集中と統一

集中と統一[6]カタルーニャ語: Convergència i Unió [kumbəɾˈʒεnsiə i uniˈo] クンバルジェンシア・イ・ウニオCiU)は1978年に設立され2015年に解体したカタルーニャ民族主義を掲げるスペインカタルーニャ州の政党連合。リベラリズム中道主義理念を主唱するカタルーニャ民主集中キリスト教民主主義理念を基盤とするカタルーニャ民主連合によって構成された。

 カタルーニャ州の政党連合
集中と統一

Convergència i Unió
Convergencia y Unión
党首 アルトゥール・マス(CDC)(職名:Presidente)
書記長 ジュゼップ・アントーニ・ドゥラン・イ・リェイダ(UDC)
創立者 ジョルディ・プジョル
創立 1978年
解散 2015年6月17日[1]
合併元 カタルーニャ民主集中(CDC)、カタルーニャ民主連合(UDC)
本部所在地 バルセロナ
政治的思想 カタルーニャ民族主義
カタルーニャ独立主義[2]
自由主義[2]
キリスト教民主主義
政治的立場 中道右派[3][4]
国際連携 欧州自由民主改革党(CDC)
欧州人民党(UDC)
公式カラー     オレンジ
   
国会下院議席
16 / 350
国会上院議席
11 / 264
自治体議会議席
3,333 / 9,069
公式サイト
CiU
スペインの政治
スペインの政党一覧
スペインの選挙
カタルーニャ州の政治
カタルーニャ州の政党一覧
カタルーニャ州の選挙
カタルーニャ民主集中(CDC)とカタルーニャ民主連合(UDC)による政党連合
自治体議会データは内務省ホームページ[5]より

歴史

1980年 - 2003年:ジョルディ・プジョル時代

集中と統一は1980年から2003年にかけてジョルディ・プジョル州首相の下、カタルーニャ州政府を動かしてきた;そのうち1984年、1988年、1992年からの3期は州議会において絶対多数で、1980年、1985年、1999年、2003年からの4期は議会第一党であった。しかし、1999年と2003年は議席数ではCiUが第一党であったものの得票数ではカタルーニャ社会主義者党(PSC)が最多票数を獲得した。

この間CiUは、民主化移行期(プジョルは自治州よりなるスペイン国家建設のキーパーソンの一人であった[7])のアドルフォ・スアレス政権から[7]、1993年のスペイン社会労働党(PSOE)のフェリーペ・ゴンサーレス政権[8]、1996年の総選挙での国民党(PP)の勝利の後のホセ・マリア・アスナール少数単独政権(es:Pacto del Majestic参照、この時の協定ではカタルーニャ議会においてのカタルーニャ国民党の支持と引き換えであった)まで、マドリードのスペイン中央政府に協力的な態度を示していた[9]。この時期の党の戦略に対応したプジョルの自治についての見解は次のようなものであった:

"[自治は]制度的に人々に力を近づける目的で、固有である方法の意思を認める必要性に答えるものである。スペインの国民は多様であり、その自治も多様でなければならない。[...][カタルーニャ]は民主主義、進歩、そして全スペインの平和に重要な形で寄与した道徳的力を有しており;またしばしば一般的な利益の名においてその要求の重要な局面を繰り延べてきた。"[7]

2001年プジョルの後継者に選出された、つまり自治州政府首班の職責を負ったアルトゥール・マス[10]は徐々に政党連合内でその指導力を増していった。この指名は例えばUDCの党首であるドゥラン・イ・リェイダなど他の人々もその地位を望むようになるなど、CiU内の危機を広げていった[10]

2003年 - 2010年:野党時代

23年間政権与党としてカタルーニャの政治をけん引してきたCDCにとって2003年の選挙カタルーニャ社会主義者党(PSC)、カタルーニャ共和主義左翼(ERC)、カタルーニャ緑のためのイニシアティブアスケーラ・ウニーダ・イ・アルタルナティーバ(ICV-EUiA)の3党による連合体によるカタルーニャ3党連立政権(Tripartito catalán)を誕生させるという最悪の結果となった。そして2006年の選挙においてもこのことは繰り返された。

第一次3党連立政権期に「3%問題」が表面化し、当時のパスクアル・マラガイ首相は州議会での討議で次のように主張した:

"...我々は問題の核心に到達した:あなた方は一つの問題をもっており、それは3%問題である。"[11]

このことは一大騒動を巻き起こしたが、最終的にマラガイは新自治憲章案に対するCiUの支持を失わないためにその問題についての非難の矛先を納めることを余儀なくされ、同憲章は最終的に2006年に可決された[11][12]

2010年 - 2015年:政権復帰と独立への転回

2010年11月28日州議会選挙でCiUは大躍進し、議席の46%(62議席)を獲得、自治州政権に返り咲いた。

2012年9月11日バルセロナでのディアーダのデモ行進。

経済そしてマドリード中央政府との関係の悪化の中、マスとCDCの他の指導者はカタルーニャの自決権へ向けてCDCの独立主義へと大きく舵を取った。いくつかの資料によるとこの政策の転回には汚職や不正資金問題などの多くのスキャンダルから目をそらせる意図があり[13]、CiUはそこに関与しているとされた[14]

