丹波市健康センター ミルネ
丹波市健康センター ミルネ(たんばしけんこうセンター ミルネ、英語: Tamba City Community Health Center mirune)は、兵庫県丹波市の「保健」「医療」「福祉」「介護」の各分野を一体的に担う目的のために市が設置した”多機能複合施設”である。
| 丹波市健康センター ミルネ | |
|---|---|
| 情報 | |
| 用途 |
複合施設 (保健・医療・福祉・介護) |
| 設計者 | 佐藤総合計画 |
| 施工 |
特別共同企業体
|
| 建築主 |
|
| 事業主体 |
|
| 管理運営 |
|
| 構造形式 | 鉄骨構造・耐震構造 |
| 延床面積 | 約4,700 m² |
| 階数 | 地上3階・塔屋1階 |
| 高さ | 軒高 12.78 m |
| 着工 | 2017年3月 (平成29年) |
| 竣工 | 2019年3月 (平成31年) |
| 所在地 |
〒669-3464 ![]() |
| 位置 | 北緯35度8分46.8秒 東経135度3分18.2秒 |
| 特記事項 | |
また、隣接する「兵庫県立丹波医療センター」とは連携協力を行っており、同じ敷地内には「丹波市立看護専門学校」も隣接している。
概要
市民の心身の健康保持増進と生活支援、および地域包括ケアシステム[注釈 2]の構築に一体となって取り組む事を目的に、「診療所」「健診センター」「訪問看護ステーション」の3つの事業の他、「休日応急診療所」および丹波市の健康・福祉部門も入った、”保健・医療・福祉・介護”を担う施設となっている。 このような多彩な部門がひとつに集まり、隣接する総合型病院とも協力して地域医療を守る施設が設立されることは、全国的にも珍しいケースとなっている。
また、ミルネ診療所では、隣接する兵庫県立丹波医療センターと連携しながら「地域医療人を育成する教育機関」(後述) としての一面も併せ持っており、”若手医師に総合診療研修を行う”と同時に、地域に対しては”医師の確保と活気をもたらすこと”を目標にしている。
なお、『ミルネ診療所』『ミルネ健診センター』『ミルネ訪問看護ステーション』の3つの事業は、閉院した柏原赤十字病院から丹波市へ機能が引き継がれたものであり[4][5]、運営主体の同市から指定管理を受けた、兵庫県(兵庫県立丹波医療センター)が運営を行っている[1]。
教育機関としてのミルネ
ミルネ診療所は、幅広い視野で患者を診る「総合診療医を育てる教育機関」としての側面もあり、兵庫県立丹波医療センターの指導医の下、専攻医(3~5年目)および初期研修医(1、2年目)らが交代で診察や訪問診療に当たっている[1][6]。
その研修医らが在籍し、ミルネと連携協力している兵庫県立丹波医療センターでは、地域の医師不足による医療崩壊が問題(参考:県立柏原病院の小児科を守る会)となっていた2008年[注釈 3]にはゼロだった初期研修医の人数も、2019年には過去最多の”17人”にまで増えており[7]、また、2020年には「初期研修医の基本的臨床能力評価試験[注釈 4]」での総合順位が「全国539病院中・6位」となる”過去最高の成績”を収めるなど[9][10][11]、着実に成果もあがっている。
さらには、初期研修医が増加していることに加えて、総合診療の専攻医数は近畿圏内で最大であり、全国でもトップクラス[11]となっているなど、教育機関としてのミルネの役割[注釈 5]は、医師の確保という目標とも合わせて、非常に大きくなっている。
沿革
基本方針
「地域包括ケアシステム」の中核的な役割や、地域医療を担う「人材の育成」など、兵庫県立丹波医療センターと連携して「保健」「医療」「福祉」「介護」を担う施設。
施設の機能
| ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
施設の特徴
- 総合診療専門医等の「人材育成」のための指導室の設置
- 患者間の感染を防ぐための「発熱外来専用入口」の設置
- 胃がん検診について国の指針に対応した「胃内視鏡検査設備」の設置
- 大規模な地震発生後も大きな補修なく建物を利用できる「耐震構造」の採用
- 「災害活動支援スペース」を兼ねた講堂兼体育館の設置
- 災害時の機能維持のため「非常用発電装置」の屋外設置
建物の概要
- 設計
- 施工
- 工期
- 着工:2017年3月 (平成29年)
- 竣工:2019年3月 (平成31年)
- 建物
ミルネ診療所
(下記の出典[27])
基本理念
