門前の大岩

門前の大岩(もんぜんのおおいわ)は、和歌山県日高郡由良町門前にある国の天然記念物に指定された岩の露頭である[1][2]

門前の大岩。2018年9月22日撮影。

中生代ジュラ紀に属する砂岩[3][4]、および鳥巣層と呼ばれる石灰岩[1][2]の中に、ウニの一種であるシダリス化石が多数含まれていることから、1935年昭和10年)12月24日に国の天然記念物に指定された。

解説

門前の大岩の位置(和歌山県内)
門前の大岩
門前の大岩
門前の大岩の位置
天然記念物指定の石碑。2018年9月22日撮影。
門前の大岩からの眺め。紀勢本線国道42号線が並走している。2018年9月22日撮影。

門前の大岩の所在地は紀伊水道に面した和歌山県中西部の日高郡由良町の門前地区である。門前という地名は当地に所在する臨済宗妙心寺派寺院興国寺の門前に位置することから名づけられており、付近一帯はJR紀勢本線国道42号線が並走する紀伊半島の交通の要所である。周辺の山腹はミカン栽培が盛んであり、門前の大岩もミカン畑が点在する標高約100メートル付近の急斜面に位置している[4]

天然記念物に指定された露頭は藪に囲まれていたが、近年、由良町教育委員会の保全活動により、下を通る国道からも見ることができる。岩の大きさは高さ約18メートル、幅は東西約22メートル、南北約18メートル[5]2012年平成24年)に和歌山県が作成した『和歌山県レッドデータブック』によれば、門前の大岩は中紀層群由良層の泥岩優勢層に挟まれたジュラ紀の鳥巣式石灰岩で、ウニの一種であるシダリス化石だけでなく、サンゴ層孔虫の化石も多く含まれているという[6]

シダリスとは中生代に熱帯の海に住んでいたウニの一種で、門前の大岩の岩中には長さ2cmほどのシダリスの棘の化石が見られる。シダリスの化石は日本国内で数ヶ所しか確認されていない貴重なもので[4]、ジュラ紀の鳥の巣層群の地質時代を決定する標準化石としても知られている[3]

シダリスの化石はウメの核に、形も大きさもよく似ているため、地元の人々からは「梅干し」と呼ばれており[3]、かつては門前の大岩の表面にその化石が浮き彫りのように現れていたが、今日では目に付きにくくなってしまったという[4]

交通アクセス

所在地
  • 和歌山県日高郡由良町門前1065-2[7]
交通

脚注

  1. 門前の大岩(国指定文化財等データベース) 文化庁ウェブサイト、2018年10月6日閲覧。
  2. 門前の大岩(文化遺産オンライン) 文化庁ウェブサイト、2018年10月6日閲覧。
  3. 品田(1995)、pp.982-984。
  4. 安藤(1982)、p.49。
  5. 和歌山県高等学校社会科研究協会(2009)、p.177。
  6. 吉松(2012)、pp.402-403。
  7. 由良町における指定文化財一覧 由良町ホームページ 2018年10月6日閲覧。

由良町の文化財第48号  由良町の文化財第49号

参考文献・資料

  • 加藤陸奥雄他監修・品田穣、1995年3月20日 第1刷発行、『日本の天然記念物』、講談社 ISBN 4-06-180589-4
  • 安藤精一編、1982年5月1日 初版発行、『和歌山県の文化財 第三巻』、清文堂出版 ISBN 4-7924-0149-6
  • 和歌山県高等学校社会科研究協会編、2009年5月25日 第1刷発行、『和歌山県の歴史散歩』、山川出版社 ISBN 978-4-634-24630-0
  • 保全上重要なわかやまの自然 Red Data Book of Wakayama Prefecture 2012年改訂版 (PDF). 和歌山県環境生活部環境政策局環境生活総務課自然環境室 (地質・地形)吉松敏隆. 和歌山県 (2012年3月). 2018年10月6日閲覧。

・令和2年度刊行 由良町の文化財第48号 ・令和3年度刊行 由良町の文化財第49号

関連項目

外部リンク

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