歴史問題における謝罪

歴史問題における謝罪(れきしもんだいにおけるしゃざい)は、戦争紛争による被害、反対勢力への弾圧奴隷貿易ジェノサイド(集団虐殺)、人種差別先住民差別など、過去の政府などがとった政策により与えた損害について、継承国政府・議会、指導者らが、政策による被害者とされる側に、公式あるいは非公式に表明してきた「謝罪」のことである。

アジア・オセアニア

日本については関連項目参照)

台湾の蔡英文総統は2016年8月1日、先住民の代表を総統府に招き、400年にわたる差別、迫害について謝罪
台湾の蔡英文総統は2016年8月1日、先住民の代表を総統府に招き、400年にわたる差別、迫害について謝罪

北米・中南米

ヨーロッパ

ホロコースト・ポグロム関連

地方自治体・組織・団体・個人による謝罪

  • 1999年「奴隷貿易」英・リバプール市議会が公式に謝罪を表明。
  • 2006年2月「奴隷貿易イングランド国教会が奴隷使用を謝罪。
  • 2009年8月22日ベトナム戦争ソンミ村虐殺事件」部隊を率いたウィリアム・カリー米海兵隊中尉が犠牲者と家族らに謝罪。
  • 2009年5月5日平頂山事件相原久美子参院議員が事件の生存者に、「個人として、日本国民から選ばれた国会議員として、心から謝罪する」と書かれた謝罪状を手渡す。書状には衆院議員10人と参院議員14人が署名。[41]
  • 2013年10月7日文化大革命での迫害」造反組織「紅衛兵」の元リーダーで、陳毅副首相の息子である陳小魯氏ら15人が、当時つるし上げた北京第八中学の教師8人に謝罪。陳氏は「私はあなたたちを傷つけた元学生を代表して真摯に謝りたい」と発言。[42]
  • 2015年7月9日南米を植民地化したカトリック教徒が先住民に対して行った犯罪」ローマ・カトリック教会フランシスコ法王が先住民の代表団らに向かって謝罪。「神の名の下に先住民に対し、たくさんの深刻な罪が犯された」「アメリカ大陸征服の際、先住民に行われた犯罪行為について謙虚に謝罪したい」と発言。
  • 2016年6月26日同性愛者に対する差別」ローマ・カトリック教会のフランシスコ法王は、「われわれキリスト教徒には、謝らねばならないことがたくさんある。今回のこと(同性愛者の待遇)に限らないが、私たちは許しを乞わなければならない。謝罪するだけでなく許しを」と発言。[43]
  • 2016年9月1日「黒人奴隷の取引」米名門私大ジョージタウン大運営母体のイエズス会が大学運営資金を補うため奴隷取引にかかわった過去を認め謝罪。被害者約300人の子孫らに入学で便宜を図るなど和解策を実施すると表明。また記念碑を建設、当時の学長の名を付けた建物2棟の名称を変更する。[44]
  • 2016年12月2日韓国軍による430人虐殺事件」(1966年12月)韓国人団体が、ベトナムクアンガイ省の追悼式で謝罪。[45]
  • 2017年4月18日「奴隷制度への加担」ジョージタウン大学が、宗教的式典「記憶と悔恨と希望の式典」で謝罪。[46]
  • 2019年6月2日「カトリック教会の少数民族ロマ差別」ルーマニア訪問中のローマ法王フランシスコ1世がロマと面会、「私たちが長年にわたり皆さんを差別したり、不当に扱ったり、疑いの目を向けたりしたこと」を謝罪。「教会と主の御名において、許しを求めます。皆さんに許しを乞います」と述べる。[47]