- 受診しやすさを特徴とし、外来受診による”かかりつけ医療機能”により、必要な時に必要な医療を受けられる医療体制を提供する。
- 生活習慣病を中心とした複数の疾病を持つ患者に対して”包括的な診療”を提供する。
- 地域のかかりつけ医と連携して、予防とケアを重視した医療を提供し、”健康寿命の延伸”に寄与する。
- 幅広い視野で患者を診ることができる”総合診療専門医等の人材を育成”する。
- 専門的な治療が必要な場合は、”兵庫県立丹波医療センター”などの病院を紹介する。
発熱外来
ミルネ診療所では、発熱外来を設けている。 感染症症状を疑われる患者は、発熱外来診察室での診察を受けることとなっている。
予防接種
予防接種については「完全予約制」となっている。
訪問診療
ミルネ診療所では、「在宅療養後方支援病院(兵庫県立丹波医療センター)」と連携を図りながら、在宅医療を行っている通院困難な患者に対して、医師が診療計画を立て患者の同意を得た上で、定期的に自宅などに赴く診療を行っている[注釈 17]。
なお、訪問診療は訪問看護と連携し、休日夜間対応を「24時間体制」でバックアップしている。
地域包括医療システム
ミルネ診療所では、一次医療を担うかかりやすい診療所として外来診療を提供している。 また、効率的なICTの活用により、兵庫県立丹波医療センター、在宅療養支援部門及び地域在宅療養関連施設との連携により患者の希望に沿った療養を提供している。
更に今後は、強化型在宅療養支援診療として、地域の医療機関等の「連携・協力」のもと、在宅での看取りを含めた安心な在宅療養支援を目指すとしている。
役割と機能
(下記の出典[28])
ミルネ診療所は、閉院した「柏原赤十字病院」の紹介状なしで気軽に受診できる「かかりつけ医」の機能を引き継いでいる”一般診療所”である[注釈 18]。
- 平日日中の身体の困り事相談ができる。
- 何科に受診したらよいか分からない時に受診できる。
- 心電図、血液検査、尿検査、胸部レントゲン検査が可能で、医師による超音波検査もできる。
- まちの診療所と同じように定期受診できる。
- 健康異常の相談ができる。
- 選定療養費や紹介状が不要で「かかりつけ医」として受診できる。
- インフルエンザや肺炎球菌ワクチンの予防接種に対応している。
ミルネ健診センター
(下記の出典[33])
基本理念
人間ドックのコース
- Aコース
診察、身体計測、腹囲、聴力、視力、眼底写真、眼圧、胸部エックス線検査、呼吸機能、血圧、心電図、心臓超音波、胃部検査、腹部超音波、骨密度、便潜血、尿検査、血液検査
- Bコース
診察、身体計測、腹囲、聴力、視力、眼底写真、胸部エックス線検査、呼吸機能、血圧、心電図、胃部検査、腹部超音波、便潜血、尿検査、血液検査
- Cコース
診察、身体計測、腹囲、聴力、視力、眼底写真、胸部エックス線検査、血圧、心電図、胃部検査、便潜血、尿検査、血液検査
- 健康診断
診察、身体計測、腹囲、聴力、視力、胸部エックス線検査、血圧、心電図、尿検査、血液検査 ※労働安全衛生法において指定された検査項目
- その他、「オプション検査」も用意されている。
精密検査の受診
併設する「ミルネ診療所」や、隣接する「兵庫県立丹波医療センター」にて”精密検査”ができる体制を整えている[37]。
ミルネ訪問看護ステーション
基本理念
「利用者さま またその家族さまが、不安なく安心して生活が送れるよう支援すること。 また、地域全体の在宅ケアの推進を図ること」を理念とし、専門的知識を持った身近な パートナーとして地域の方々から信頼されるステーションになることを目指す。
運営方針
- 訪問看護ステーションの職員は、利用者の生活の質を確保し、健康管理及び、日常生活活動の維持、回復を図るとともに、生活の質を確保を重視した在宅療養ができるように支援する。
- 本事業の運営については、丹波市医師会との連絡連携及び市町並びに他の関係諸機関と密接な連携を保ち、効果的な運営を図るものとする[注釈 23]。
サービス提供地域
- 丹波市全域[注釈 24]。
利用対象者
家庭で病気や障害により療養している人を対象に、その人らしく自宅で過ごせるよう支援しており、以下のような人の相談を受け付けている。
主なサービス内容
| 【 サービス内容 詳細 】 | |||
|---|---|---|---|
| 特別な医療処置等の 実施状況 |
経管栄養法(胃ろうを含む) | あり | |
| 在宅中心静脈栄養法(IVH) | あり | ||
| 点滴・静脈注射 | あり | ||
| 膀胱留置カテーテル | あり | ||
| 腎ろう・膀胱ろう | あり | ||
