質量減衰係数
質量減衰係数(しつりょうげんすいけいすう、英;Mass Attenuation Coefficient、質量吸収係数(英;mass absorption coefficient)とも呼ばれる)とは、物質の(単位厚さではなく)単位質量あたりの減衰係数である。
物質が光(可視光・放射線)・音・粒子をどの程度減衰するかを示す。
質量減衰係数のSI単位は、キログラムあたりの平方メートル(m 2 / kg)である。他の一般的な単位には、cm 2 / g(X線質量減衰係数の最も一般的な単位)およびmL・g -1・cm -1(溶液化学で用いられる)がある。
定義
質量減弱係数は次の式で表される。
ここで、
- μ は線減弱係数
- ρは密度
減衰された後の電磁波などの強度はランベルト・ベールの法則より次の式で表される。
は物質の質量厚さと呼ばれる概念でkg/m2の単位を持つ。[1]
吸収断面積との変換
質量減弱係数を用いて吸収断面積は次の式で表される。
ここで、
- は質量減弱係数
- はモル質量
- はアボガドロ定数
X線とガンマ線

原子番号が1〜100まで、光子エネルギー1keVから20MeVまでの質量減衰係数。不連続になっている部分は吸収端による。
放射線、特に高エネルギーの電磁波(X線、ガンマ線)の質量減衰係数は、原子番号が大きい(高Z材料)ほど大きい。
特に100keV以下のX線においては高Z材料の減衰係数は非常に大きい。100keVでは鉛は鉄の14倍も質量減衰係数が高い。[2]一般にX線の遮蔽に鉛を用いるのはこのためである。
ただし光子のエネルギーが大きいほど減衰係数は低下する。500keVのガンマ線では鉛は鉄の1.8倍程度しか質量減衰係数が高くならない。
1MeV以上の高エネルギーガンマ線になると原子番号を大きくても大して減衰係数は変わらない。[3]
脚注
- “質量減衰係数 - ATOMICA -”. atomica.jaea.go.jp. 2022年7月26日閲覧。
- “What is Shielding of Gamma Radiation - Definition” (英語). Radiation Dosimetry (2019年12月14日). 2022年7月30日閲覧。
- “6-2-1-8 γ線と物質との相互作用|JEMIMA 一般社団法人 日本電気計測器工業会”. www.jemima.or.jp. 2022年7月30日閲覧。
- “電子対生成 - ATOMICA -”. atomica.jaea.go.jp. 2022年7月30日閲覧。
- 信吉, 大谷 (1962). “放射線と遮蔽塗料”. 色材協会誌 35 (12): 575–585. doi:10.4011/shikizai1937.35.575.
外部リンク
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