坪内士行
生涯
現在の愛知県名古屋市に生れる。坪内逍遥の兄・義衛の三男で、逍遥に子がなかったため7歳のときに養子となった。旧制早稲田中学校を経て、1909年早稲田大学文学部英文科卒業。その後、ハーバード大学に留学して演劇を学び、1915年に帰国。翌年、留学中深い関係となったアメリカ人女性マッグラルド・ホームズが後を追って日本に来た。しかし逍遥は士行に娶合わせるつもりで鹿嶋清兵衛の娘のくにを養女にしており、この関係を許さなかった。くにと結婚させることを諦めたものの、逍遥はホームズといっさいの面会を拒否し、士行も家を出て別居した。ホームズは異国になじめず、また認められないことの苦しみから2年ほどで1919年1月に去っていったという。その後ホームズは橋場歯科医師と結婚して渡米したが、女優を志願し再来日、1926年7月に日活映画に入社の話を進めている間に自殺未遂を起こして帰国、1928年2月に自殺した[3]。
1919年、小林一三による宝塚音楽学校創立に関わった[2]。同年3月、宝塚歌劇団1期生で宝塚歌劇団卒業生の雲井浪子と結婚したが、逍遥は士行の女性関係の乱れを目のあたりにしたことで、それまでの怒りが爆発、養子縁組を解消した。その後は宝塚歌劇団や東宝劇団の運営に関わった[2][4]。
没後、2014年に宝塚歌劇の殿堂の最初に選出された100人で、演出スタッフのひとりとして妻・浪子とともに殿堂入りを果たしている[2][5][6]。
後に金光教の教監教老となった佐藤一夫とは早稲田での同級生で親友であった。
著書
単著
翻訳
- ドストエフスキー『不文律』ロ・アーヴィング脚色、南北社、1915年11月。
- ドストエフスキー『不文律』ロ・アーヴィング脚色(改版)、南北社、1922年10月。
- スタンレー・ホートン『村の祭 (附)村の祭を中心としたる貞操問題』新潮社、1916年1月。
- イブセン『小さいアイヨルフ』早稲田大学出版部〈イブセン傑作集〉、1917年2月。
- イブセン『小さいアイヨルフ』(復刻版)早稲田大学出版部〈イプセン傑作集 第4巻〉、1997年11月。ISBN 978-4-8205-9469-7。
- イブセン『野鴨』早稲田大学出版部〈イブセン傑作集〉、1917年11月。
- イブセン『野鴨』(復刻版)早稲田大学出版部〈イプセン傑作集 第5巻〉、1997年11月。ISBN 978-4-8205-9470-3。
- イブセン『ヘッダ・ガブラー』早稲田大学出版部〈イブセン傑作集〉、1918年7月。
- イブセン『ヘッダ・ガブラー』(復刻版)早稲田大学出版部〈イプセン傑作集 第6巻〉、1997年11月。ISBN 978-4-8205-9471-0。
- ジェー・エム・バリー『社会と階級』天佑社、1920年6月。
- モリエール『モリエール全集』天佑社、1920年12月。
- シェークスピア『シェクスピア劇物語』民風社、1948年1月。
- シェークスピア『真夏の夜の夢』童話春秋社〈少年少女世界名作文庫〉、1949年6月。
- チャールズ・ラム、メアリー・ラム『ラムのシエイクスピア物語』冨山房、1954年12月。
編著
- 『新訳沙翁警句集』東京毎日新聞社、1916年5月。
- 『シェイクスピア名言警句集』京文社、1959年5月。
共訳
共編
- 坪内士行・木谷蓬吟・倉満南北・高谷伸共 編『京阪百話』日東書院、1933年7月。
脚注
- 『人物物故大年表』
- “宝塚女優と結婚した早大教授 逍遙のおい 坪内士行の青春”. 早稲田ウィークリー. 早稲田大学 (2016年10月10日). 2022年4月2日閲覧。
- 『朝日新聞の記事にみる恋愛と結婚』朝日新聞社、1997, pp.268-269
- 『越しかた九十年』
- 村上久美子 (2014年1月11日). “宝塚が八千草薫ら殿堂100人を発表”. 日刊スポーツ 2022年6月25日閲覧。
- 『宝塚歌劇 華麗なる100年』朝日新聞出版、2014年3月30日、134頁。ISBN 978-4-02-331289-0。
外部リンク
- 坪内逍遙と小林一三をつないだ士行 【10月21日 創立記念特集】 - 早稲田ウィークリー
- 父・士行の思い出 【10月21日 創立記念特集】 - 早稲田ウィークリー
- 橋本旦子「坪内士行と日本舞踊に関する考察」『学習院大学人文科学論集』第22巻、学習院大学大学院人文科学研究科、2013年10月、219-249頁、ISSN 0919-0791。
- 「坪内士行君の告白を読む」『婦人に味方して』石井満著(三田書房、1921年)より
- 「坪内士行氏を舞台へ送る」『抱月随筆集』島村抱月著(人文会出版部、1925年)より
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