ゼットエムピー

株式会社ZMP(ゼットエムピー、ZMP Inc.)は、次世代自動車の開発用プラットフォーム「RoboCar(R)」シリーズ、センサ・画像認識ソリューション、大学、企業のエンジニア向け研究用・教育用ロボット等の製造・販売を行っているロボットベンチャー企業である。

株式会社ZMP
ZMP Inc.
種類 株式会社
本社所在地 日本の旗 日本
112-0012
東京都文京区小石川5-41-10
住友不動産小石川ビル[1]
北緯35度43分4.2秒 東経139度44分37秒
設立 2001年1月30日[1]
業種 電気機器
法人番号 1010001126429
事業内容 ロボット、ロボットインフラ事業
代表者 代表取締役社長 谷口恵恒[1]
資本金 1億円(2022年12月期)[1]
売上高
  • 14億7559万6000円
(2019年12月期)[2]
営業利益
  • ▲2億9531万4000円
(2019年12月期)[2]
経常利益
  • ▲1億6387万9000円
(2019年12月期)[2]
純利益
  • ▲9億7528万7000円
(2022年12月期)[3]
総資産
  • 13億9919万8000円
(2022年12月期)[3]
従業員数 49人[4]
決算期 毎年12月31日
外部リンク https://www.zmp.co.jp/

概要

当社は、自動運転技術やロボット開発を研究するベンチャー企業である[4][5]。2016年12月に東証マザーズ市場へ上場する[4]ソニーと提携している[5]ほか、コマツインテルから出資を受け入れるなどの資本提携関係もある[6]DeNAと業務提携していたが、2017年1月、業務提携を解消した[7]

東証マザーズへの上場申請と上場取止め

2015年9月22日ZUUオンラインに「ZMP上場に迫る!自動運転で注目の企業は優良IPO銘柄となりうるのか?」という上場観測記事が掲載される[8]。この記事において、当社は2015年12月~2016年初頭にかけてのスケジュールで上場するという観測がなされた[8]。その後もたびたび上場観測記事が各種メディアで報じられていたが、その報道がなされるたびに、当社と資本・業務提携関係にある会社などの株価が急騰するなどした[9][10][11]

2016年11月11日日本経済新聞に「ZMP、来月中旬マザーズ上場、自動運転の開発加速」とする記事が掲載される[6]。この時点では、まだ上場申請中であることについては非公表であったが、それから3日後の2016年11月14日、12月19日付での東証マザーズへの上場申請が正式に承認された[5][4][6]上場時の主幹事証券会社はSMBC日興証券株主名簿管理人三菱UFJ信託銀行を予定していた[4]

2016年12月期は、当社は3億1300万円の最終赤字[4]を見込んでおり、市場関係者の間では、「この大幅な赤字が、どう業績や株価を評価するかという点で悩ましい」という評価がなされていると報道されていた[12]。この赤字については、自動運転に関係する研究開発費の負担によるものが大半を占めている[12]。これについて、一部のアナリストからは「世界の大手企業と競争していくためには今後も研究開発には注力する必要がある。それだけに、今後も業績の重しとなる可能性も」[12]という指摘もなされている[12]。このような状況において、市場関係者の間では、2014年3月に、今回の当社の上場と同様に赤字決算の中で東証マザーズに上場したサイバーダインの値動き[注 1]に、当社のIPO後の価格推移が類似するのではないかとする見方が多いとされた[12]。当社の発行価格がいくらで決定するかによるが、売買単位は100株であり、想定発行価格を前提にすればIPO時の募集及び売出しに際しては7万円台という、投資家の間では比較的手頃とされる値段になると見込まれていて、そのようなこともあって一斉に同社株に殺到することもあり得る状況とみられていた[12]。それだけに、初値に関しても「想定発行価格の2倍程度の1500円前後、あるいは2.3倍の1700円前後もあり得そう」という見方も市場関係者からは上がっていた[12]。そのような理由から「ZMPは中小型株の新たな中核銘柄となる」との見方も市場関係者の間では多くなされていた[12]

2016年11月17日、上場承認から3日しか経たない中で、「顧客の氏名、勤務先、メールアドレスなどの個人情報9124件が流出した」と発表した[13]。当社側では上場承認がなされた11月14日の段階で、流出の事実を認識していたものの、対象者への連絡は15日に、また流出の事実の開示は17日までそれぞれ遅らせていたことも判明[13]。上場予定先であった東証マザーズ市場を管轄する日本取引所グループは「これまで上場承認を取り消したことはない」とコメントする以外特段の動きは取られていないが、日経産業新聞の報道によれば、ネット上では早くも「上場ゴール」とささやかれていたという[13]。これについて、市場関係者からも、当初「具体的にマイナス材料とはなりにくい」とする声が上がっていたようであるが[14]、11月22日に関東財務局に当社が提出した訂正有価証券届出書には「事業及び業績に影響を及ぼす可能性がある」との見解が示されている[15][16]。なお、本流出に際して、上場申請取消しの要件の一つである反社会的勢力との関係の存在に該当する恐れのある、反社会的勢力への情報流出はなかったことも合わせて公表している[16]

2016年11月29日、仮条件が、1株当たり760円~1040円の間で決定される[17]

