酉陽雑俎
概要
書名にある「酉陽」は地名で、現在の湖南省沅陵県の小酉山のふもとをさす。そこに書1000巻を秘蔵した穴が存在するという伝承に則っている。
内容は、神仙や仏菩薩、人鬼より、怪奇な事件や事物、風俗、さらには動植物に及ぶ諸事万般にわたって、異事を記しており、中国古典文学の小説あるいは随筆中においてその広範さは一、二を争う。魯迅の愛読書であり、南方熊楠はプリニウスの『博物誌』と名を比した書としても知られる[2][3]。例えば、継子いじめ譚である「葉限」の話はシンデレラと共通性が高い。
インドやペルシアなどの海外に関する伝聞も多く記されている。例えば撥抜力国は西南海中(西アジア・中近東)にあって「象牙と阿末香(龍涎香)」を産すると記され、現在のソマリアのベルベラ地方を指すとされる[4]。
テキストの伝世に関しては、不明な点が多く、後集10巻の中には、明代の遺文を蒐集した部分が少なからず含まれるとされる[5]。
君が代 との関係
ある寺に置かれた拳ほどの石が、巨石になったとする伝説を載せる。これは、日本国国歌「君が代」の由来とされる。
- 古今集巻第七賀歌343
- わが君は千代に八千代にさざれ石のいわほとなりて苔のむすまで
の原案ともなったとされ、君が代との関係が指摘される[8]。
関連文献
脚注
- 今西凱夫・小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)『酉陽雑俎』 - コトバンク
- 岡本綺堂 1994, pp. 4–5.
- 曾雪梅 & 段成式 2018.
- 東洋文庫版による。
- 曾雪梅 & 段成式 2018, pp. 380–381.
- 唐詩選. 岩波文庫. (2000年10月16日)
- 酉陽雑俎 1. 平凡社東洋文庫. (1980年7月). p. 7
- 高田祐彦 訳注『新版 古今和歌集』角川文庫、平成21(2009)年6月 初版、175頁。
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