湿布
湿布(しっぷ)とは、ある程度の水分を含んだ布を意味し、主に物に効果を与えるために貼って用いるものである。
医薬品としての湿布
大別すると、温湿布と冷湿布の2種類に分けられる。主に筋肉の緊張を和らげる目的で用いられる他、打ち身・ねんざや皮膚病などの治療のために使用されるものもある。水分が多いため肌への密着度が高く、薬効成分が効率的に浸透する。布の部分はその薬部分を保護して貼ったままでの活動を容易にし、長時間の保持にも役立つ。
古くには、馬肉のスライスが打ち身などに効く湿布として用いられたり、練った生薬を布に塗布して肌に貼ったりしている。現代でもそれは行われているが、市販品としては腰痛や肩こり・筋肉痛の緩和のための湿布薬が普及している。
素材面からみると「パップ剤」と「テープ剤(さらに薄いものをプラスター剤と呼ぶ)」に分けられる。詳細は外用薬#貼付(ちょうふ)剤を参照のこと。
欧米では、痛みには飲み薬が処方されることが一般的であり、湿布は用いられても薬扱いされていないことが多い[1]。
冷湿布と温湿布
- 冷湿布(英: Cold Patch):主に炎症・痛みの抑制・治療を狙ったもの。筋肉痛や肩こりなど、急性の痛みの緩和に効果的。冷却成分はカンフルやメントール、ハッカ油など。皮膚の冷感点を刺激する。受容体レベルでは、TRPM(transient receptor potential ion channels、Mはメラスタチン反応性より)受容体が関与しているものと思われる。
- 温湿布(英: Thermal Patch、英: Heat Patch):主に血行の改善を狙ったもの。単純に温度を高くしたものから、トウガラシエキス(カプサイシン)、ノニル酸ワニリルアミドなどを含んだものもある。皮膚の温感点を刺激することから、慢性疾患あるいは腫脹緩解後の炎症性疾患に用いられる。温度もカプサイシンも、TRPV受容体 (transient receptor potential protein vanilloid receptor) を刺激し、効果を発揮しているものと思われる。カプサイシンを用いたものによる除痛作用は、受容体への反復刺激によるダウンレギュレーションが関与しているとも言われる。
使用上の注意
製品にもよるが大人用の湿布は子供に使用してはいけない。効果が強すぎて肌がかぶれ、剥がせなくなってしまうためである。特にインドメタシンの成分の湿布には注意する必要がある。
脚注
- 来年から湿布薬の処方枚数に制限~欧米では使われない不思議な薬ヘルスプレス(2015年12月28日)
- 平成28年度医療報酬改定-1処方につき70枚の制限やさしい薬の説明書 2017年1月22日閲覧
- 『ロキソプロフェンナトリウムテープの添付文書』 (特に、副作用、ならびに、高齢者への使用の節を参照のこと)
- https://www.min-iren.gr.jp/?p=26791
- https://www.mhlw.go.jp/www1/kinkyu/iyaku_j/iyaku_j/anzenseijyouhou/276-1.pdf
- 読売新聞2015年8月18日朝刊第13版10経済
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