FLOSS

FLOSS(フロス)は、Free/Libre and Open Source Softwareの頭字語であり[注釈 1]自由ソフトウェアオープンソースをまとめて表現する語である[1]。Free/Open Source Software の頭字語を取ってFOSSとも呼ばれる。

FLOSSだけで構成されたデスクトップ画面 (Linux Mint+Xfce+Firefox+GIMP+VLCメディアプレーヤー)

FLOSSという名称の背景

自由ソフトウェアという語は1980年代に、自由ソフトウェア運動の創始者であるリチャード・ストールマンにより創られていた。

他方で、開発者を一般に募ったり、ソフトウェア間でのソースコードの利用を推進したりするという目的において、ソフトウェアのソースコードを開示することに関心をもつ企業などが現れた。しかし、フリーソフトウェア運動は特許権や著作権などの知的財産権による独占を否定する社会変革運動である。そのため、知的財産権による保護に基づいて事業を展開する多くのソフトウェア関連企業や、デバイスドライバの内容を知的財産権によって秘匿しているハードウェア関連企業などにとっては、自由ソフトウェアの概念は容認され得ざるものである。そこで、ソフトウェア開発手法としての概念であるオープンソースという語が1998年に創られた。すなわちオープンソースという概念は、自由ソフトウェアがもつ社会変革思想を措いたものである。したがって、オープンソースの語は、多くの企業に広まり、マスメディアにもしばしば積極的にとりあげられるようになった。

リチャード・ストールマンをはじめとするフリーソフトウェア運動の推進者は、「オープンソースという語は自由ソフトウェアの意図を表していない」として論難し、「自由ソフトウェアと呼ぶべきである」と主張している[2]

その結果、フリーソフトウェアとオープンソースの双方を包括する表現としてFOSS (Free/Open Source Software) やFLOSSが使われるようになっていった。

FOSSとFLOSS

Free/Open Source Softwareという英語頭字語であるFOSSは、時が経つにつれ、より多くの言語で概念を伝えるためにFLOSSとなっていった[注釈 2]。Lは「自由な」を意味するフランス語やスペイン語のlibre、イタリア語のliberoを表す。

また、freeという語が多義であり、Free softwareについては「自由」の意であるのにもかかわらず、「無料」の意と混同されがちである。そのため、自由ソフトウェア支持者はしばしば、「自由」の意を明確にするために、英語ではないもののあえてラテン語(ないしフランス語、スペイン語)のlibreという語を好むことがある(例えばLibreOffice)。

自由ソフトウェアやオープンソースの概念を生み出した陣営はそれぞれの用語を生み出した経緯もあり、FLOSSなどの頭字語を支持する立場ではない。しかし、両陣営間での摩擦を望んでいる訳ではないため、両者の関係を良好にするこの用語を歓迎している。事実、自由ソフトウェアの創始者であるリチャード・ストールマンは、公共の場でもこの頭字語を用いている。とりわけ、研究プロジェクトなどではこの頭字語を使って中立性を保っている[3]

2004年末には、FLOSSという頭字語は、南アフリカ共和国[4]やスペイン[5]、ブラジル[6]を含むいくつかの国の英語での公式文書内で使われている。

脚注

注釈

  1. libreはフランス語で「自由な」の意。
  2. ドイツ語の「自由な」はfreiであるためFOSSにすでに入っている。

出典

  1. Richard Stallman (2016年11月18日). FLOSS and FOSS”. 2018年2月9日閲覧。
  2. リチャード・ストールマン. なぜ、オープンソースは自由ソフトウェアの的を外すのか”. 2021年3月3日閲覧。
  3. Free Software - Free Society!:リチャード・ストールマンとのインタビュー、2004年
  4. Free/Libre and Open Source Software and Open Standards in South Africa: A Critical Issue for Addressing the Digital Divide、National Advisory Council on Innovation(NACI)による。2004年7月。
  5. FLOSS deployment in Extremadura, Spain、Interoperable Delivery of European eGovernment Services to public Administrations, Business and Citizensによる。2003年10月。
  6. Relatório da ONU aponta o Software Livre(FLOSS) como melhor、softwarelivre.orgにて。2004年2月2日

関連項目

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