有道出人

有道出人(あるどう でびと、David Christopher Schofill1965年1月13日 - )は、アメリカ合衆国カリフォルニア州出身の日本国籍取得者、英会話教師、人権活動家、作家。英語名はデイヴィッド・クリストファー・アルドウィンクルDavid Christopher Aldwinckle.ogg David Christopher Aldwinckle)。少数民族の入浴客を拒否していた小樽の銭湯および小樽市を相手取って起こした一連の人種差別訴訟で有名。元北海道情報大学経営情報学部先端経営学科准教授。2012年2月7日現在、ハワイ大学イースト・ウエスト・センターのアフィリエイトスカラー。アメリカのハワイ州の在住。

有道出人
誕生 David Christopher Schofill
デイヴィッド・クリストファー・ショフィル
(1965-01-13) 1965年1月13日(59歳)
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国カリフォルニア州
職業 英会話教師、人権活動家、作家
国籍 (アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国→)
日本の旗 日本(帰化)
最終学歴 コーネル大学
活動期間 1996年 -
デビュー作 『SPEAK YOUR MIND Introduction to Debate』
子供 2人
公式サイト http://www.debito.org
活動拠点はニューヨーク州ジニーヴァ[1]

来歴および活動履歴

  • 生誕名はDavid Christopher Schofillデイヴィッド・クリストファー・ショフィル[2]。カリフォルニア州に生まれ、ニューヨーク州に育つ。両親の離婚により1971年頃に養子となり、Aldwinckleに改姓。7代前の祖先にはチェロキー族がいる[2]
  • コーネル大学在学中、1986年に文通相手の菅原文子(あやこ、のち南幌町議会議員)の招きで初めて日本を訪問し、数週間滞在。以後、日本語の習得に専念し、1987年6月にコーネル大学教養部政治学科を卒業。1987年8月から1988年8月まで、札幌市の株式会社インターナショナルアカデミー(IAY)で英語を教えた後、米国へ戻り、カリフォルニア大学サンディエゴ校国際関係論大学院に入学するが休学。1989年10月から1990年8月まで、新潟県長岡市の株式会社日本マネジメントアカデミィ総務部に1年間勤務。1989年、菅原文子と結婚。妻との間には2人の娘がいるが、1人は一見アジア人風、もう1人は一見白人風であるため、湯の花温泉では白人風の娘だけが入浴を拒まれる差別を受けたという。
  • 1990年、カリフォルニア大学サンディエゴ校国際関係論大学院に復学。1991年6月、修士号(商学、日米貿易専攻)取得。1991年9月、札幌市の株式会社島田産業に入社し、アジアからの建材木材の輸入を担当したが、ハラスメントを受けたと申し立てて[3]1993年1月に退社し、同年4月から北海道情報大学経営情報学部経営ネットワーク学科講師としてビジネス英語と欧米式討論を教え始める。2007年から同校の准教授を務める。
  • 1996年に日本の永住権を取得。
  • 2000年10月に日本国籍取得。これにより法律上の氏名は菅原 有道出人となる。
  • 2001年に小樽の入浴施設を提訴(主任弁護人伊東秀子)。
  • 2002年在札幌米国総領事館から警告を受けて米国市民権を放棄。
  • 2002年NTTドコモに抗議[4]
  • 2004年2月、稚内市紋別市に対し人種差別撤廃条例を強要[5]
  • 2005年の3月から4月にかけてピースボートに参加[6]
  • 2005年6月より、本人のサイトにてパロディー絵「Little Yellow Jap」掲載を開始[7]
  • 2005年マンダムに抗議[8]
  • 2006年1月、2ちゃんねるを相手取って起こした名誉毀損訴訟で勝訴(2ちゃんねるの歴史参照)。
  • 2006年4月H.I.Sに抗議[9]
  • 2006年9月、菅原文子と協議離婚[10]。その理由について、有道は「離婚は2004年2月に自分から申し出た」「自分の人権活動が離婚の原因になったわけではない」[11]と説明している。
  • 2006年国歌斉唱は多文化共生に反すると非難[12]
  • 2006年11月戸籍にある菅原姓の削除を札幌家庭裁判所に申し立て[13]、これにより法律上も有道 出人となる。
  • 2007年2月ファミリーマートボイコット運動[14]
  • 2007年9月ホリデースポーツクラブに抗議[15]
  • 2007年10月北海道情報大学を非難[16]
  • 2007年12月東横インボイコット運動[17]
  • 2008年1月北國新聞に抗議[18]
  • 2008年1月豪で武者小路公秀と共に日本語能力テストを批判[19]
  • 2008年6月、洞爺湖サミットのための警備の一環で新千歳空港で職務質問されたことに対し腹を立て北海道警察に抗議文を提出。この際、録音装置をあらかじめオンにして[20]職務質問されるまで警察の周りをうろついていたことについて「彼はやり過ぎの警官に捕まった無辜の歩行者ではない、トラブルを誘っていたのだ」との批判がある[21]
  • 2011年6月北海道情報大学を退職。同年に再婚。
  • 2014年明治学院大学で博士号取得

