レーニンはキノコだった

レーニンはキノコだったロシア語: Ленин — гриб)とは、「レーニンは実はキノコだった」という内容のソビエト連邦のテレビ局で発信されたデマである。1991年にジャーナリストのセルゲイ・ショーロホフと音楽家のセルゲイ・クリョーヒンによって捏造され、レニングラード・テレビジョンにて初めて放送された[1][2][3]

解説

このデマはテレビ番組「Pyatoe Koleso」でのインタビューという形で発信された。歴史家になりすましたクリョーヒンが「ウラジーミル・レーニンは大量のマジックマッシュルームを摂取した結果、やがては自分もキノコになったのだ」という自らの「研究結果」を発表した。クリョーヒンはインタビュー内でさまざまな「情報源」(カルロス・カスタネダマサチューセッツ工科大学コンスタンチン・ツィオルコフスキーなど)からこの情報を得たと自称し、権威に訴えかけた。また、長大な論理的誤謬による主張を展開し「レーニンがキノコだった」という主張をもっともらしい論理の結果としてあたかも合理的な説かのように紹介した。

このデマが拡散に成功した理由としては、グラスノスチによってソ連の検閲が緩和され、いままで隠蔽されてきたソ連の歴史的事実が多く明らかになっていたタイミングだったからと考えられる[4]。この時期のソ連のテレビ局は視聴者から保守的だとみなされており、多くのソ連国民(一説には、1130万人の視聴者がいたとされる[5])が額面どおりにこの「インタビュー」を事実だと受け入れた。

ショーロホフが述べるところによれば、この番組が注目された理由はソビエト連邦共産党に党員たちが「これは事実なのか」と問い合わせたからであるとされる。この問い合わせに対して共産党地方委員会の幹部の1人が「レーニンがキノコであるはずがないだろう。なぜなら、哺乳類は植物にはなれないのだから」と返答した[4][6]。なお、キノコは植物ではなく、菌類である[7]

脚注

  1. Yurchak, Alexei (Summer 2011). “A Parasite from Outer Space: How Sergei Kurekhin Proved That Lenin Was a Mushroom”. Slavic Review 70 (2): 307–333. doi:10.5612/slavicreview.70.2.0307. ISSN 0037-6779. JSTOR 10.5612/slavicreview.70.2.0307.
  2. Десакрализация образа власти”. МСК. 2018年6月20日閲覧。
  3. Дневники за 1991-й год/website=Dreamwidth”. 2023年3月17日閲覧。
  4. Grundhauser, Eric (2017年12月5日). How Vladimir Lenin Became a Mushroom (英語). Atlas Obscura. 2023年3月17日閲覧。
  5. Иоффе Д. (2004年3月12日). Диалоги с Сергеем Жариковым на исходе лета”. Topos. 2018年9月19日閲覧。
  6. Mishenin (2008年12月). http://www.krestyanka.ru/archive/year2008/dec/dec_349.html (ロシア語). 2008年12月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月17日閲覧。
  7. Three Reasons Fungi Are Not Plants (英語). ASM.org. 2023年7月21日閲覧。

参考文献

関連項目

  • 聖なるキノコと十字架

外部リンク

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