DS (人工衛星)

DSロシア語ДС)とは、1961年から1982年にかけてソビエト連邦によって打ち上げられた一連の小型人工衛星である。目的は軍事から科学観測まで多岐にわたった。ウクライナドニプロペトロウシク(ドネプロペトロフスク)に置かれたOKB-586で開発され、ほとんどが63S1系列のコスモスロケットによってコスモス衛星として打ち上げられた。DSとはドネプロペトロフスク・スプートニク(ロシア語:Днепропетровск Спутник、ラテン文字表記の例:Dnepropetrovsk Sputnik)の略である。

概要

初期のソ連の人工衛星は全て R-7 ミサイル系統のロケットで打ち上げられた。これらは当時としては十分な打ち上げ能力を持っていたが、小型衛星用としては能力過剰だった。そこで小型のコスモス 63S1 ロケットが開発され、それに対応して DS 衛星が製作された。

DS 衛星の多くは直径80cmの円筒の両端を半球状に丸めたような形状をしている。しかし型式によっては、中央の円筒部分のない球形のものや、周囲にパネルを貼り付けられ多面体の外見になったものもあった。内部は窒素で与圧され、ミッションごとに異なる機器を搭載したが、基本構造やバッテリー・テレメトリーなどは共通化された。

最も多く打ち上げられたのはDS-P1-Yu (ДС-П1-Ю) と呼ばれる型式で、レーダー較正用のターゲット衛星として通算72機が運用された。

バリエーション

名称期間成功名称解説
DS-1 -0機打ち上げ失敗ロケットの性能確認、衛星の基本機能の確認。
DS-2 1961年1機コスモス1号球形をしたDS-1の簡略型。
DS-P1 1962年1機コスモス6号球形のレーダー標的衛星。
DS-K8 1963年1機コスモス8号軍事的観測・流星物質の観測。
DS-A1 1962-1965年4機コスモス11 17 53 70号軍事通信の実験・宇宙線放射線帯の観測・核実験の監視。
DS-MG 1964年2機コスモス26 49号姿勢制御技術の習得・地磁気の観測。
DS-MT 1964年2機コスモス31 51号姿勢制御技術の習得・宇宙線の観測。
DS-P1-Yu 1964-1976年72機コスモス36 - 818号球形のレーダー標的衛星。
DS-K-40 -0機打ち上げ失敗ツェリナ衛星のための技術開発。
DS-U2-V 1965-1968年4機コスモス93 95 197 202号軍事技術開発。
DS-U2-M 1965-1967年2機コスモス97 147号原子時計の開発。
DS-P1-I 1966-1977年18機コスモス106 - 919号球形のレーダー標的衛星。
DS-U1-G 1966-1967年2機コスモス108 196号地球大気と太陽活動の関連を調査。
DS-U2-I 1966-1968年3機コスモス119 142 259号電離層超長波電波に与える影響を調査。
DS-U2-MP 1966-1967年2機コスモス135 163号地球周辺の宇宙塵の観測。
DS-U2-D 1966-1968年2機コスモス137 219号地球周辺のイオン流の観測。
DS-MO 1967-1970年2機コスモス149 320号地球大気を利用した姿勢制御システムの実験。
DS-U3-S 1967-1968年2機コスモス166 230号太陽光スペクトルを測定。
DS-U1-A 1968年1機コスモス215号望遠鏡で地球の大気圏を観測。
DS-U1-Ya 1968年1機コスモス225号地球周辺のイオン流と宇宙線の測定。
DS-U2-GK 1968-1970年2機コスモス261 348号大気とオーロラの観測。
DS-U2-GF 1968年1機コスモス262号太陽を観測。
DS-U3-IK 1969-1976年5機インテルコスモス東欧が開発した観測機器を搭載。太陽を観測。
DS-U1-IK 1969-1971年2機インテルコスモス東欧が開発した観測機器を搭載。電離層やイオンを観測。
DS-U2-MG 1970年2機コスモス321 356号地磁気の調査。
DS-U1-R 1970年1機コスモス335号UFのスペクトルの観測。
DS-U2-IK 1970-1975年7機インテルコスモス東欧が開発した観測機器を搭載。電離層やイオンを観測。
DS-U2-IP 1970年1機コスモス378号電離層やイオンの観測。
DS-P1-M 1971-1982年13機コスモス394 - 1375号多面体をした対衛星兵器の標的衛星。
DS-U2-K 1971年1機コスモス426号イオン流や宇宙放射の測定。
DS-U2-MT 1971年1機コスモス461号流星物質やガンマ線の観測。

関連項目

参考文献

  • DS (英語). Encyclopedia Astronautica. 2008年6月11日閲覧。
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