  • 2020年6月18日「奴隷船の保険」英ロイズ保険組合は奴隷貿易で保険市場が担った「恥ずべき」役割について謝罪し、黒人や少数民族を支援する慈善団体に資金を提供すると表明。[48]
  • 2020年7月14日「奴隷制」米ノースカロライナ州アシュビル市議会は、奴隷制度に関与したことを謝罪。奴隷の子孫である黒人住民に補償を行うとする決議を全会一致で可決。[49]
  • 2020年7月29日「アフリカ人男性をサル舎で見せ物に」(1906年)米ニューヨーク市ブロンクス動物園を運営する団体WCSが、中部アフリカ出身の男性を動物園のサル舎のおりの中に閉じ込めて見せ物にしていたとして公式に謝罪。[50]
  • 2021年5月31日、「タルサ人種虐殺」米オクラホマ州タルサ市長が市政を代表して、フェイスブックに謝罪文を投稿。「タルサの市長として私は、1921年にこの市の政府が地域住民を守らなかったことを謝罪します。人種虐殺の後に被害者にきちんと対応しなかったことも謝罪します」と記す。[51]
  • 2021年6月17日「人種差別」米ジョージア州アトランタエモリー大学医学校は、60年あまり前、人種を理由に入学を許可しなかった男性に謝罪。[52]
  • 2021年7月2日「奴隷貿易」オランダ・アムステルダムのハルセマ市長は、市が「積極的に関与した」と謝罪。[53]
  • 2021年11月11日アパルトヘイト政策」南アフリカフレデリック・ウィレム・デクラーク大統領の財団が、本人による「遺言」の動画をウェブサイトに公開。デクラークは、「1980年代初頭から考えが完全に変わった」「心の底からアパルトヘイトが誤りだと悟った」「南アの黒人やインド人らにもたらした苦痛、侮辱、損害について無条件で謝罪する」と述べた。[54]
  • 2022年4月1日「カナダカトリック教会などが運営した寄宿学校跡から大量の子どもの遺骨や墓が見つかった問題」ローマ教皇フランシスコは、バチカンを訪れた先住民の代表団に謝罪。「カトリックのメンバーがしたことに悲しみと恥を感じる。神の許しを求める。心から申し訳ない」と述べた。[55]
  • 2022年7月25日「カナダのカトリック教会などが運営した寄宿学校跡から大量の子どもの遺骨や墓が見つかった問題」カナダを訪問したローマ教皇フランシスコは、アルバータ州の元先住民寄宿学校を訪れ、「先住民に対し、非常に多くのキリスト教徒が行った悪行について謙虚に許しを請う」「寄宿学校制度を含む同化政策が、この地の人々にいかに壊滅的な影響を与えたかを記憶する必要がある」と謝罪。[56]
  • 2023年2月28日「二・二八事件台北市が「二二八和平紀念公園」で式典を開き、事件を主導した蔣介石のひ孫、蔣万安・台北市長が「市長として心からの謝罪」を表明。[57]
  • 2023年5月6日「アイヌ民族の遺骨を所有保管したこと」オーストラリアメルボルン博物館は、日本から訪れたアイヌ団体代表らに遺骨4体を返還。同博物館のティモシー・グッドウィン理事は「皆さんの先祖が長年味わった屈辱に遺憾の意を表し、皆さんの苦痛に心よりおわびする」と謝罪。[58]

