.jp/books?id=CSrjCwAAQBAJ。
  3. 久光重平『西洋貨幣史』国書刊行会、1995年、796頁。https://ci.nii.ac.jp/ncid/BN12202449。
  4. 前掲 (久光 1995, p. 797-798) 。
  5. 前掲 (久光 1995, p. 989) 。
  6. Serge Guiboud-Ribaud, Chroniques d'une frontière sous l'Ancien Régime : les 2 Le Pont-de-Beauvoisin, Paris, Books on Demand (monographie),‎ 2013, 22 cm, 508 p. (ISBN 2-322-03140-2 および 978-2-322-03140-5, OCLC 859446456, notice BnF no FRBNF43668107), p. 255
  7. Arrêt du conseil d'État du Roi du 20 juin 1658 par lequel Sa Majesté veut que les liards n'aient cours que pour deux deniers seulement .
  8. Arrêt du conseil d'État du Roi du 20 juillet 1658 par lequel sa Majesté ordonne que les liards n'auront cours que pour un denier seulement .
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