奥付
概説
和書では奥書を付けることが慣習となっている[1]。これと決まった形式はなく、日本特有のものとされるが、丸山1986年・丸山1990年では、「スラブ系およびラテン系諸国の出版物には、奥付をつける慣行があるが、和書ほど完備していない」としている。
なお、洋書には奥付に相当するものとしてcolophon(コロフォン)がある。洋書の書誌事項は一般にタイトルページの次のページにある。ただし、和書の奥付は江戸時代に幕府の法制上の強制により始まった慣習であるのに対し、洋書のコロフォンは装飾的な意図で発生したものとされており沿革が異なる[1]。
歴史
書誌事項
主に以下の事が書かれる。
表記
奥附
「奥付」は「奥附」とも書くが[4]、「附」の字が1954年の当用漢字補正案で「削る字」とされたため現在でも多くのマスコミが使用を避けており[5]、また当用漢字音訓表・常用漢字表で「附」の字訓に「つく」が挙げられていないため、「奥付」と表記する場合が多い[6]。これは、その書中における位置から付された名称であるが、その役割から付された名称として、
奥書
脚注
出典
- 図書館用語辞典編集委員会『最新図書館用語大辞典』柏書房、2004年、32頁
- 図書館用語辞典編集委員会『最新図書館用語大辞典』柏書房、2004年、433頁
- 「文部科学大臣が認可し、官報で告示した定価(上記の定価は、各教科書取次供給所に表示します。)」と表記されている。
- 戦前の辞書である上田・松井(1919年540ページ、283コマ「おく・づけ」)の漢字には「奥附」という表記のみが記され、「奥付」は見られない。実際の用例としては、兵藤(1909年)の奥付に「最新獨和兵語字典奥附」という一文が記されていることなどが挙げられる(信岡2004年39ページ図10)。
- 実際にはこの補正案は実施されておらず、現在の常用漢字にも「附」は含まれている。
- 漢字表記に関しては正統主義寄りの新明解でさえ単に「奥付」としており(第5版)、注としても「奥附」は示していない。
- 刊記と木記については、日立ソリューションズ(2010年)に端的な解説がある。名古屋大学(2005年7ページ中ほど)に実例があるので、参照されたい。
参考文献
- 上田万年、松井簡治『大日本国語辞典』 第1巻、金港堂書籍、1919年。
- “名古屋大学附属図書館2005年企画展 説話 (はなし) の書物 小林文庫本を中心に” (PDF). 名古屋大学 (2005年6月17日). 2010年11月27日閲覧。
- 信岡資生「明治期の兵語辞書について(三)ドイツ語を中心にして」『成城大学経済研究』第165号、成城大学経済学会、2004年6月20日、pp. 1-45、NAID 110004028076。
- “刊記”. 百科事典マイペディア. 日立ソリューションズ (2010年5月). 2010年11月27日閲覧。
- 兵藤三郎『最新独和兵語辞典』兵事雑誌社、1909年11月。
- 丸山昭二郎編 編『洋書目録法入門 つくり方編』日本図書館協会〈図書館員選書 6〉、1986年5月。ISBN 4-8204-8602-0。
- 橋口侯之介『和本入門 千年生きる書物の世界』平凡社、2005年10月。ISBN 4-582-83292-X。
- 廣庭基介、長友千代治『日本書誌学を学ぶ人のために』世界思想社、1998年5月。ISBN 4-7907-0710-5。
- 藤井隆『日本古典書誌学総説』和泉書院、1991年4月。ISBN 4-87088-472-0。
- 山岸徳平『書誌学序説』岩波書店〈岩波全書セレクション〉、2008年2月(原著1977年12月)。ISBN 978-4-00-021893-1。
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