初雪

初雪(はつゆき)は、その初めて降る、または新年になってから初めて降る雪のこと。あるいは、その雪が降った日(雪の初日)のこと。反意語は終雪(しゅうせつ)である。

東京の初雪(2016年)

定義

気象庁及び各地の気象台が発表する「初雪」の定義では、その冬の最初に雪か(みぞれ、雨交じりの雪、または融けかかった雪)による降水があった場合を初雪とする。高山では夏に雪が降ることもあるため、「高山では、その年の日平均気温が最も高い日以降、初めて降った雪」を初雪とする定義があるが、富士山などで観測が廃止された現在は終雪から初雪まで長い期間のある観測地点しか存在せず、統計上は考慮の必要がなくなった[1]。観測地点は、日本国内各地の有人気象観測所58か所(5管区気象台、50地方気象台、2測候所、沖縄気象台)のうち、沖縄県の4か所と鹿児島県名瀬を除く53か所、および自動観測数か所である。1997 - 2010年にかけて行われた測候所の廃止により、大幅に減少した。北海道の特別地域気象観測所数か所など、一部では計器による自動観測に切り替えて初雪の観測が続けられている所もある。

時期

初雪が観測される時期は、毎年ばらつきが激しい。各地の初雪が観測される平年の時期は、北海道東北山間部では9月後半から10月中旬にかけて、同じく内陸平野部では10月中旬から11月上旬頃である。信越地方北陸地方は11月中旬から12月上旬、北関東・山梨県・岐阜県・滋賀県・北近畿山陰は11月下旬から12月中旬にかけて、関東平野部・東海京阪神南紀山陽四国北部九州の平野部では12月中旬から1月上旬にかけて観測される。

東京など関東南部から九州南部にかけての太平洋沿岸部は初雪の観測が遅く、年明けの1月以降の地域が多い。これらの地域では南岸低気圧によりもたらされる雪が初雪となる場合がほとんどで、年によっては、静岡宮崎などで初雪そのものが観測されなかった年もある。

また、冬でも温暖な小笠原諸島南西諸島では基本的に雪は観測されない。

なお、2004年に測候所が廃止されるまで、富士山(富士山測候所)は最も初雪が早く、1971 - 2000年の平年値で9月14日であった(同じく、終雪は7月11日)。富士山では7月や8月にも雪が降るので、「その年の日平均気温が最も高い日以降」という定義[1]が適用されていて、「初雪」になりうる雪のあともっと暑くなり、それが「終雪」に変わることもあった。最も早い初雪は、1963年7月31日だった[2]。また、最も遅い初雪は、1943年10月16日だった[3]

初雪の時期はふつう、その冬初めて最低気温が0°C以下になる「冬日初日」に近くなるが、一致はしない。雪は、地上の気温が0°C以上でも、条件により完全に溶けずに雪として降るためで、気温・湿度・雪片の大きさの3つが大きな要素である。雪の落下の過程で、湿度が低いほど、昇華や蒸発に伴う冷却作用が長く持続するため、より高い気温でも融けきらない。詳しくは雪#雪・霙・雨の境目、雪の目安を参照。

降雪のおおよその目安は、850hPa高層天気図(目安として上空1500mの気温を表す天気図)において0°C以下で山地で雪、-6°C以下で平地で雪、また500hPa高層天気図(目安として上空5500mの気温を表す天気図)において-30°C未満で平地で雪とされる。