多くの市民が参加した歴史的な2012年9月11日の独立デモ後の9月25日[15]アルトゥール・マスは、カタルーニャのための税制協定の取りまとめの失敗の後(スペイン首相マリアーノ・ラホイとの会談において協定締結に至らなかった)、独立への環境整備としての選挙の実施のため[16][17]、まだ任期を2年残している州議会を解散、前倒しして選挙を11月25日に行うことを発表した。選挙結果は前回選挙を12議席下回る50議席の獲得で、カタルーニャ独立の唯一の先導者となるというCiUの作戦は失敗に終わった[18]。アルトゥール・マスは9月27日の選挙前の混乱・騒動を先導した罪に問われ、逮捕されるのではといううわさが駆け巡った。そしてジョルディ・プジョルの資産形成に関わる事件への関与が取り沙汰された。

2015年:政党連合の危機そして解体

UDCの執行部とCDCの代表アルトゥール・マスの独立のためのプロセスに対する考え方の違いが2015年6月14日のUDCの党員協議会で表面化した。そこでは、もしUDCが独立プロセスに関わり続けるのなら一定の条件が必要であるとされ、一方的な独立宣言は法的に違反するものではない、そして憲法制定プロセスを進めるべきであると述べられた[19][20]。しかしCDC、ERC、そしてその他の機関が合意し署名した工程表はそれとは逆のものであった。UDCの党員たちは50.9%で党執行部の決定を支持した[21]。その後UDCとCDCの執行部間で会談がもたれ、CDCはUDCに対して、独立工程表に加わるのか加わらないのかについて2、3日以内に決定を求める内容の最後通告を突き付けた[22]

6月17日水曜UDCの州政府閣僚委員会の後、同党より選出されていた3人のカタルーニャ自治政府閣僚が辞任、政権を離脱した。ただし任期中(2016年まで)は州議会(CDCとの)会派は維持するとした[23]。同日夜CDCの全国執行委員会は緊急会合を開き、翌日記者会見でUDCとCDCは次期州議会選挙において共闘しての参加をしないことと、政党連合CiUプロジェクトが終わったことを発表した[24]

選挙結果

スペイン下院議会選挙

選挙年 首相候補者 得票数 得票率 獲得議席/議席定数 順位
1979年ジョルディ・プジョル483,3532.69%
8 / 350
5
1982年ミケル・ロカ772,7263.67 %
12 / 350
5
1986年ミケル・ロカ1,014,2585.02 %
18 / 350
4
1989年ミケル・ロカ1,032,2435.04 %
18 / 350
5
1993年ミケル・ロカ1,165,7834.94 %
17 / 350
4
1996年ジュアキン・ムリンス1,151,6334.60 %
16 / 350
4
2000年シャビエル・トリーアス970,4214.19 %
15 / 350
3 *
2004年ドゥラン・イ・リェイダ835,4713.23 %
10 / 350
3 *
2008年ドゥラン・イ・リェイダ774,3173.05 %
10 / 350
3 *
2011年ドゥラン・イ・リェイダ1,014,2634.17 %
16 / 350
3 *

* 2000年、2004年、2008年、2011年選挙での議会第三党は議席数についてのみ。

カタルーニャ自治州議会選挙

選挙年 州首相候補者 得票数 得票率 獲得議席/議席定数 順位
1980年ジョルディ・プジョル752,94327.68%
43 / 135
1
1984年ジョルディ・プジョル1,346,72946.80%
72 / 135
1
1988年ジョルディ・プジョル1,232,51445.72 %
69 / 135
1
1992年ジョルディ・プジョル1,221,23346.19 %
70 / 135
1
1995年ジョルディ・プジョル1,320,07140.95 %
60 / 135
1
1999年ジョルディ・プジョル1,178,42037.70 %
56 / 135
1 *
2003年アルトゥール・マス1,024,42530.94 %
46 / 135
1 *
2006年アルトゥール・マス928,21231.52 %
48 / 135
1
2010年アルトゥール・マス1,198,01038.47 %
62 / 135
1
2012年[25]アルトゥール・マス
50 / 135
-12

* 1999年、2003年の選挙では総得票数では第2位であったが、議席数では第一党となった

自治体選挙

選挙年 得票数 スペイン全体 カタルーニャ州 代表
得票率 獲得議席/議席定数 得票率 獲得議席/議席定数
1979年 504,832 3.1 %
1,756 / 67,505
19.0 %
1,756 / 8,223
ジョルディ・プジョル
1983年 747,677 4.2 %
3,215 / 67,312
25.6 %
3,215 / 8,199
ジョルディ・プジョル
1987年 1,004,115 5.2 %
4,350 / 65,577
33.0 %
4,350 / 8,186
ジョルディ・プジョル
1991年 915,291 4.9 %
4,360 / 66,308
33.4 %
4,360 / 8,328
ジョルディ・プジョル
1995年 973,498 4.4 %
4,240 / 65,869
30.1 %
4,240 / 8,426
ジョルディ・プジョル
1999年 774,074 3.6 %
4,089 / 65,201
26.5 %
4,089 / 8,497
ジョルディ・プジョル
2003年 789,871 3.4 %
3,687 / 65,510
24.3 %
3,687 / 8,690
ジョルディ・プジョル
2007年 723,325 3.3 %
3,387 / 66,131
25.2 %
3,387 / 8,932
アルトゥール・マス
2011年 778,551 3.5 %
3,865 / 68,230
27.1 %
3,865 / 9,132
アルトゥール・マス
2015年 668,892 3.0 %
3,333 / 67,611
21.5 %
3,333 / 9,069
アルトゥール・マス

