ロシャス

ロシャス (Rochas) は、マルセル・ロシャス(1902-1955)によって1925年に創設された、ファッション香水腕時計、アクセサリーのブランドである[1]。マルセル・ロシャスは、七分丈コートとポケットつきスカートを初めて発表したフランスのファッションデザイナーである。現在は、多国籍企業のインターパルファム社の傘下にある[2]

歴史

2002年にクリエイティブ・ディレクターとしてオリヴィエ・ティスケンスが就任して以来、ファッションデザインの評価が高まる[1] (彼の着任以前は、ロシャスのファッションはさほど注目されていなかった[3])。ティスケンスは、着任後わずか数ヶ月のうちに、フランス風エレガンスという、全く新しいブランドイメージを創り上げた[1]。2003年秋に披露された彼の初コレクションは、style.comにより、「魅惑的」、「非の打ち所がない」と絶賛された[4]。その後の数年間、ロシャスは、ファッションジャーナリストたちの賛辞を集め[5][6][7][8][9]、忠実なファンを惹きつけ続けた。

ロシャスの顧客には、ニコール・キッドマンジェニファー・アニストンキルスティン・ダンストケイト・ボスワースジェニファー・ロペスレイチェル・ワイズサラ・ジェシカ・パーカーなどがいる。2006年、ティスケンスは、アメリカファッション協議会が主催するCFDAファッションアワード国際賞を受賞した。しかし、「デミクチュール」(大量生産ではなく高コストのハンドメイドだが、手縫いやフィッティングの数に関する厳密なルールのあるオートクチュールの範疇には入らない、特殊な製品)をターゲットにした方向性が、ビジネス戦略として成り立つのかという疑問の声が業界関係者から上がっていた[2]。毛皮のガウンは、高価なものでは2万ドルを超えることもあり、ごく一部の超富裕層以外は手の出ないものであった。ティスケンスは、ファッションには純粋なアプローチで臨み、アクセサリー販売やより安価な姉妹品を創ることで収益の安定を図る方針は採らなかった[2]

2006年7月、親会社であったプロクター・アンド・ギャンブルは、ロシャスのファッション部門の廃止を発表、多くの関係者に衝撃を与えた[2]。ある匿名のベテランデザイナーは、その廃止についてニューヨークタイムズ紙に「あれほど完璧なオーダーメイドのビジネスが存続できなくなっているという現状は、本当に残念だ。すべて損得で判断されてしまっているが、ファッションにおいて最も大切な要素は経済性ではなく、通常の経済モデルは追求すべきでない。美のために投資することが忘れられているのではないか」と語っている[2]

2008年、ロシャスのファッション部門を再開する計画が発表される[10]。同年11月3日、その新ファッションブランドのアーティスティック・ディレクターとして、マルコ・ザニーニを招聘。2009年2月のパリファッションウィークで、彼の初コレクションが披露された。ブランド創業者のマルセル・ロシャスからマルコ・ザニーニまで、50年が経過していた。マルコ・ザニーニは1971年に生まれ、ミラノ美術学校を1995年に卒業。ドルチェ&ガッバーナのプレタポルテ部門でアシスタントを務めた後、ドナテラ・ヴェルサーチの右腕となって支えた。その後、米国ブランドホルストンの再ローンチを手掛けている。 ロシャスは2009年、プレタポルテコレクションの責任者として、マルコを指名する。彼の「1個1個、レンガを積む」ように、シーズンごとに刷新されたロシャスブランドの基礎を築いていくという志、毎回の新コレクションを「予想を超えた」ものにするという信念により、ロシャスのファッションを再興することに成功した。

2013年9月、ザニーニは、5年間にわたって育て上げたブランド、ロシャスを離れ、スキャパネリのクリエイティブ・ディレクターに就任することが明らかとなった。ザニーニの後任には、自身のブランド「No.21」のデザインも手掛けているアレッサンドロ・デラクアが就任するものとみられる。彼のロシャスでの初のショーは、2014年2月の予定[11]

2015年にインターパルファム社が買収[12]

商品

香水

主に、黒いレース柄のピンク色のパッケージの香水「ファム(Femme)」で知られている[1][2][3]

  • ファム(1945)
  • マダム(1960)
  • オードロシャス(1970)
  • ロシャスマン(1990)
  • オードロシャスマン(1993)
  • Tocade(1994)

腕時計

スイス製のファッション腕時計を展開している。日本の総代理店はミスズである。[13]

脚注

  1. Hirschberg, Lynn (2006年8月6日). “Is There A Place for Olivier Theyskens?”. New York Times. http://www.nytimes.com/2006/08/06/magazine/06theyskens.html?ex=1312516800&en=11147b14eed665ef&ei=5088&partner=rssnyt&emc=rss
  2. Alexander, Hilary (2006年7月19日). “House of Rochas suddenly out of fashion”. London: Daily Telegraph. http://www.telegraph.co.uk/fashion/main.jhtml?xml=/fashion/2006/07/19/efrochas19.xml 2007年3月12日閲覧。
  3. Hirschberg, Lynn (2003年11月30日). “The Shape of Jackets to Come”. New York Times. http://www.umsl.edu/~sauter/analysis/creativity/30THEYSKENS.html 2007年3月12日閲覧。
  4. Mower, Sarah (2003年3月6日). Rochas Runway Review (Fall 2003)”. Style.com. 2007年3月12日閲覧。
  5. Mower, Sarah (2003年10月8日). Rochas Runway Review (Spring 2004)”. Style.com. 2007年3月12日閲覧。
  6. Mower, Sarah (2004年3月3日). Rochas Runway Review (Fall 2004)”. Style.com. 2007年3月12日閲覧。
  7. Mower, Sarah (2004年10月10日). Rochas Runway Review (Spring 2005)”. Style.com. 2007年3月12日閲覧。
  8. Mower, Sarah (2005年3月2日). Rochas Runway Review (Fall 2005)”. Style.com. 2007年3月12日閲覧。
  9. Mower, Sarah (2005年10月5日). Rochas Runway Review (Spring 2006)”. Style.com. 2007年3月12日閲覧。
  10. Byron, Ellen (2008年10月7日). “P&G Pact to Reopen Rochas Fashion House”. The Wall Street Journal. http://online.wsj.com/article/SB122334740444310553.html?mod=googlenews_wsj
  11. Dell'Acqua Replaces Zanini At Rochas,Vogue UK, September 26, 2013
  12. ロシャスをインターパルファムが買収、INFAS PUBLICATIONS WWD JAPAN、2015年3月19日、2017年1月28日閲覧。
  13. 時計発祥の地・スイス時計ブランド「Union Horlogere」洗練された美しさを誇るイタリアのラグジュアリー時計「DICI」日本上陸。「高級時計6ブランドと国内代理店販売契約を締結」、oricon、2016年6月14日、2017年1月28日閲覧。

外部リンク

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