世界史の構造
『世界史の構造』(せかいしのこうぞう)は、柄谷行人の著作。2010年に岩波書店より刊行[1]。2015年1月に岩波現代文庫として改版[2]。
| 『世界史の構造』 | ||
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| 著者 | 柄谷行人 | |
| 発行日 | 2010年6月24日 | |
| 発行元 | 岩波書店 | |
| ジャンル | 世界史 | |
| 形態 | 単行本 | |
| ページ数 | 530 | |
| 前作 | 『トランスクリティーク――カントとマルクス』(2001年) | |
| 公式サイト | 岩波書店 | |
| コード | ISBN 978-4-00-023693-5 | |
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内容
『世界共和国へ』は本書の先行ダイジェストであった[3]。ゆえに、本書と重複する内容も多い。
A.互酬、B.再分配、C.商品交換の結合態としての世界システムの変遷を語り、それらを越えたDという交換様式への道筋を示す。ミニ世界システム、世界=帝国、世界=経済(近代世界システム)そして現在と未来という順序で章立ててある。
ミニ世界システム
ミニ世界システムという章では、ほとんど考察されてこなかった、交換様式Aがドミナント(支配的)である世界システム(氏族社会)の発生を論じる。
交換様式AとCの差違を説明するために、互酬の呪術性が注目され、マルティン・ブーバーの「私と汝」「私とそれ」という考え方が参照される。また、氏族社会が首長の力を強化せず平等な社会である(すなわち直ちに国家に転化しない)理由の説明になるものとして、ジークムント・フロイトの『トーテムとタブー』が再評価される。
預言者
交換様式Dは普遍宗教の預言者によって開示されたものであるとする。マックス・ウェーバーの分類する預言者には倫理的預言者と模範的預言者があることを考えると、キリスト教、回教、仏教の各教祖だけでなく、イオニアの自然哲学者やソクラテスや孔子や老子などの思想家も、普遍宗教の預言者と同じであると言う。
景気循環
景気が上がったり下がったりするのは、労働力という特殊な商品のせいであり、景気循環の周期性は、各々の時代の世界経済の主力になる世界商品(軽工業製品、重化学工業製品、耐久消費財、情報など)の交代と相関がある、とされる。
恐慌
恐慌の本質は信用恐慌にあるとされる。産業資本主義経済では、商品を作って売った差額が利潤になり、そこから拡大再生産のための設備投資をするのだが、商品が売れるということには困難が伴うので、とりあえず売れたことにして、決済を後にする。商品が売れていなかったことが判明して、恐慌が起こる。
翻訳
以下の翻訳は岩波書店による単行本に加筆された版に基づく。
- 趙京華訳『世界史的构造』(2012年9月、中央编译出版社)
- 曹泳日(조영일)訳『세계사의 구조』(2012年12月)
- 林暉鈞訳『世界史的結構』(2013年2月、心靈工坊)
- マイケル・ボーダッシュ訳『The structure of world history ~from modes of production to modes of exchange~』2014年、デューク大学出版)[7][8]
- アリ・カラタイ(Ali Karatay)訳『Dünya Tarihinin Yapısı: Üretim Tarzlarından Mübadele Tarzlarına』(2017年、Metis Yayıncılık)[9]
- イザベル・フランドロワ(Isabelle Flandrois)・浅利誠『Structure de l'histoire du monde』(2018年、CNRS)
脚注
- 岩波書店HP
- "基本情報"「世界史の構造」さいたま市図書館。2022年12月27日閲覧。
- 柄谷行人「あとがき」『世界史の構造』2010年、2015年。
- 柄谷行人「注」『世界史の構造』2010年、2015年、巻末。
- 柄谷行人『ニュー・アソシエーショニスト宣言』(作品社)31ページ
- 近藤康太郎 "国連から世界共和国へ至る道 柄谷行人「世界史の構造」"『朝日新聞』(2010年8月24日)。アーカイブ。2022年12月27日閲覧。
- "The Structure of World History : From Modes of Production to Modes of Exchange"
- "講演者略歴 マイケル・ボーダッシュ"
- "Dünya Tarihinin Yapısı"