女らしさ

女らしさ(おんならしさ、英: femininity)とは、女性が持つと考えられている属性や特徴などのこと[1][2][3]。「男らしさ」に対置される観念である。

バレエで表現された女らしさ。
イスラム世界での女らしさ。絨毯織りは女性の仕事。絨毯織りに限らず、織り仕事全般が女性の仕事。働き者である、ということが女性らしいことである。そして、人目にふれる場所では、肌を隠し、ヒジャブヴェール)をかぶるのが女性らしい。画像はトルココンヤ
よく働くこと、働き者であること、が女性らしさだ、とされている文化圏は多い。畑仕事に精を出す女性。画像はルワンダのもの。

概説

「女らしさ」は、文化圏、地域、宗教の教派、歴史、時代、世代、家庭環境、個人の嗜好などの影響を受けつつ形成され、多様である。同一地域、同一文化圏であっても、時代とともに変化してゆくことは多く、ある人が思い描く「女らしさ」も、年齢や経験とともに変化してゆくことは多い。

従来、女らしさとして「繊細である」「感情的である」「脆弱である」「優しさや思いやりがある」「共感性がある」「身体的な魅力や美しさ、官能さがある」といった印象が挙げられてきた[4][5][6]。これらはときに否定的な意味合いを含むこともあり[4]、男らしさと比べられる[5]。また、「結婚すること」や「出産すること」も女らしさの象徴となってきた[7]

日本の内閣府男女共同参画局性別による無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)に関する2022年の調査によれば、「女性は女性らしい感性がある」と回答したのは男性では45.7%、女性では43.1%、「女性は感情的になりやすい」と回答したのは男性では35.3%、女性では37.0%、「女性はか弱い存在なので守らなければならない」と回答したのは男性では33.1%、女性では23.4%、「家事・育児は女性がするべき」と回答したのは男性では27.3%、女性では20.7%であった[8]。また、電通総研の2023年の調査によれば、「男は男らしく、女は女らしくあるべき」と回答した人は全体では38.2%だったものの、男性は48.8%、女性は27.7%と男女差があった[9]。加えて男性は年代による差がみられ、年上の男性ほど女性に女らしさを求める傾向が高いことが明らかになっている[9]

第二波フェミニズムでは、そうした従来的な女らしさを、女性を男性に永久に従属させることを目的とした家父長制の手段とみなし、批判してきた[4]。伝統的として扱われてきた従来的な女らしさは、性別二元論の社会規範のかたちで女性を心理的に苦しめることもある[7]。それに関連して「有害な女らしさ」という概念も提唱されている[10]。女らしさは性的対象化と関連するものとしてみなされることもある[11]

女らしさは時代とともに変化している。イギリスの調査によれば、50年間の間に女らしさとして思い浮かべる印象が「思いやりのある良き母親」「繊細で優しい」から「自立していて野心があり、立ち直りが早い」へと変化していることが示された[12]

女らしさの特徴を示す少年や大人の男性(en:Effeminacy)も一部にはおり、そうした人はときに軽蔑されることもある[5]

脚注

出典

  1. 小学館『デジタル大辞泉』. 女らしい”. コトバンク. 2020年6月13日閲覧。
  2. 三省堂大辞林』第3版. 女らしい”. コトバンク. 2020年6月13日閲覧。
  3. 小学館『精選版 日本国語大辞典』. 女らしい”. コトバンク. 2020年6月13日閲覧。
  4. Does Femininity Need a Makeover?”. Psychology Today (2021年3月31日). 2024年5月16日閲覧。
  5. Society’s problem with femininity”. The University of Auckland (2021年7月11日). 2024年5月16日閲覧。
  6. 2. Americans see different expectations for men and women”. Pew Research Center (2017年12月5日). 2024年5月16日閲覧。
  7. Modern Femininity: Why Being Untraditional Is So Stressful”. Verywell Mind (2023年2月24日). 2024年5月16日閲覧。
  8. 令和4年度 性別による無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)に関する調査研究”. 内閣府男女共同参画局. 2024年5月16日閲覧。
  9. ジェンダーに関する意識調査(2023年)”. 電通総研 (2023年6月27日). 2024年5月16日閲覧。
  10. Toxic Femininity, Explained — Plus, Tips to Overcome This Mindset”. Healthline. 2024年5月16日閲覧。
  11. Not An Object: On Sexualization and Exploitation of Women and Girls”. UNICEF USA (2021年1月11日). 2024年5月16日閲覧。
  12. How femininity has changed over the past 50 years, according to a new study”. The Independent (2018年9月25日). 2024年5月16日閲覧。

関連文献

外部リンク

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