遺憾の意

現在も続く謝罪・賠償の要求

(日本については関連項目参照)

  • ナミビアドイツ ドイツが20世紀初頭に当時の植民地ナミビアで犯した虐殺。[66]
  • ポーランドドイツ 2022年9月1日、ポーランド政府は、第2次大戦中のナチス・ドイツの侵攻と占領による損害が約6兆2000億ズロチ(約183兆円)に上るとの試算を公表し、ドイツ政府に賠償交渉を求める方針を示す。[67]
  • ギリシャドイツ 2019年4月17日、ギリシャ議会は、第二次世界大戦中のナチス・ドイツによる占領に伴う損害賠償を、ドイツ政府に正式に要求する方針を可決。ギリシャ議会の委員会は2016年、被害額は3000億ユーロ(約38兆円)超と試算している。[68]
  • インドイギリス 英国の植民地時代に起こったアムリットサル事件(1919年4月13日)[69]
  • アルメニアトルコ アルメニア人虐殺(19世紀末~20世紀初頭)
  • ジャマイカイギリス 2015年9月「奴隷貿易に対する謝罪と賠償」ジャマイカを訪問したイギリスのキャメロン首相は賠償はしないと言明、「未来を築き続けよう」と述べる[70]
  • イギリス、ベトナム韓国[注釈 2] 「ベトナム戦争時のライダイハン」2017年9月12日にイギリスで設立された市民団体「ライダイハンのための正義」に参加したジャック・ストロー外相は基調講演で、「ベトナムで韓国兵が行った性的暴行は重大な人権問題だ。被害女性が求めているのは賠償ではなく謝罪。韓国政府は女性たちに謝罪すべきだ。人権重視の英国から被害実態を調査することを国際社会に求めたい」と述べた。韓国兵は多くのベトナム女性に性的暴行を加えたり、慰安婦として強制的に慰安所で働かせていたりした、とされる[71]。2019年7月下旬には、彫刻家のレベッカ・ホーキンスによって制作された「ライダイハン像」がロンドン中心部の公園で一般公開された[72]
  • 韓国アメリカ 2016年5月26日広島市への原子爆弾投下」オバマ大統領の広島訪問の前に韓国人被爆者らがソウルにあるアメリカ大使館の前で26日に集会を行い、韓国人原爆犠牲者慰霊碑に献花するよう求め、アメリカ政府に謝罪と賠償を訴えた。27日にも広島平和記念公園で集会をし、オバマ大統領に直接謝罪要求の書簡を渡したいとしている[73]
  • 韓国アメリカ 2019年6月28日広島市への原子爆弾投下ドナルド・トランプ大統領が米韓首脳会談のため29日に訪韓するのを前に、韓国原爆被害者協会や韓国原爆2世患友会が28日、ソウルで集会を開き、広島長崎に原爆を投下したアメリカの責任を巡り、トランプに謝罪と賠償を求め、アメリカ大使館の周辺を行進した。同協会の李圭烈会長は「米国に対し、加害の責任を認めて謝罪することを強く求める」と述べた[74]
  • メキシコスペインカトリック教会 2019年3月25日1519年から約300年続いたスペイン統治時代の暴虐」メキシコのロペス・オブラドール大統領が、スペイン政府とローマ法王に謝罪を要求。「かつて大虐殺と抑圧があった。十字架による侵略が行われ、彼らは先住民たちの神殿の上に教会を築いた」と述べる。[75]
  • メキシコスペインカトリック教会 2020年10月10日「ローマ・カトリック教会による先住民迫害」ロペス・オブラドール大統領はローマ・カトリック教会が先住民迫害に関与したことを謝罪するよう、フランシスコ教皇に書簡で求めた。スペイン人1521年にメキシコに到達した後の「最も非難されるべき残虐行為」について、スペイン国王と同国政府、バチカンのカトリック教会は謝罪すべきだと述べた。その上で、スペインと教会は「われわれから寛容な態度を受けるのに値するが、それだけではなく、彼らの信仰や文化を冒涜(ぼうとく)する行為を二度としないと誠実に公約してしかるべきだ」と強調[76]
  • アルジェリアフランス「フランスによる植民地支配」2017年7月5日、アルジェリアのアブデルアジズ・ブーテフリカ 大統領は、132年にわたってアルジェリアを植民地支配したフランスからの謝罪を要求。[77] 2020年7月4日にはアブデルマジド・テブン大統領がフランスからの謝罪を「待っている」と表明。[78]
  • 仏領ポリネシアフランス 2021年7月27日「1966年~96年に実施した193回の核実験」。タヒチ島を訪れたマクロン大統領は「フランスは核実験を繰り返してきたという借りがある」と演説。実験情報の開示や補償に向けた健康調査の加速を約束するも、謝罪は口にせず。[79]
  • ジャマイカ→イギリス 2022年3月22日英王室が関与した奴隷貿易」ジャマイカの首都キングストンでデモ隊が集結、ウィリアム王子とキャサリン妃の公式訪問に抗議し、奴隷貿易への賠償と謝罪を要求する。[80]

文化財の返還

脚注

注釈

  1. この際の負傷がもとで後に1人が死亡したことにより、最終的に死者14人になった。
  2. イギリスは「韓国はベトナムに謝罪すべきだ。」と訴えている。ベトナム政府は謝罪を要求していないが、ベトナム人被害者らが謝罪を要求している。

出典

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関連項目

外部リンク

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