熊野神社 (滑川町)

熊野神社(くまの じんじゃ)は、埼玉県比企郡滑川町福田に位置する神社。紀伊国牟婁郡の熊野速玉大社の分社。江戸時代初期から伝わる下福田ささら獅子舞[1]が、7月の夏の大祭と10月の秋の大祭に奉納される。

熊野神社(滑川町)
埼玉県比企郡滑川町福田の熊野神社
所在地 埼玉県比企郡滑川町福田1734番地
位置 北緯36度2分39.5秒 東経139度20分56秒
主祭神 伊弉冉命(いざなみのみこと)
事解男命(ことさかのおのみこと)
速玉男命(はやたまのおのみこと)
社格等 村社
創建 貞享元年(1684年)
例祭 4月15日(春の祭典)
7月15日(夏の大祭)
10月17日(秋の大祭)
12月25日(大祓祭)

歴史

祭神は、 伊弉冉命、事解男命、速玉男命の三柱で、熊野三所権現像が内陣に奉安されている。これらの像は、付近の分山から切り出された石材で作られており、宮本倭蔵と称する石工の銘がある。倭蔵は、越後国から寛政期(1989-1801)頃に福田村に移住してきた人といわれている。

『新編武蔵風土記稿』には、この熊野神社はかつて下福田地内にあった天台宗普光寺が別当寺であると記載されている[2]。また、普光寺の開山賢意の寂年が貞享元年(1684年)である[2]ことから、熊野神社が地域の鎮守として勧請されたのも同時期であると推定されている。

明治元年(1868年)の神仏分離令により別当であった普光寺の管理下を離れ、明治4年(1871年)に村社となった。大正2年(1913年)には福田地内の伊勢神社、八雲神社、稲荷神社を合祀した。

信仰

年間の行事は、4月15日の例祭、7月15日の夏祭り(天王様)、10月17日の秋祭り(秋のお日待)、12月25日の大祓。

例祭は無病息災を祈願する祭りで、氏子区域の四つの集落からそれぞれ大きな盤台に「でんぐ団子」を盛って持ち寄り供える。この風習は各集落2名の用番が各戸から米を2合ずつ集めてこしらえ祭典後に、団子を参詣者に配っていた[3](現在は実施していない)。昭和初期頃までは、日照りが続くと上福田と下福田双方のささら獅子舞が、上福田にある浅間神社の舞庭でささらをすりあって奉納し、雨乞いをしていた[4](現在は浅間神社に奉納される上福田ささら獅子舞は休止されている)。

夏祭りは八雲神社の祭礼、天王様と呼ばれる悪病除けで、地内に疫病が入らないように祈願する祭りである。

夏と秋の祭りに国家安康、五穀豊穣、子孫繁栄や氏子安穏などを祈願して奉納される三匹獅子舞は、下福田のささら獅子舞と呼ばれる風流系一人立ち三匹獅子舞[5]で、地域の人々に親しまれている[6]。下福田のささら獅子舞は、滑川町に五つあった獅子舞のうち、江戸時代初期に始まり現在に至るまで、途切れることなく舞い続けている唯一の獅子舞[1]で、滑川町の無形民俗文化財[7]に指定されている。

動画

  • 埼玉県比企郡滑川町『下福田のささら獅子舞』 : YouTubeの動画リスト
  1. 下福田のささら獅子舞(前庭)
  2. 下福田のささら獅子舞(後庭)

リンク

脚注

  1. 滑川村史 民俗編. 滑川村. (1984)
  2. 新編武蔵風土記稿.
  3. 新編武蔵風土記稿巻ノ194比企郡ノ9「福田村」. 内務省地理局. (1884-06)
  4. “かるたから郷土を知る~雨乞いに浅間神社の池の水~”. 広報なめがわ12月号. (2016). https://www.town.namegawa.saitama.jp/material/files/group/2/44838136.pdf.
  5. 笹原亮二 (2001). “三匹獅子舞の分布”. 国立民族学博物館研究報告 26: 171-236.
  6. 滑川町役場 主なお祭り.
  7. “指定文化財一覧”. 滑川町. 2020年1月1日閲覧。

参考文献

  • 滑川町史
  • 埼玉の神社(埼玉県神社庁)
  • 三匹獅子舞の分布.笹原 亮二.国立民族学博物館研究報告.2001年
  • 「福田村」『新編武蔵風土記稿』 巻ノ194比企郡ノ9、内務省地理局、1884年6月。NDLJP:764006/91。
  • “主なお祭り”. 滑川町役場 公式ホームページ. 2019年11月29日閲覧。
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