平年値

日本国内主要都市における初雪および終雪の平年値
(1991 - 2020年、気象庁、観測地点は2021年時点)
都市初雪
初雪から終雪までの期間
▷10/1
5/31◁
終雪備考
稚内10月19日
204日
5月10日観測が行われている地点では最も初雪が早い。
網走10月30日
194日
5月11日観測が行われている地点では最も終雪が遅い。
旭川10月19日
195日
5月1日観測が行われている地点では最も初雪が早い。
釧路11月7日
176日
5月1日 
帯広11月1日
177日
4月26日
札幌11月1日
170日
4月19日
室蘭11月2日
169日
4月19日
函館11月1日
167日
4月16日
青森11月8日
159日
4月15日
盛岡11月9日
164日
4月21日
秋田11月15日
147日
4月10日
山形11月16日
147日
4月11日
仙台11月26日
133日
4月7日
福島11月19日
138日
4月5日
水戸12月19日
93日
3月21日
宇都宮12月16日
107日
4月1日
前橋12月9日
112日
3月30日
熊谷12月20日
86日
3月15日
銚子1月5日
65日
3月10日
東京1月3日
66日
3月9日
横浜12月15日
95日
3月19日
甲府12月11日
103日
3月23日
長野11月18日
142日
4月8日
新潟11月26日
127日
4月1日
富山12月3日
124日
4月5日
金沢11月24日
135日
4月7日
福井12月3日
119日
3月31日
静岡1月6日
 
38日
2月12日
名古屋12月22日
76日
3月7日
岐阜12月13日
102日
3月24日
12月24日
86日
3月19日
彦根12月10日
109日
3月28日
京都12月11日
103日
3月23日
奈良12月13日
100日
3月22日
大阪12月26日
73日
3月8日
神戸12月13日
105日
3月27日
和歌山12月18日
85日
3月12日
岡山12月10日
100日
3月19日
広島12月13日
88日
3月10日
鳥取12月5日
113日
3月27日
松江12月7日
112日
3月28日
高松12月24日
69日
3月2日
徳島12月18日
78日
3月5日
松山12月19日
77日
3月5日
高知12月21日
63日
2月21日
下関12月10日
95日
3月14日
福岡12月18日
75日
3月2日
佐賀12月11日
81日
3月1日
長崎12月11日
80日
2月28日
大分12月10日
85日
3月4日
熊本12月16日
81日
3月6日
宮崎1月13日
 