小樽温泉入浴拒否問題

1999年9月に、ドイツ人オラフ・カルトハウスアメリカ人ケネス・リー・サザランドと共に小樽市手宮にある入浴施設「湯の花」を訪れた際、外国人であることを理由に入浴拒否される。「湯の花」は、小樽に入港するロシア人船員の入浴マナーが著しく悪く、それを忌避して日本人利用者が減少することで「経営難に陥る危険性が極めて高いと判断し」、そのような事態を回避するため外国人の入浴を拒否するようになっていたのであるが[22]、有道らが日本に帰化して日本人となった後に訪れても入浴を断られたため、これを人種差別だとして2001年2月に「湯の花」の運営会社及び小樽市に対して600万円の損害賠償と謝罪広告を求め提訴した。

「湯の花」側は、自らのグループ企業が経営していた他のサウナ風呂が同様の事例により廃業を余儀なくされたことを踏まえ、外国人入浴拒否は自己の営業を防衛するためにやむを得ない措置であった等と主張した[22]。有道らは、当該入浴拒否は人格権という重大な利益の侵害であって、湯の花側の主張するような経営上の理由によって差別の合理性を根拠づけることはできない等と主張した[23]

小樽市に対しては、人種差別撤廃条約に基づいて強制力や罰則をもった条例を制定して当該入浴拒否を禁止すべきであったのにその義務を怠った等と主張した[24]。小樽市側は、当該条約においてその具体的方策は締約国の裁量に委ねられており、地方公共団体の不作為を理由に損害賠償しうるものではないと主張した。また市としても入浴拒否を人権侵害の問題として捉えた上で、「湯の花」側への働きかけを含め入浴拒否の解消に向けた様々な措置を行っており、当該条約により求められる施策は十分に取っていた等と主張した[25]

2002年11月、札幌地方裁判所の判決[26]は、外国人あるいは外国人にみえる者の入浴を一律に拒否するのは人種差別に当たる不法行為として「湯の花」側に原告3名へ各100万円の賠償支払いを命ずる一方、小樽市については責任を認めなかった。

同月、判決を不服として有道らが小樽市を相手に札幌高等裁判所へ控訴。「湯の花」も有道らを相手取り控訴。

2004年9月、高裁判決は小樽市に対する有道らの控訴、および有道らに対する「湯の花」の控訴を共に棄却。「湯の花」に対する有道らの勝訴が確定。有道らは最高裁判所へ上告。

2005年4月、最高裁は上告を棄却。小樽市に対する有道らの敗訴が確定。

この当該事件における有道出人らの交通費はトニー・ラズロ主宰のNGO一緒企画が提供していた[27]。ケネス・リー・サザランドも一緒企画と連絡を取っていた[28]。さらに、有道は入浴施設が外国人の入浴拒否をしていることを事前に知っており、「事実を確認するための作戦である」と明言していた (原文: "THIS IS A MISSION TO CONFIRM FACTS OF THE CASE.") [29]

人種差別問題に関するその他の取り組み

Japanese only」(外国人お断り)の看板を出している居酒屋や銭湯、帰化した日本人に対して滞在許可証の提示を求める警察官など、様々な人種差別問題に取り組んでいるとされている。

批判

「ちびきいろじゃっぷ」

2005年6月より、『ちびくろサンボ』が復刊されたことへの抗議として、自身のサイトにて「ちびきいろじゃっぷ」と書かれたパロディー絵を掲載している。出っ歯、ふんどし、下駄の絵で和人を描画し、英語版では、"Little Yellow Jap"という人種差別表現を6回使用している[30]

2011年10月5日より、株式会社瑞雲舎(『ちびくろサンボ』の日本語版出版社)の著作権侵害が明らかになったため、米国のデジタルミレニアム著作権法に基づき、有道のサイトのプロバイダーが上記のページを閉鎖した。

「WaiWai」擁護・援用

2008年7月、毎日新聞の記者ライアン・コネルによる虚偽報道 (毎日デイリーニューズWaiWai問題) を擁護し、WaiWaiは日本人の態度を知るための必須のガイドだと、「日本人は日本語をまるで秘密の合言葉のように、日本語を使えばどんな発言をしても構わないと思っている。「それは国内向けの発言だ」という言い訳はとても多い」と発言した[31]

有道は自身のサイトで、WaiWaiを50回以上にわたって援用している[32]