脚注

  1. La ruptura de CiU da vía libre a Mas para volcarse en su plan soberanista (スペイン語). El País (2015年6月18日). 2015年8月31日閲覧。
  2. Parties and Elections in Europe Spain (英語). Parties & Elections. 2015年10月3日閲覧。
  3. El análisis Se impone la lógica de centro-derecha (スペイン語). La Razón (2011年6月12日). 2015年10月3日閲覧。
  4. Jordi Hereu: "Mi adversario es el centro derecha" de CiU (スペイン語). El País (2011年2月6日). 2015年8月31日閲覧。
  5. Consulta de Resultados Electorales, Municipales / Mayo 2011, C.A.Catalunya (スペイン語). Gobierno de España, Ministerio de Interior, Subsecretaría Dirección General de Política Interior. 2011年11月24日閲覧。
  6. この政党連合の名称は、構成する2党のカタルーニャ民主集中(Convergència Democràtica de Catalunya)とカタルーニャ民主連合(Unió Democràtica de Catalunya)の原語表記の1語目、"Convergència"(集中)と"Unió"(連合)を英語の"and"に相当する"i"でつないだ"Convergència i Unió"であるので、日本語訳名はそれぞれの日本語訳名称から「集中と連合」となるのが自然であるが、日本では慣用的に「集中と統一」の名称が使われている。また意訳的な「カタルーニャ同盟」という名称で言及されることもある。
  7. Pujol se despide (スペイン語). Los Dossieres, El Siglo (2003年11月3日). 2015年10月2日閲覧。
  8. Pujol afirma que la gobernabilidad de España sólo es posible con el PSOE (スペイン語). El País (1994年7月13日). 2015年10月2日閲覧。
  9. Jordi Pujol: del Pacto del Majestic a la Convergència de 'Andreu' Mas (スペイン語). El País (2012年2月16日). 2015年10月2日閲覧。
  10. Mas: el 'delfín' de Pujol curtido en 7 años de oposición (スペイン語). La Vanguardia (29 de noviembre de 2010). 2015年10月2日閲覧。
  11. Maragall atribuye a CiU el supuesto cobro de comisiones "del 3%" en la obra pública (スペイン語). La Vanguardia. 2015年10月3日閲覧。
  12. Maragall y Mas expresan la "voluntad común" de llegar a acuerdos (スペイン語). La Vanguardia (2005年5月31日). 2015年10月3日閲覧。
  13. Unió admite que se financió ilegalmente con fondos de la Unión Europea (スペイン語). El País (2013年1月9日). 2015年10月2日閲覧。
  14. CiU tapa sus escándalos de corrupción con el proyecto independentista”. La Marea. MásPúblico (2012年10月6日). 2015年10月2日閲覧。
  15. El clamor independentista colapsa Barcelona (スペイン語). El Mundo (2012年9月11日). 2015年10月2日閲覧。
  16. El independentismo de CIU marca el inicio de campaña (スペイン語). Europapress (2012年11月9日). 2015年10月2日閲覧。
  17. CiU lleva al Parlamento la autodeterminación de Cataluña (スペイン語). Libertaddigital (24 de septiembre de 2012). 2015年10月2日閲覧。
  18. Los catalanes castigan el plan de Mas (スペイン語). El País (2012年11月26日). 2015年10月3日閲覧。
  19. Unió consultará a sus militantes para definirse sobre el proceso soberanista (スペイン語). El País (2015年2月21日). 2015年10月3日閲覧。
  20. Unió somete a votación el compromiso con el plan soberanista (スペイン語). El País (2015年6月14日). 2015年10月3日閲覧。
  21. Duran logra un ajustado apoyo para condicionar el plan de Mas (スペイン語). El País (2015年6月14日). 2015年10月3日閲覧。
  22. Mas da tres días a Duran para que decida si apoya la independencia (スペイン語). El País (2015年6月15日). 2015年10月3日閲覧。
  23. Unió sale del Gobierno de Mas como rechazo al plan de independencia (スペイン語). El País (2015年6月18日). 2015年10月3日閲覧。
  24. La ruptura de CiU dóna via lliure a Mas per bolcar-se en el pla sobiranista (カタルーニャ語). El País (2015年6月19日). 2015年10月3日閲覧。
  25. Mas confirma la cita electoral: Catalunya irá a las urnas el 25 de noviembre (スペイン語). La Vanguardia (2012年9月25日). 2012年10月17日閲覧。

外部リンク

CiU (カタルーニャ語)

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