24日
2月5日観測が行われている地点では最も初雪が遅く、終雪が早い。
鹿児島1月6日
 
39日
2月13日

過去の初雪

初雪の最早・最晩記録(気象庁)[4]
観測地点最早最晩統計開始
稚内1978年10月6日2018年11月14日1939年
網走1954年10月7日2012年11月18日1890年
旭川1898年10月2日2012年11月18日1889年
釧路1923年10月11日1928年12月9日1911年
帯広1945年10月11日1892年11月24日1893年
札幌1880年10月5日2018年11月20日1877年
室蘭1978年10月13日1975年11月23日1924年
函館1878年10月11日1911年11月27日1873年
青森1986年10月17日2022年11月30日1887年
盛岡1986年10月18日1960年12月2日1924年
秋田1986年10月17日1911年12月6日1883年
山形1918年10月25日2004年12月17日1890年
仙台1995年11月8日1927年12月19日1927年
福島1904年10月31日1990年12月16日1889年
水戸1924年11月10日2007年3月7日1898年
宇都宮1904年11月7日1916年2月7日1891年
前橋1904年11月7日1898年
熊谷2002年11月9日1949年2月10日1897年
銚子1897年12月11日2007年3月19日1888年
東京1900年11月17日2007年3月16日1877年
横浜1962年11月22日1898年
甲府1922年11月16日1916年2月7日1895年
長野2002年10月28日1890年
新潟2009年11月3日1968年12月22日1886年
富山2002年11月4日2004年12月23日1940年
金沢2002年11月5日1968年12月22日1883年
福井2002年11月5日1962年12月22日1898年
静岡1973年12月7日1995年3月5日1941年
名古屋1904年11月7日2020年2月10日1892年
岐阜1904年11月6日2020年2月10日1884年
1922年11月27日1969年2月4日1890年
彦根1904年11月6日1935年1月16日1896年
京都1904年11月6日2020年1月31日1882年
奈良2013年11月29日2020年2月8日1954年
大阪1938年11月12日1972年2月4日1883年
神戸1938年11月12日2020年2月5日1897年
和歌山1938年11月12日2020年2月6日1880年
岡山1972年11月21日2020年1月31日1951年
広島1921年11月8日2020年2月6日1885年
鳥取1981年11月8日1959年1月4日1945年
松江1990年11月10日2007年12月30日1941年
高松1966年11月21日2020年2月6日1942年
徳島1924年11月9日1972年2月9日1892年
松山1938年11月12日2020年1月31日1891年
高知1924年11月9日1915年2月28日1886年
下関1950年11月14日2020年2月6日1884年
福岡1938年11月12日2020年2月17日1890年
佐賀1924年11月9日2020年2月5日1891年
長崎1924年11月9日2020年2月17日1887年
大分1938年11月12日2020年2月17日1887年
熊本1938年11月12日2020年2月17日1903年
宮崎1988年12月16日1956年2月29日1887年
鹿児島1987年12月2日1972年2月27日1884年
北海道
北海道内の観測官署で最も早い初雪は旭川で1898年10月2日(1889年統計開始)、最も遅い初雪は釧路で1928年12月9日(1911年統計開始)[5]
東北地方
酒田で最も早い初雪は1996年11月1日、最も遅い初雪は2004年12月16日(1971年統計開始)。
山形で最も遅い初雪は1911年12月6日と1920年12月6日(1890年統計開始)。
仙台で最も早い初雪は1995年11月8日、最も遅い初雪は1927年12月19日(1927年統計開始)[6]
若松で最も早い初雪は2002年10月28日、最も遅い初雪は1959年12月6日(1954年統計開始)。
関東甲信地方
東京で最も早い初雪は1876年と1900年の11月17日(1876年11月統計開始)、最も遅い初雪は2007年の3月16日[7]
1973年1月7日 - 1973年の冬は東京で2日しか雪を観測せず、初雪から8日後の1月15日が終雪となった(最も早い終雪)。
2002年12月9日 - 東京で初雪を観測、12月としては1991年以来となる積雪も記録。
2007年3月16日 - 東京で最も遅い初雪を観測、この冬の終雪は4月4日であった。
2016年11月24日 - 東京で1962年以来となる11月に初雪を観測、積雪0cmも記録した。
銚子で最も早い初雪は、1897年12月11日(1888年統計開始)、最も遅い初雪は2007年3月19日だった。なお、銚子では静岡や宮崎、鹿児島ほどではないが初雪観測なしの年もある(過去に初雪なしは1937年、1959年、1972年の3回)。
北陸地方
富山で最も早い初雪は、2002年11月4日、最も遅い初雪は2004年12月23日。
石川で最も早い初雪は、2002年11月5日、最も遅い初雪は1968年12月22日。
福井で最も早い初雪は、2002年11月5日、最も遅い初雪は1962年12月22日。この年は三八豪雪の年であった。
東海地方
静岡では宮崎ほどではないが、初雪が観測されなかった年(1959年、1960年、1972年、1989年、1997年、2008年、2009年、2019年の8回)もある。
名古屋で最も遅い初雪は、119年前の記録を更新した2020年2月10日。平年より52日遅い初雪を観測した[8]
岐阜で最も遅い初雪は、平年より62日遅い初雪を観測した2020年2月10日。85年ぶりに観測史上最も遅い記録を更新した。
近畿地方
京都で最も遅い初雪は、平年より47日遅い初雪を観測した2020年1月31日。4年ぶりに観測史上最も遅い記録を更新した。
奈良で最も遅い初雪は、平年より58日遅い初雪を観測した2020年2月8日。4年ぶりに観測史上最も遅い記録を更新した。
神戸で最も遅い初雪は、平年より53日遅い初雪を観測した2020年2月5日。4年ぶりに観測史上最も遅い記録を更新した。また、この観測が自動判別になって以降で初めての初雪発表となった。
和歌山で最も遅い初雪は、平年より51日遅い初雪を観測した2020年2月6日。56年ぶりに観測史上最も遅い記録を更新した。
中国地方
岡山で最も遅い初雪は、平年より44日遅い初雪を観測した2020年1月31日。統計開始以降最も遅い記録を56年ぶりに更新した。
広島で最も遅い初雪は、平年より58日遅い初雪を観測した2020年2月6日。85年ぶりに観測史上最も遅い記録を更新した[9]
四国地方
高松で最も遅い初雪は、平年より45日遅い初雪を観測した2020年2月6日。48年ぶりに観測史上最も遅い記録を更新した。
松山で最も遅い初雪は、平年より41日遅い初雪を観測した2020年1月31日。66年ぶりに観測史上最も遅い記録を更新した。
高知で最も遅い初雪は、1915年2月28日(1886年統計開始)。
九州北部地方(山口県を含む)
下関で最も遅い初雪は、1905年2月6日と平年より60日遅く115年ぶりに過去最も遅い観測となった2020年2月6日。
福岡で最も遅い初雪は、平年より51日遅い初雪を観測した2020年2月17日。111年ぶりに観測史上最も遅い記録を更新した[10]
佐賀で最も遅い初雪は、平年より56日遅い初雪を観測した2020年2月5日。66年ぶりに観測史上最も遅い記録を更新した。
長崎で最も遅い初雪は、48年ぶりに観測史上最も遅い記録を更新した2020年2月17日。
熊本で最も遅い初雪は、平年より56日遅い初雪を観測した2020年2月17日。66年ぶりに観測史上最も遅い記録を更新した。
大分で最も遅い初雪は、平年より74日遅い初雪を観測した2020年2月17日。48年ぶりに観測史上最も遅い記録を更新した。
九州南部・奄美地方
宮崎では初雪が観測されなかった年もある。
鹿児島は静岡や宮崎ほどではないが初雪観測なしの年(過去に初雪なしは1973年、1992年、1997年、2019年の4回)もある。
奄美では1901年2月12日と2016年1月24日に初雪を観測した(1897年統計開始)。
沖縄県
統計開始以来、雪(みぞれ)を延べ3日観測している(いずれも初雪と終雪が同日)。久米島(1959年1月統計開始)で1977年2月17日と2016年1月24日、名護市(1967年1月統計開始)で2016年1月24日に雪を観測した[11]
富士山(1936年 - 2004年)
最も早い初雪の記録は1963年7月31日、最も遅い記録は1943年10月16日、平年日は9月14日[12]

