住吉学園

一般財団法人住吉学園(すみよしがくえん)は、日本兵庫県神戸市東灘区住吉地区で旧武庫郡住吉村の村有財産を継承し、住吉地区における文化振興、教育助成、福祉活動を行っている組織である[1]

名称に「学園」が含まれるが、2020年現在は学校運営事業は行っていない[1][注釈 1][注釈 2]

沿革

1918年(大正7年)、財団法人私立睦実践女学校として発足[1]武庫郡住吉村に女学校を開設していたが、経営危機に陥ったことから、1943年(昭和18年)に住吉村が経営一切を引き継ぐこととなった[6]:68

1944年(昭和19年)、認可を受けて名称を「財団法人住吉学園」と変更[3][6]:68。この際に村からは毎年の補助金[6]:68とともに、経営安定のために山林約3ヘクタールを譲渡された[3][6]:68。住吉女子商業学校が開校され、1948年(昭和23年)3月末に廃校するまでは学校運営が主な事業であった。

住吉村は1950年(昭和25年)4月に神戸市に編入される。これに先立つ合併構想の段階で[6]:68、村は村有財産の大半(338ヘクタール[3][注釈 3])を住吉学園に移譲した[注釈 4]。なお同時に神戸市に編入された御影町、魚崎町、本山村、本庄村は、神戸市に町村有財産を譲渡して財産区特別地方公共団体)となっている。合併時には財産区に移行するのが通例であるが[2]、その場合には財産を動かすのに神戸市長の決裁が必要になるために、住吉在住の財界人のアドバイスを受け、何かあった時にすぐ旧村民のために資産を使えるよう学園への移管を選んだという[3][8]。緊急時に使うことのできる「便利な財布」という役割は、1995年の阪神淡路大震災や2020年のCOVID-19流行に際して、復興支援金の支給という形で実現されている[8][9]

以後は寄贈された不動産の資産運用[注釈 5]により文化事業を行う財団法人へと内容を転換する。

公益法人改革を受け、2013年に非営利型の一般財団法人として再出発することとなった[6]:68公益財団法人とすることも考慮されたものの、万一公益法人として維持できなくなった場合には一般財団法人に変更することができず解散するしかなくなることが懸念されたという[6]:68

年表

  • 1918年(大正7年)6月 - 財団法人私立睦実践女学校設立認可[1]
  • 1944年(昭和19年)2月 - 財団法人住吉学園に名称変更[1]
  • 1948年(昭和23年)3月 - 寄附行為改正認可[1]
  • 1951年(昭和26年)4月 - 奨学金制度を開始[1]
  • 1961年(昭和36年) - 神戸市の事業に協力し渦森山の土地約33haを譲渡[6]:69[注釈 6]
  • 1977年(昭和52年) - 六甲山への植林事業を本格化する[1]
  • 1995年(平成7年)1月17日 - 阪神淡路大震災発生、被災住民の生活復興支援を行う[1]
  • 1998年(平成10年)3月 - 国土交通省の「六甲山系グリーンベルト整備事業」に協力開始[1]。所有地約70haを売却[6]:69
  • 2001年(平成13年)3月 - 「住吉歴史資料館」を竣工・開館[1]
  • 2009年(平成21年)4月 - 旧東灘区役所跡地取得[注釈 7]
  • 2013年(平成25年)
  • 2018年(平成30年)10月 - 健康福祉センター「恋野温泉 うはらの湯」を開設[11]

脚注

注釈

  1. ただし、関連する教育機関・保育所として住吉学園幼稚園(東灘区住吉本町)と住吉むつみ保育園(同区住吉宮町)がある[2][3]。住吉学園幼稚園の設置者であり[4]、園の運営にあたる「学校法人住吉学園」の理事長を財団法人住吉学園の理事長が務めている[4]。また住吉むつみ保育園の推進母体であり[5][6]:70。、園の運営にあたる「社会福祉法人住吉むつみ会」の理事長も財団法人住吉学園の理事長が務めている[7]
  2. 大阪市にある清明学院高等学校(旧「住吉学園高等学校」)とは無関係である。
  3. 102万坪[6]:68。理事長自身が「ちょっと大げさ」と述べているが、かつては「住吉駅辺りから山の方を見ると、見えるのはほとんどが住吉学園の土地」と言われたという[2]
  4. 移譲は1946年11月から1947年2月にかけ3度に分けて行われた[6]:71
  5. 神戸ゴルフ倶楽部甲南病院の土地の一部は、住吉学園の所有地である[2]。2013年現在、所有地は200ha、うち82haを賃地としている[6]:68
  6. 現在の渦森台から灘区六甲山町の一部にかけての地域。造成地には住宅地が開発され、土砂は神戸東部第三工区(魚崎浜町)の埋め立てに用いられた。
  7. もともと、神戸市との合併当時に住吉学園が出張所用地として寄付した土地であった[6]:70

出典

  1. 財団概要 一般財団法人住吉学園とは”. 一般財団法人住吉学園. 2020年4月5日閲覧。
  2. 暮らしやすい住吉をめざして 一般財団法人住吉学園理事長 中島愼賀さん”. 月刊神戸っ子 2013年9月号 (2013年9月). 2020年4月5日閲覧。
  3. 阪神間モダニズムの一角を 形成した〝住吉〟 一般財団法人住吉学園理事長 竹田統さん”. 月刊神戸っ子 2015年11月号 (2015年11月). 2020年4月5日閲覧。
  4. 園のご紹介”. 学校法人住吉学園 住吉学園幼稚園. 2020年4月5日閲覧。
  5. 「住吉むつみ保育園」開園に向けて準備進む”. 一般財団法人住吉学園 (2012年5月20日). 2020年4月5日閲覧。
  6. 平竹耕三「住吉学園の経験から学ぶ都市コモンズの現代的意義」『都市住宅学』第90号、都市住宅学会、2015年、67-71頁、doi:10.11531/uhs.2015.90_67ISSN 1341-8157NAID 1300068979772022年2月14日閲覧
  7. 法人概要”. 住吉むつみ保育園. 2020年4月5日閲覧。
  8. 「日本一の富豪村」が全世帯に3万円支援できる謎とその原資”. NEWSポストセブン (2020年7月2日). 2020年7月21日閲覧。
  9. “学園から謎の「3万円支給します」 富豪村の珍しい遺産”. 朝日新聞. (2020年7月5日). https://www.asahi.com/articles/ASN7434LWN6TPIHB00H.html 2020年7月21日閲覧。
  10. 神戸公式観光サイト『Feel KOBE』>観光>灘・東灘>住吉だんじり資料館”. 一般財団法人 神戸観光局. 2019年12月8日閲覧。
  11. “日本一の富豪村”使命は「日本一住みよいまちづくり」 神戸新聞社、2019年2月14日(2023年5月18日閲覧)。

関連項目

外部リンク

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