惣郷川橋梁

惣郷川橋梁(そうごうがわきょうりょう)は、山口県阿武郡阿武町宇田惣郷にある、JR西日本山陰本線須佐駅 - 宇田郷駅間の白須川に架かる鉄道橋である。惣郷鉄橋(そうごうてっきょう)とも呼ばれる。全長189m。

惣郷川橋梁
惣郷川橋梁を渡る下り普通列車
惣郷川橋梁を渡る下り普通列車
基本情報
所在地 山口県阿武郡阿武町
交差物件 白須川
設計者 鉄道省山口建設事務所[1]
施工者 間組[1]
建設 1931年2月-1932年10月[2]
座標 北緯34度35分14.3秒 東経131度33分21.5秒
構造諸元
形式 鉄筋コンクリートラーメン橋
(3径間2柱式2層ラーメン橋×6+単T桁鉄筋コンクリート橋)[1]
材料 鉄筋コンクリート
全長 189.14m[1]
高さ 11.6m[1]
関連項目
橋の一覧 - 各国の橋 - 橋の形式

1932年(昭和7年)に山陰本線最後の開通区間にかかる構造物として完成(開通は翌1933年)。日本海に隣接し、波浪による浸食や潮風による腐食(塩害)を避けるため、プレートガーダー橋モルタルを吹付ける案,鉄骨鉄筋コンクリートトラス橋案,鉄筋コンクリートラーメン橋案の中から鉄筋コンクリートラーメン橋の案が採用され[1]、橋脚の基礎満潮時の海面から1.5mの高さまでの高い井筒基礎が据えられている[2]のが特徴である。海からの景色も、また橋からの景色も美しいことから、撮影ポイントとして鉄道ファンからの人気は高い。

2001年土木学会選奨土木遺産を受賞している。

歴史

惣郷川にかかる橋梁は当初、現在地から80メートル上流に100メートルの橋梁を敷設することが想定されていた。だが、その場所に敷設しようとすると両岸にトンネルが必要となり建設費が莫大になるとされていた。対して下流地点は橋梁の長さが190メートルになり冬期に波浪が集中するなど環境条件も悪い一方で両岸は切取のみで対応可能であり経済的であったため、現在地点への建設が行われることとなった[3]。波浪による浸食や煙害が懸念されていたため一般的な鋼橋は採用されず、プレートガーダへのモルタル吹き付け、鉄骨鉄筋コンクリートトラス橋、そして鉄筋コンクリートラーメン橋の3案が比較検討された[3]。モルタル吹き付けはアメリカでの実績があり経済的であった一方で亀裂が発生しやすく長期利用した際の耐久度に疑問があったため、鉄骨鉄筋コンクリートトラス橋は気象条件の厳しい場所の高所で作業を行う必要があり工事費も割高であったためそれぞれ除外され、消去法で鉄筋コンクリートラーメン橋が採用された[3]。鉄筋コンクリートラーメン橋を独立した鉄道橋に用いた実績はボックスカルバート門型ラーメンを除いて存在せず、当時は都市部における高架橋の基本構造として採用されているのみであった[3]

アクセス

JR山陰本線宇田郷駅より北へ徒歩約2 km

ギャラリー

参考資料

  1. 惣郷川橋梁”. 土木学会選奨土木遺産. 2022年5月26日閲覧。
  2. 砂田光紀 (2008年8月26日). 惣郷川橋梁…海上行く幾何学の美(山口県阿武町)”. 九州・山口デザイン紀行(読売新聞. 読売新聞西部本社. 2009年10月30日閲覧。
  3. 鉄道ファン No.717 2021年1月号 『日本の鉄道遺産 日本海に屹立する鉄筋コンクリートラーメン橋』小野田滋 P124
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