| 在宅酸素療法(HOT) | あり | ||
| 人口呼吸療法(レスピレーター、ベンチレーター) | あり | ||
| 在宅自己腹膜灌流(CAPD) | なし | ||
| 人工肛門(ストマ) | あり | ||
| 人工膀胱 | あり | ||
| 気管カニューレ | あり | ||
| 吸引 | あり | ||
| 麻薬を用いた疼痛管理 | あり | ||
| サービスの特色 |
| ||
| 24時間電話相談対応の有無 | あり | ||
| 緊急時の対応の有無 | あり | ||
| 定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所との連携 | なし | ||
| 出典[39]:最終更新日 2023/01/04[注釈 16] | |||
基礎データ
脚注
注釈
- 「ミルネ診療所」「ミルネ健診センター」「ミルネ訪問看護ステーション」の運営。
- 厚生労働省においては、2025年(令和7年)を目途に、高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもとで、可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、地域の包括的な支援・サービス提供体制(地域包括ケアシステム)の構築を推進している[3]。
- 前身の「兵庫県立柏原病院」の時代。
- 臨床研修プログラムの客観的なアウトカム評価を目的とした、研修医(卒後1、2年目)対象の In-Training Examination である[8]。
- ミルネと連携協力している「兵庫県立丹波医療センター」は、医学教育に力を入れている病院であり、内科系・外科系の多数の診療科が後期研修に関わっていて、新専門医制度としては「内科・総合診療」は基幹施設となっている[12]。
- 「5月1日」から、令和元年。
- 初代、総合診療センター長:大野伯和[6]。
- ※「最新の情報でない」場合があります。必要に応じて各種機関の情報を確認してください。
- 「兵庫県立丹波医療センター」へ。
- 兵庫県では、バリアフリー化を促進するため、福祉のまちづくり条例により、対象施設にバリアフリー化の状況に関する情報を、原則としてインターネットで公表することを義務づけている[18]。
- 子ども用便器やベビーシートを2階、3階に設置している。
- オストメイト、介護用ベッド(ユニバーサルシート)、フィッティングボードを「1階北側のミルネ診療所内」に設置している。
- 「1階エントランス」にインターホンを設置している。介添えが必要な人や職員の案内が必要な人は利用できる。
- 複合施設のため「兵庫県立丹波医療センター」入口前に、共用の点字案内板を設置している。
- 赤ちゃんルーム(授乳室、調乳用温水器)を2階に設置している。おむつ交換にも利用できる。
- ※「最新の情報でない」場合があります。出典の情報等を確認すること。
- 対象者は、在宅医療を希望する通院困難な患者であり、丹波市内に在住する者となっている。
- 隣接する「兵庫県立丹波医療センター」は「原則、紹介状を持った患者を診る」としており、紹介状なしで受診すると、選定療養費がかかる[29][30]。
- ※受診前に必ず電話すること。
- ※診察は応急的なものであり、検査等はできない。
- 一般には「メタボ健診」と言われており、生活習慣病の予防のために、対象者(40歳~74歳)にメタボリックシンドロームに着目した健診を行う[34][35]。
- 2022年10月16日(日)に、認定NPO法人J.POSH(日本乳がんピンクリボン運動)の取組による、「休日乳がん検診」がミルネ診療所・健診センターにて行われた[36]。
- 「柏原赤十字病院」の付帯施設であった「訪問看護ステーション」の流れを汲む[5][40]。
- この地域では交通費の負担なしにサービスを受けられる。また、地域外であっても、交通費などの実費負担によりサービスを受けられることがある。
出典
- “丹波市健康センター ミルネ”. 兵庫県立丹波医療センター. 2023年2月8日閲覧。
- “広報「たんば」令和元年5月20日号(第175号)”. 兵庫県丹波市. 2023年2月8日閲覧。
- “地域包括ケアシステムの実現へ向けて”. 厚生労働省. 2023年4月1日閲覧。
- “丹波市地域医療総合支援センター(仮称)整備基本計画 p.14”. 兵庫県丹波市. 2023年4月1日閲覧。
- “地域医療支え84年「柏原赤十字病院」が閉院”. 丹波新聞社. 2023年4月1日閲覧。
