勇払ガス田

勇払ガス田(ゆうふつガスでん)とは、北海道苫小牧市にあるガス田のこと。石油資源開発株式会社が開発し、天然ガスと同時に原油も生産されている(勇払油ガス田)。ガスについては、パイプライン輸送鉄道貨物輸送などで北海道内各所の都市ガス事業者へ、原油については製紙会社、電力会社などに供給されている。1日当たりの平均生産量は、2004年のデータで油:619キロリットル、ガス:892,000立方メートル。

生産・供給状況

  • 1989年 南勇払で商業規模の天然ガス産出に成功[1](これを"発見"[2]としている)
  • 1994年 石油資源開発株式会社が開発を開始。生産設備と共に苫小牧市 - 北広島市に至るパイプライン輸送路の建設に着手[1](2005年、小樽市まで延長)。
  • 1996年 北海道ガス(以下「北ガス」主に札幌市及び周辺都市向け)へ供給を開始、その後、LNG(液化天然ガス)の生産能力を増強し、苫小牧貨物駅から鉄道輸送にて旭川ガス旭川市北旭川駅)へ供給を開始。
  • 2007年 LNGの生産能力を年間3万トンから7万トンへ増強。苫小牧駅の施設も増強し、鉄道輸送にて帯広ガス帯広市帯広貨物駅)、釧路ガス釧路市新富士駅)向けの供給を開始。岩見沢ガスのLNG転換により、ローリー車での供給開始。
  • 2009年 北ガス北見地区のLNG転換により、鉄道輸送にて北見(北見市北見駅)への供給開始予定。室蘭ガスのLNG転換により、ローリー車での供給開始予定。
  • 2011年 石狩湾新港にLNG受入基地が完成。日本国外及び東京ガス袖ケ浦LNG基地からのLNGの移入のみならず、逆に、パイプラインを介した勇払ガス田からの天然ガスの移出も可能になる[3][4]
  • 2012年 2011年冬より井戸から大量の水が出る事態が続いており、それによって生産量が4割ダウンしていることが報道された[5]。石油資源開発株式会社は枯渇したとは考えていないと述べた[5]。これによって石油資源開発株式会社の2012年3月期の連結最終損益予想が従来の165億円の黒字から116億円の赤字に修正され、1970年の設立以来初の損失計上となる見込みとなった[5]
  • 2020年 2017年6月からそれまで利用していなかった滝ノ上層の利用を試み[6]、2020年6月より原油の商業生産を開始した[7]

ガス滞留層

5,000メートル付近の大深度に広がる花崗岩及び礫岩層内のフラクチャー構造(き裂が入った構造体)に貯留されている[8]。このような大深度の火山岩の貯留層の例は、日本国内では他に新潟県長岡市南長岡ガス田などがある。

脚注

  1. 藤井 健、森谷 信明「勇払開発10年のあゆみ」『石油技術協会誌』第63巻第5号、1998年、369-375頁、doi:10.3720/japt.63.369
  2. 北海道内油ガス田”. 石油資源開発株式会社. 2023年11月15日閲覧。
  3. 勇払LNG受入基地・勇払LNGプラント”. 石油資源開発株式会社. 2023年11月16日閲覧。
  4. JAPEX会社案内2023”. 石油資源開発株式会社. pp. 17. 2023年3月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年11月16日閲覧。
  5. 石油資源開発が赤字転落 油ガス田の生産能力低下 産経新聞 10月26日(金)17時38分配信
  6. 北海道・勇払油ガス田浅層における原油開発の開始について”. 石油資源開発株式会社 (2017年6月22日). 2023年11月16日閲覧。
  7. 北海道・勇払油ガス田浅層における原油の商業生産開始について”. 石油資源開発株式会社 (2020年6月26日). 2023年11月16日閲覧。
  8. 勇払油ガス田,石油・天然ガス用語辞典”. 独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構. 2023年11月16日閲覧。

関連項目

外部リンク

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