2016年12月8日午後、東京証券取引所は「新規上場の承認取消し(マザーズ):(株)ZMP」において、当社から新規上場を取りやめる旨の申し出を受けたため、上場承認を取り消したことを公表[11][18][19]。11月17日に明るみに出た顧客情報流出事件の影響を受けて、ブックビルディング中で公開価格決定間際のタイミングでの上場取り止めとなった[11][18]。この上場承認から上場取り止めに至るまでの流れは、個人投資家を中心とした市場関係者の間に失望感を与えた[11]。なぜなら、個人投資家は、当社に対し今後の需要が見込める技術を開発している企業として期待していたからである[11]。その注目の度合いはというと、2016年に入ると何度となく上場の噂が浮上し、そのたびに投資家が期待のあまり既上場の当社関連銘柄とされる銘柄に投資することで、当該発行会社の株価を押し上げるほどであった[11]。また、2016年12月当時のマザーズ指数は2015年末からほぼ横ばいの水準に停滞していたうえに、12月8日まで6日間続落するという、その当時の日経平均株価や一部上場の大型株などの上昇とは対照的と言えるまでに、市況が悪化していた[11]。そのような中での、マザーズ市場の人気銘柄の一つになると期待されていたZMPの上場は、日本経済新聞が報じたところによると、例えば国内証券のストラテジストからは「マザーズに活況を呼び込む」という期待もあった[11]。しかしながらその一方で、別の国内証券の情報担当者からは、11月17日の顧客情報の流出をきっかけに、「コーポレート・ガバナンス(企業統治)に懸念が残り、機関投資家は買えない」との声も広がっているという声もあがっていた[11]。さらには楽天証券経済研究所の土信田雅之シニアマーケットアナリストからは、当社の事業そのものについても「自動運転分野はすでに夢の技術に期待を寄せる段階から、現実にどの程度収益に結びつくのかを見極める段階に入っている」とする冷静な考えが示されていた[11]。このような中で、上場承認後に上場取り止めを行ったことで、投資家が不信感を抱くことによる市場全体への影響を懸念する声も聞かれているという[11]。実際に、例えば松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストからは「すでに上場審査が終わった後で延期したことで、新規株式公開(IPO)銘柄全般の信頼性に疑問を投げかけかねない」などの批判があがるなどしている[11]

製品

  • 次世代自動車・自動運転の開発用プラットフォーム
  • ヘルスケア
  • ロジスティックス、物流支援ロボット
  • ロボット・移動制御技術のライセンス
  • センサ・画像認識ソリューション
  • リチウムイオン電池システム
  • 大学、企業のエンジニア向け研究用・教育用ロボット

所属団体

  • 日本機械学会
  • ロボットビジネス推進協議会
  • ネットワークロボットフォーラム
  • スマート・コミュニティアライアンス
  • カー・ロボティクス調査研究委員会(自動車技術会及び日本ロボット学会による)
  • 群馬大学次世代EV研究会

脚注

注釈

  1. サイバーダインは、上場日に公開価格に対して約2.3倍の値まで上昇して初値をつけ、その後も堅調に続伸している[12]

出典

  1. 会社概要”. ゼットエムピー. 2023年5月18日閲覧。
  2. 株式会社ZMP 第19期決算公告
  3. 株式会社ZMP 第22期決算公告
  4. E32047:株式会社ZMP S10094QJ:有価証券届出書(新規公開時) EDINET 2016年11月14日15時04分公開 公開日に閲覧
  5. 自動運転のZMP、12月19日上場 東証が承認 日経電子版 2016年11月14日19時27分配信 同日閲覧)
  6. 『ZMP、来月中旬マザーズ上場、自動運転の開発加速』(日本経済新聞 2016年11月11日朝刊 11ページ)
  7. DeNAとZMPの自動運転に関わる業務提携解消のお知らせ DeNAプレスリリース 2017年1月6日
  8. ZMP上場に迫る!自動運転で注目の企業は優良IPO銘柄となりうるのか? (ZUUオンライン 2015年9月22日配信 2016年12月2日閲覧)
  9. 関連銘柄に注目!自動運転のZMP、ついに上場へ 上がった銘柄、下がった銘柄 四季報オンライン 2016年11月15日配信 配信日閲覧
  10. 自動車産業の未来担う「ZMP関連銘柄」(ZUUオンライン 2016年4月30日配信 2016年12月2日閲覧)
  11. 「ZMP、失望招く上場延期 他の新興銘柄に影響も」 (日経速報ニュース 2016年12月8日18:47配信) 配信日に閲覧
  12. 年末IPO“爆裂お年玉”候補株は? ZMP、エルテスなど人気の行方 <株探トップ特集> (株探ニュース 2016年11月28日20時00分配信 2016年12月2日閲覧)
  13. 『IPO注目企業また不祥事――ZMP、誠実さ欠く公表(サーチライト)』(日経産業新聞 11月21日号 19ページ)
  14. 【材料】ZMP関連は総じて堅調なもの多い、ZMP顧客情報流出問題も影響限定的 (株探ニュース 2016年11月21日12時37分配信  配信日に閲覧)
  15. E32047:株式会社ZMP S1009693:訂正有価証券届出書(新規公開時) (EDINET 2016年11月22日09時45分開示 開示日に閲覧)
  16. 「上場予定のZMP、顧客情報の流出、「業績に影響及ぼす可能性」」 (日本経済新聞 2016年11月23日朝刊 12ページ)
  17. E32047:株式会社ZMP S10097O4:訂正有価証券届出書(新規公開時)EDINET 2016年11月29日15時00分開示 同日閲覧)
  18. ZMP、顧客情報流出で上場延期 「厳粛に受け止める」 日経電子版 2016年12月8日19:49配信)
  19. 新規上場の承認取消し(マザーズ):(株)ZMP (日本取引所グループ広報・IR部 東京証券取引所上場部上場手続グループ 連名公表 2016年12月8日) 公表日閲覧

外部リンク

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