猿猴
猿猴(えんこう)は広島県及び中国・四国地方に古くから伝わる伝説上の生き物。河童の一種。
一般的にいう河童と異なるのは、姿が毛むくじゃらで猿に似ている点である。金属を嫌う性質があり、海又は川に住み、泳いでいる人間を襲い、肛門から手を入れて生き胆を抜き取るとされている。女性に化けるという伝承もある。本来、猿猴とは、猿(テナガザル)と猴(マカク)の総称で、サルのことである。
各地の猿猴
土佐
『土佐近世妖怪資料』によると、3歳ほどの子供のようで、手足は長く爪があり、体はナマズのようにぬめっているという[1]。文久3年(1863年)に土佐国(現・高知県)で生け捕りになったとされる猿猴は、顔は赤く、足は人に似ていたという。手は伸縮自在とされる[2]。ある男が川辺に馬を繋いでいたところ、猿猴が馬の脚を引いて悪戯をするので、懲らしめようと猿猴の腕を捻り上げたが、捻っても捻ってもきりがなく、一晩中捻り続ける羽目になったという[1]。
民俗学者・桂井和雄の著書『土佐の山村の妖物と怪異』によれば、土佐の猿猴は市松人形に化けて夜の漁の場に現れ、突くとにっこり笑うという[2]。
人間の女を犯すこともあるという。猿猴が人に産ませた子供は頭に皿があり、産まれながらにして歯が1枚生えているといい、その子供は焼き殺されたという[2]。
脚注・出典
- 人文社編集部『ものしりシリーズ 諸国怪談奇談集成 江戸諸国百物語 西日本編』人文社、2005年、50頁。ISBN 978-4-7959-1956-3。
- 村上健司『妖怪事典』毎日新聞社、2000年、66-67頁。ISBN 978-4-620-31428-0。
- 『妖怪事典』210頁。
- 地域の活性化やコミュニティづくりなどのまちづくり 猿猴川河童まつり(南区) (広島市内)2008年2月9日閲覧
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