その他

H.I.Sの日本国籍保持者限定ディスカウントを非難する一方で、自分は外国人オンリーディスカウントを宣伝している[33]

著書

  • SPEAK YOUR MIND Introduction to Debate (Textbook) April 1996, ISBN 4-925013-29-7
  • CAN WE DO BUSINESS? Introduction to Business English (Revised Textbook), Maruzen Planet KK, Tokyo, April 2000. ISBN 4-944024-82-7
  • 『ジャパニーズ・オンリー:小樽温泉入浴拒否問題と人種差別』明石書店 2003年 ISBN 4750316997
  • JAPANESE ONLY: The Otaru Hot Springs Case and Racial Discrimination in Japan (Akashi Shoten Inc. November 2004), ISBN 4-7503-2005-6
  • 『日英対訳 ニューカマー定住ハンドブック 日本で働き、暮らし、根付くために』(樋口彰との共著)明石書店 2008年 ISBN 4750327417
  • Embedded Racism

注釈

  1. Brooke, James (2004年5月12日). “LETTER FROM ASIA; Foreigners Try to Melt an Inhospitable Japanese City”. The New York Times. http://query.nytimes.com/gst/fullpage.html?res=9E06E7DA103CF931A25756C0A9629C8B63 2008年2月3日閲覧。
  2. debito.org "Holiday Tangent: My Schofill family roots include Cherokee and lots of American South skeletons"
  3. 北海道新聞 1994年8月30日「日本企業での悪戦苦闘を小説にしたデービッド・アルドウィンクルさん(29)」
  4. NTT抗議プレスリリース
  5. REPORT ON THE WAKKANAI/MONBETSU TRIP Archived 2009年8月29日, at the Wayback Machine.FEB. 4-8, 2004
  6. ピースボート参加報告, "Peaceboat reports" Archived 2014年2月3日, at the Wayback Machine.l
  7. Debito.orgパロディーセクション Archived 2008年12月29日, at the Wayback Machine. Retrieved on 2009-01-12
  8. Debito.orgMandom project
  9. Debito.orgHIS pricing
  10. Debito.org Special Edition Newsletter How to Get a Divorce in Japan,” Archived 2008年2月18日, at the Wayback Machine., December 2, 2006. Retrieved on 2006-12-14
  11. www.debito.org: How to get a Divorce in Japan
  12. Debito.orgNewsletter: Kimigayo
  13. Debito.org Newsletter “Bianchi, Johnston, Immigration, & losing my name,” Archived 2008年2月18日, at the Wayback Machine. December 14, 2006. Retrieved on 2006-12-14.
  14. Debito.orgファミリーマートボイコット運動
  15. Debito.orgDebito.org Newsletter Sept 8, 2007
  16. debito.org Arudou Debito is looking for a new job
  17. Debito.org東横インボイコット運動
  18. Debito.orgdebito.org Blog Archive 石川県の北國新聞のセールズ
  19. Radio Australia "JAPAN: Proposed language tests for foreigners"
  20. 録音された音声
  21. LANCE BRAMAN, "Asking for trouble from police", The Japan Times, July 6, 2008.
  22. 札幌地判平成14年11月11日 判例検索システム平成13(ワ)206 判決全文 5頁。
  23. 札幌地判平成14年11月11日 判例検索システム平成13(ワ)206 判決全文 3頁。
  24. 札幌地判平成14年11月11日 判例検索システム平成13(ワ)206 判決全文 6-7頁。
  25. 札幌地判平成14年11月11日 判例検索システム平成13(ワ)206 判決全文 7-8頁。
  26. 札幌地判平成14年11月11日判時1806号84頁、『重要判例解説 平成14年度』国際法2。
  27. Newsgroups: soc.culture.japan.moderated posted by ISSHO Kikaku on 21 Feb 2001. Retrieved on 2008-07-21
  28. Newsgroups: soc.culture.japan.moderated posted by Ken Sutherland on 07 Feb 200. Retrieved on 2008-07-21
  29. Newsgroups: soc.culture.japan.moderated posted by Dave Aldwinckle on 20 Sep 1999. Retrieved on 2008-07-21
  30. 毎日新聞擁護の准教授、 HP に日本人差別の作品掲載 (2008-08-19)
  31. "Japan rails at Australian's tabloid trash", Brisbane Times, July 5, 2008. Retrieved on 2008-07-28
  32. debito.orgにおけるWaiWai言及・使用へのリンク, (検索結果54ページへのリンク)2008年7月22日時点での情報
  33. debito.org "special party rates to large groups of NJ clientele",Feb 22, 2008.

関連項目

外部リンク

This article is issued from Wikipedia. The text is licensed under Creative Commons - Attribution - Sharealike. Additional terms may apply for the media files.