出典

脚注

  1. 予報用語 季節現象『初雪』 気象庁、2012年11月22日閲覧。
  2. 富士山の初雪は夏に降る 富士山NET(山梨日日新聞社・山梨放送)、2012年11月22日閲覧。
  3. 富士山の初雪、初冠雪、初雪化粧とは? – 富士山NET|ふじさんネット|富士山情報 まるごとおまかせ!”. 2022年2月18日閲覧。
  4. 理科年表
  5. 北海道の雪・霜・結氷・冠雪・積雪・長期積雪(根雪)の初終日の初日、終日の観測状況 札幌管区気象台、2019年11月10日閲覧。
  6. 東北地方の季節現象(さくら、梅雨、初霜、初氷、初雪、初冠雪) 仙台管区気象台、2019年11月10日閲覧。
  7. 東京における気象の記録 気象庁調べ、2019年11月10日閲覧。
  8. 2000年からの季節現象観測の記録 名古屋地方気象台、2019年11月11日閲覧。
  9. 初雪、最も遅く 広島県、85年ぶり記録更新中国新聞アルファ、2020年1月17日閲覧。
  10. 季節現象観測状況 福岡管区気象台、2019年11月10日閲覧。
  11. 雨・雪について 気象庁、2019年11月10日閲覧。
  12. 富士山の初雪はいつ? 初冠雪とは? 山梨日日新聞社、2019年11月10日閲覧。

関連項目

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