計算機プログラムの構造と解釈

『計算機プログラムの構造と解釈』(Structure and Interpretation of Computer Programs。原題の略称SICPがよく使われる)は、1985年にMIT出版から刊行された、計算機科学分野の古典的な教科書。著者はマサチューセッツ工科大学 (MIT) の教授ハル・アベルソンとジェラルド・ジェイ・サスマン、ジュリー・サスマン。かつてMITコンピュータ科学科の6.001として知られるプログラミングの入門講義で使われていた[1]。第2版(ハードカバー版 ISBN 0-262-01153-0、ペーパーバック版 ISBN 0-262-51087-1)が1996年に刊行された[2]。計算機科学の古典として広く認められている。

表紙に魔術師が描かれているため魔術師本(Wizard Book)としても知られ、まれに表紙の色をとって紫本(Purple Book)とも呼ばれる。

プログラミング言語LISPの方言Schemeが用いられ、抽象化、再帰、インタプリタ、メタ言語的抽象といった計算機科学の概念の真髄が説明されている。

第二版の和田英一による日本語訳(ISBN 978-4894711631)がピアソン桐原から2000年2月に発売された[3][4]。2013年8月にピアソン桐原が撤退し絶版になり、和田はHTML版を公開した[5]。和田は一時MIT助教授であったため、著者の一人ジェラルド・サスマンとは知り合いである。全体的に訳が古めかしいという不評も一部にある。その後2014年5月に翔泳社より再版されている[6]。

評価

出版後短期間のうちに米国や世界各地の学校で最初の講義に使われるようになった[7]。MIT Press の Bob Prior によればSICPは最初の5年で4万5000部売れた[7]。

Philip Wadler はSICPがSchemeを採用したことを1987年に批判したが関数型を重んじた点は評価した[8][9]。

影響

SICPは計算機科学教育に大きな影響を与え、のちの数多くの教科書がその体裁に刺激を受けた。

  • Structure and Interpretation of Classical Mechanics(通称SICM)は、ジェラルド・ジェイ・サスマンによる、Schemeを使ったもう一つの教科書。
  • How to Design Programs(通称HtDP)は、SICPと同様のアイディアを数多く盛り込んだ、より取っ付きやすい初等的な教科書。
  • Essentials of Programming Languagesは、プログラミング言語の講義の教科書。
  • Concepts, Techniques, and Models of Computer Programmingは、Schemeを利用せずにインタープリタベースの学習を採用した最近の教科書。

関連項目

脚注

書籍

  • 『プログラムの構造と実行』、H. エーベルソン(著)、G. J. サスマン(著)、元吉文男 (訳) 、マグロウヒル出版、1989年 上巻:ISBN 978-4895012935 下巻:ISBN 978-4895012942。本書の第一版の和訳である。
  • 『計算機プログラムの構造と解釈 第二版』、ジェラルド・ジェイ サスマン (著) 、ハロルド エイブルソン (著) 、ジュリー サスマン (著) 、和田英一 (訳) 、ピアソン・エデュケーション、2000年 ISBN 978-4894711631
  • Structure and Interpretation of Computer Programs Second Edition, Harold Abelson, Gerald Jay Sussman, Julie Sussman, Mit Press, 1996, ISBN 978-0262510875

外部リンク

書籍

MITでの講義

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