土産
土産(みやげ、みあげ、どさん、とさん)は、知人や縁者に配る目的で旅行先などで買い求めるその土地にちなむ品物(進物)。または知人や縁者の家宅など訪問先を訪問する際に感謝を込めて持参する進物のこと。後者の場合は手土産(てみやげ)という言い方もする。旅先で見聞きした物事や体験などを語って聞かせることを土産話(みやげばなし)という。進物であることから丁寧語の接頭辞をつけ、御土産(おみやげ)と称するのが一般的である。

語義
旅行先の土産
販売
いわゆる観光地や、鉄道駅・空港など交通機関のターミナル施設では、土産の専門店が軒を連ねることが多い。土産の製造・販売は地域経済において大きな比重を持っている。
ロンドンが顕著であるが地方の観光地において、土産品をおく市が立つことがある。日本では現地で土産を買えなかったときでも、帰途に新幹線など長距離列車の車内販売を利用すれば沿線の名物を購入できる場合がある。大阪・梅田の地下通路では1951年から2014年3月まで、全国各地の名産販売店が集まる「阪神百貨店ふるさと名産」(開業時の名称は『全国銘菓名物街』[8])が営業していた。実際には行っていない旅先の土産でも買えることから「アリバイ横丁」と呼ばれていた[9]。
先住民観光や文化観光ではホスト(観光地に住む販売者)とゲスト(観光客)として捉えられがちだが、マレーシア・サラワク州では婚姻儀礼で使用する衣装や装飾品を住民が観光客に販売すると同時に、住民たちも観光客向けの店で購入しており単純に二分できる図式にはなっていない[10]。
研究
観光土産やスーベニアに関しては、1990年代以降になり商品の分類や機能、消費傾向と観光形態の関係、販売者と購入者の関係などが研究対象として取り上げられるようになった[7]。
また、文化人類学的な研究にツーリスト・アート(観光芸術)研究があり、観光による手工芸品の商品化などが議論の対象となってきた[7]。ツーリスト・アート(観光芸術)をめぐっては、観光客と地元の住民との間の関係性における文化変容や真正性の消失が議論されてきた[7]。
一方で、世界的にはTシャツやキーホルダーなど大量生産されたものに、観光地の名前や名所が示されて販売される例があり、自らの観光行動の「証明」として機能していると指摘されている[7]。日本ではペナントが流行した時期があった[11]。
比喩
進物全般について土産と称することから、以下の事象についてもこの呼称が用いられる。
脚注
出典
- "土産"はなぜ"みやげ"? - トクする日本語 - NHK アナウンスルーム
- 近代おみやげ考 - 国立歴史民俗博物館学術情報リポジトリ 研究報告第155集.2010年3月pdf
- 『広辞苑』第6版「みやげ【土産】」
- 『諸橋大漢和』巻3 p.112「土産」
- 『広辞苑』第6版「どさん【土産】」
- 家苞に貝そ拾へる浜波はいやしくしくに高く寄すれど 大伴家持、万葉集 http://manyo.hix05.com/yakamochi/yakamochi.sakimori.html
- 石野隆美「旅せぬ観光みやげの行方 : 日常生活における地域住民と観光みやげの関係に関する試論」『立教観光学研究紀要』第20巻、2018年3月、17-24頁、doi:10.14992/00016455、ISSN 13447726、NAID 120006485533、2023年1月17日閲覧。
- 「アリバイはどこで作れば…梅田地下街「ふるさと名産」閉鎖へ」『産経デジタル』株式会社産経デジタル、2014年2月25日。2021年5月16日閲覧。
- 「大阪・梅田の「アリバイ横丁」 60年の歴史に幕」『日本経済新聞』日本経済新聞社、2014年3月29日。2021年5月16日閲覧。
- 研究代表者 市川哲「マレーシア、サラワク州における在地の社会関係と観光開発に関する研究」『科学研究費助成事業データベース』研究課題/領域番号:23710308完了 (2013年度)、2011-2013。
市川哲「マレーシア、サラワク州における手工芸品研究のための覚書 : 観光と民族関係の接合」『立教大学観光学部紀要』第16巻、2014年、136-146頁、doi:10.14992/00009088、ISSN 1344767X、NAID 120005427010。 - 「かつての定番お土産「ペナント」が蘇る < Excite Bit」『Exciteニュース』エキサイト株式会社、2004年4月22日。2021年5月16日閲覧。
参考文献
- 辞事典


