放生津八幡宮

放生津八幡宮(ほうじょうづはちまんぐう)は、富山県射水市八幡町に所在する神社旧社格は県社。 祭神は応神天皇。相殿に仁徳天皇を祭る。

放生津八幡宮

拝殿
所在地 富山県射水市八幡町2-2-27
位置 北緯36度46分50.12秒 東経137度5分40.067秒
主祭神 応神天皇
社格 県社
創建 天平18年(746年
本殿の様式 銅板葺流造
主な神事 放生会曳山神事築山神事
地図
放生津八幡宮の位置(富山県内)
放生津八幡宮
放生津八幡宮

概要

創始は天平18年(746年)と伝え、越中守大伴家持宇佐神宮から勧請したと伝える。町の惣社としての地位は鎌倉時代に同地が守護所所在地となってからと考えられる。現在の社殿は大坂城西丸の修復に当たった高瀬輔太郎(たかせ すけたろう)が棟梁となり、文久3年(1863年)に再建。特殊神事として、9月30日の魂迎え式に始まり、10月1日から3日にかけて行われる例大祭放生津曳山祭)で、放生津の地名の由来となった放生会、国の重要無形民俗文化財である曳山神事築山神事が行われる。神宮寺は境内北側にあった曼陀羅寺と推定されている(文明年間の開山。浄土宗。射水市立町へ移転)。現在の社家は大伴氏。

曳山・築山行事と放生会

毎年10月1日には曳山神事、10月2日の例大祭には、境内にて古代信仰の形態である築山神事が行なわれる(放生津曳山祭)。放生津の曳山はこの築山神事を移動できるように発展させたものと考えられており、築山の起源はよくわかっていないが、江戸時代初期より行なわれていたことが1721年享保6年)の「東八幡宮記録」や「築山古老伝記」に記録されている。また2014年平成26年)9月には社務所で江戸時代中期の1764年明和元年)の築山に使用された約2mの表具を施した祝詞の巻物が発見された。88行に渡り祝詞が記されている[1]。なおこの行事は1982年昭和57年)1月18日に富山県の無形民俗文化財に指定されている。また2006年平成18年)には、「とやまの文化財百選(とやまの祭り百選部門)」に選定されている。その後2021年令和3年)3月11日には、曳山・築山行事をあわせて「放生津八幡宮祭の曳山・築山行事」として、国の重要無形民俗文化財に指定された[2][3]

9月30日夕方境内の高い松の木に神霊を海よりお迎えする魂迎式(御魂祭)が行われる。10月2日の例大祭には境内の高い松の木の西面に、幅7.2m、奥行3.6m、高さ2.7m上下2段の雛壇様式の臨時の築山(祭壇)を設け、下段の四隅には、それぞれ面をつけた仏門守護の四天王持国天(じこくてん)・増長天(ぞうちょうてん)・広目天(こうもくてん)・多聞天(たもんてん)を配し、上段中央には唐破風屋根の神殿の上に鬼女(狂女)の面に白髪を振り乱し、金襴の内掛けをはおり、御幣を取付けた長い竹竿を持った主神である姥神(オンババともいわれる)を祀る。また毎年「飾人形」といわれる越中にゆかりのある人物人形も飾られ[4]、神霊を松の木より築山に迎え入れ神事が行われる。また社殿ではこの地区の地名の由来となった放生会が行われる。なお築山行事が終わると姥神が暴れるとされる言い伝えにより、築山は大急ぎで解体される。放生会は2007年(平成19年)に、「とやまの文化財百選(とやまの年中行事百選部門)」に選定されている。

この築山行事は能登にある石動山(せきどうざん又はいするぎやま)の伊須流岐比古(いするぎひこ)神社でも行なわれていたが明治期に廃絶、富山県内でもここ放生津八幡宮と、明治期に休止となり1956年(昭和31年)より復活し富山県の無形民俗文化財に指定されている高岡市二上射水神社で行われているだけであり、全国的にも珍しい行事である。なお3ケ所の主神の見た目から、放生津の「足なし」、二上山の「手なし」、石動山の「口なし」と云われてきた。

2021年(令和3年)9月には、国の重要無形民俗文化財指定を受け、放生津八幡宮境内に、高さと幅が約2m、奥行きが約1mで、下部は築山の祭壇、上部には曳山の車輪をかたどった記念の石碑が建てられた[5]

境内

大伴家持の歌碑、松尾芭蕉の句碑、瀬織津姫を納める建屋がある。

参考文献

  • 『新湊の曳山』(新湊市教育委員会1981年(昭和56年)10月発行
  • 『とやまの文化財百選シリーズ(3) とやまの祭り』(富山県教育委員会 生涯学習・文化財室)2007年(平成19年)3月発行
  • 『とやまの文化財百選シリーズ(4) とやまの年中行事』(富山県教育委員会 生涯学習・文化財室)2008年(平成20年)3月発行
  • 『清松の杜』(放生津八幡宮社務所)

脚注

  1. 「新湊・放生津八幡宮の築山行事 江戸中期の祝詞発見」北日本新聞 2014年9月28日32面
  2. 『新湊の曳山・築山行事 国重文 官報に告示』北日本新聞 2021年3月12日23面
  3. インターネット版官報 令和3年3月11日 第449号 文部科学省告示第29号
  4. 「古式ゆかしく神事 新湊放生津八幡宮で築山行事」北日本新聞 2014年10月3日33面
  5. 『放生津八幡宮祭 曳山・築山 継承誓う 国重文指定祝い記念碑』北日本新聞 2021年9月26日15面

関連項目

外部リンク

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