- “丹波市健康センターミルネのミルネ診療所が「初期診療で地域に貢献」と神戸新聞に掲載されました。”. 兵庫県立丹波医療センター. 2023年4月8日閲覧。
- “医師数V字回復、常勤50人の大台に 大学・県からの派遣増 新しい地域医療の船出(中)”. 丹波新聞社. 2023年4月8日閲覧。
- “基本的臨床能力評価試験”. 日本医療教育プログラム推進機構(JAMEP). 2023年4月12日閲覧。
- “臨床能力評価試験で過去最高成績 初期研修医が全国6位に 「総合的に診るマインド」強みに”. 丹波新聞社. 2023年4月8日閲覧。
- “「基礎的臨床能力評価試験」で当院の初期研修医が優秀な成績を収めました”. 兵庫県立丹波医療センター. 2023年4月8日閲覧。
- “地域医療教育センター”. 兵庫県立丹波医療センター. 2023年4月8日閲覧。
- “臨床研修医・専攻医|院長メッセージ”. 兵庫県立丹波医療センター. 2023年4月15日閲覧。
- “広報「たんば」平成29年12月20日号(第158号)”. 兵庫県丹波市. 2023年2月12日閲覧。
- “訪問看護ステーション:拠点が始動「身近なパートナーに」丹波/兵庫”. 毎日新聞社. 2023年4月1日閲覧。
- “兵庫)丹波市の県立新病院、来年7月1日に開院”. 朝日新聞社. 2023年2月8日閲覧。
- “「地病地療の拠点に」待望の新病院完成 内覧会に市民1000人超参加”. 丹波新聞社. 2023年2月8日閲覧。
- “広報「たんば」令和元年7月22日号(第177号)”. 兵庫県丹波市. 2023年2月8日閲覧。
- “バリアフリー情報の公表制度”. 兵庫県 まちづくり部 都市政策課. 2023年4月1日閲覧。
- “健康センターミルネのバリアフリー情報”. 兵庫県丹波市. 2023年4月1日閲覧。
- “県立丹波医療センター開設の経緯”. 兵庫県立丹波医療センター. 2023年4月8日閲覧。
- “『月刊誌 近代建築11月号』で新病院・ミルネ・看護学校が紹介されました”. 兵庫県立丹波医療センター. 2023年4月8日閲覧。
- “医療・保健・福祉・教育機能の統合・再編による「健康」まちづくり拠点の創出”. 株式会社 佐藤総合計画. 2023年4月8日閲覧。
- “兵庫県立丹波医療センター 丹波市健康センター ミルネ|実績”. 株式会社大林組. 2023年4月8日閲覧。
- “丹波市新病院と市センター 建築64億円で落札 開院遅れ2019年度上期に”. 丹波新聞社. 2023年4月8日閲覧。
- “兵庫県立丹波医療センター他|病院・福祉施設|建築部門|実績紹介”. 大鉄工業株式会社. 2023年4月8日閲覧。
- “医療・福祉施設|建築実績”. 阿比野建設株式会社. 2023年4月8日閲覧。
- “丹波市健康センター ミルネ診療所”. 兵庫県立丹波医療センター. 2023年2月8日閲覧。
- “上田先生によるミルネ診療所に関する調査が丹波新聞に掲載されました”. 兵庫県立丹波医療センター. 2023年2月8日閲覧。
- “選定療養費料金改定のお知らせ(2022年10月1日より)”. 兵庫県立丹波医療センター. 2023年2月8日閲覧。
- “選定療養費(紹介状なしの受診時の患者負担)の改正について”. 兵庫県 病院局 経営課. 2023年2月8日閲覧。
- “休日応急診療所”. 兵庫県丹波市. 2023年2月8日閲覧。
- “丹波市夜間医療健康相談ホットライン”. 兵庫県丹波市. 2023年4月1日閲覧。
- “丹波市健康センター ミルネ健診センター”. 兵庫県立丹波医療センター. 2023年2月8日閲覧。
- “政策レポート(特定健康診査(いわゆるメタボ健診)・特定保健指導)”. 厚生労働省. 2023年2月9日閲覧。
- “特定健診・特定保健指導について”. 厚生労働省. 2023年2月9日閲覧。
- “兵庫県/丹波市ミルネ診療所・健診センターにおける休日乳がん検診の実施について”. 兵庫県/県立丹波医療センター業務課(丹波市ミルネ診療所). 2023年2月11日閲覧。
- “検査部”. 兵庫県立丹波医療センター. 2023年2月12日閲覧。
- “丹波市健康センター ミルネ訪問看護ステーション”. 兵庫県立丹波医療センター. 2023年2月8日閲覧。
- “介護事業所・生活関連情報検索「介護サービス情報公表システム」”. 厚生労働省. 2023年3月15日閲覧。
- “介護支援や血圧測定…兵庫・丹波に訪問看護ステーション”. 朝日新聞社. 2023年4月8日閲覧。


