リオ・グランデ川

リオ・グランデ川(リオ・グランデがわ、Rio Grande)は、アメリカ合衆国コロラド州から流れ出しメキシコ湾へ注ぐである。スペイン語で、リオ(Río)は川を意味し、リオ・グランデ(Río Grande)は、「大きな川」という意味。(したがって、「リオ・グランデ川」は、重言になる。)

リオ・グランデ川
リオ・グランデ川 2005年3月26日撮影
延長 3,057 km
平均流量 82 m³/s
流域面積 570,000 km²
水源 サンフアン山地 [1]
水源の標高 3,658[1] m
河口・合流先 メキシコ湾
流域 アメリカ合衆国 (52.1%)
メキシコ (47.9%)

メキシコでは、リオ・ブラーボRío Bravo、怒れる川)またはリオ・ブラーボ・デル・ノルテRío Bravo del Norte、北の怒れる川)とも呼ぶ。アメリカ合衆国では、スペイン語名に「川」を意味する英語 river を付けて Rio Grande river と呼ぶこともある(ただし、重言)。

地理

コロラド州のサンフアン山地に源を発し、サンルイス谷を流れてニューメキシコ州に入る。アルバカーキラスクルーセスを流れ、テキサス州エルパソに至る。エルパソ、シウダ・フアーレスから下流は、1845年からアメリカとメキシコ国境となっている。南東へ流れマタモーロスの東側に小さな三角州を形成しメキシコ湾に注ぐ。

リオ・グランデ川は高い山地を源流とし、かなりの部分は標高の高い場所を流れる。エルパソの地点での標高は1,147mある。ニューメキシコ州ではリオ・グランデ地溝を流れ、エルパソからは東にチワワ砂漠の中を流れる。亜熱帯であるリオ・グランデ谷では大規模な灌漑農業が行われている。長期間雨がほとんど降らないと、水は海まで到達しなくなる。

河口の三角州一帯には塩性湿地が広がり、ハニーメスキートアカシア・リジデュラカステラ・トルトゥオサなどの樹種およびHalodule wrightiiなどの海草が生え、ダイゼンミユビシギアメリカヒバリシギフエコチドリアメリカホシハジロオナガガモなどの鳥類およびジャガーオセロットジャガーネコピューマボブキャットなどの哺乳類が生息している[2][3]。付近の湾岸平野にはタマウリパン・メスキータルという乾燥気候エコリージョンがあり、その上にタマウリパン・マトラルが広がる。古代にはリオ・グランデ川の流れはリオ・グランデ地溝内の塩湖で終わっていたが、およそ100万年前に大規模な河川争奪が発生して以降、東に流れるようになった。

支流はペコス川コンチョス川サラド川サンフアン川など。

中流部にはビッグ・ベンド国立公園[4]、河口の三角州南側のメキシコ湾沿いにはラムサール条約登録地のマドレ湖があり[2][3]、それぞれユネスコ生物圏保護区に指定されている。

国際河川

国境の川をはさんで向かい合う「米墨双子都市」と呼ばれる都市の組みがいくつかある。エルパソシウダ・フアーレスラレードヌエボ・ラレードマッカレンレイノサブラウンズヴィルマタモーロスなどである。

1906年には蛇行するリオ・グランデ川の本来アメリカ合衆国の土地であったはずの川の北側の部分が、開削による河道のショートカットによって川の南側になってしまったので、1967年までの60年間はメキシコ領となっていた。その忘れ去られた土地に作られたリオ・リコと呼ばれる街がアメリカ領とメキシコ領のどちらかで両国は揉めていたが、1977年に協議がまとまって正式にメキシコ領の街となった。

移民の渡河

メキシコからアメリカに向け川を渡る不法移民は後を絶たず、しばしば川を渡り切れずに溺死する例も見られる。2019年には、2歳児を含む親子が死亡、アメリカ民主党は不法移民に否定的なドナルド・トランプ大統領を批判する材料としたが、大統領側は「民主党が成立を阻んでいる法律さえあれば、こうした人々は来ないだろう。」として一蹴している[5]。 2020年代も移民の渡河は続いたことから、テキサス州はイーグルパスに渡河を阻害する直線状のブイを設置した。このブイが障害となって水死者が出たことから、メキシコのロペス・オブラドール大統領は非人道的であるとしてテキサス州を非難した[6]

利水

リオ・グランデ川の水の利用は1906年のリオ・グランデ協定によって規定されている。これはコロラド州、ニューメキシコ州、テキサス州間の協定およびアメリカとメキシコとの間の条約である。

その他

  • アメリカの民謡であるテキサスの黄色いバラの2番の歌詞に、この川が登場する。

脚注

  1. Metz, Leon C.. Rio Grande”. The Handbook of Texas Online. 2016年12月21日閲覧。
  2. Laguna Madre | Ramsar Sites Information Service”. rsis.ramsar.org (2004年2月2日). 2023年3月27日閲覧。
  3. Laguna Madre y Delta Río Bravo Biosphere Reserve, Mexico (英語). UNESCO (2018年12月10日). 2023年3月27日閲覧。
  4. Big Bend Biosphere Reserve, United States of America (英語). UNESCO (2019年8月). 2023年3月27日閲覧。
  5. 移民親子の水死体写真に怒り 民主党、トランプ氏批判強める”. AFP (2019年6月27日). 2019年6月27日閲覧。
  6. 国境の川で2人死亡 メキシコ大統領、移民阻止のブイを「非人道的」と非難”. CNN (2023年8月4日). 2023年8月4日閲覧。

関連項目

  • アメリカ=メキシコ国境
  • ABBA - その持ち歌「悲しきフェルナンド」(原題はタダの「Fernando」)の歌詞には「リオ・グランデを渡った際に…」という一節がある。
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