さまよう刃

さまよう刃』(さまようやいば)は、東野圭吾による長編小説。『週刊朝日』にて連載された。現在まで、150万部を超すベストセラーとなった。

さまよう刃
著者 東野圭吾
発行日 2004年12月
発行元 朝日新聞出版
日本の旗 日本
言語 日本語
形態 上製本
ページ数 361
公式サイト 特集ページ
コード ISBN 4-02-257968-4
ウィキポータル 文学
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2009年東映により、益子昌一監督、寺尾聰主演で映画化された。

2014年、韓国においてEcho FilmおよびCJ E&M Corp.により、監督イ・ジェンホ、主演チョン・ジェヨンイ・ソンミンキム・ジヒョクで映画化された。

2021年5月からWOWOWにより、片山慎三監督、竹野内豊主演でテレビドラマ化されている。

あらすじ

会社員・長峰重樹の一人娘・絵摩が死体で発見される。悲しみに暮れる長峰に、数日後、犯人の名と居場所を告げる密告電話がかかってくる。

逡巡の末、電話で言われたアパートへ向かう。留守宅へ上がり込み、部屋を物色すると、複数のビデオテープが見つかる。そこには絵摩が犯人2人に凌辱されている映像が写っていた。偶然帰宅した犯人の一人・伴崎敦也を惨殺した長峰は、虫の息の伴崎からもう一人の犯人・菅野快児の潜伏場所を聞き出し追う。

少年犯罪被害者の悲痛の叫び、正義とは一体何なのか、誰が犯人を裁くのか。思いも寄らない結末が待ち受けていた。

登場人物

長峰 重樹(ながみね しげき)
埼玉県在住。短髪のサラリーマン。5年前に妻を亡くして娘の絵摩との関わり方に悩んでいる。
かつて射撃に熱中していたが、長年半導体メーカーでICの設計に携わってきたためドライアイを患い、競技に支障を来すようになりやめた。ドライアイは完治したが、老眼が始まってしまった。
娘の復讐のため、射撃で使用していたレミントンを携え、菅野快児の行方を追う。伴崎から長野県内のペンションに逃げたと聞き、変装し「吉川武雄」の名でペンション『クレセント』に逗留する。
長峰 絵摩(ながみね えま)
長峰の一人娘。15歳、高校1年生。容姿淡麗な美少女で明るい性格。10歳の時に母親を亡くして以来父子家庭。花火大会の帰路、快児ら少年グループに襲われ、輪姦の果てに死亡する。
中井 誠(なかい まこと)
敦也・快児とは中学の同級生で、高校も同時期に辞めて以来頻繁に連んでいる。素行も良くなく、態度が悪いからとバイトをクビになっているが2人よりは人間性は悪くない。高校中退という事もあり両親とはあまり仲が良くない。裏切りのリンチに遭うよりは、と思い、車を貸すなど協力してしまい、事件発覚後には、強要されてアリバイ作りをしたものの、警察の捜査に怯えて快児と敦也が犯人であると密告電話をかける。
伴崎 敦也(ともざき あつや)
己の性欲を満たす為だけに、快児と共に女性を襲っては女性を凌辱して楽しんでいた。両親に頻繁に暴力を振るっていた為半ば追い出される形でアパートで一人暮らしをしていたが改心していない。帰宅したところを長峰重樹に惨殺されるという自業自得な結末を迎えた。
菅野 快児(すがの かいじ)
主犯格の少年。クロロフォルムなどを予め用意し、絵摩の前にも何人もの女性を襲ってはその様子を撮影し、後々の脅迫材料にしていた。性犯罪、特に女性を強姦する事で性的欲求を満たすと同時にそれを趣味としており、敦也が殺された事と未成年である事を巧みに利用して国家権力に取り入って間接的に重樹を追い詰める。
織部 孝史(おりべ たかし)
警視庁捜査一課の刑事。
久塚(ひさつか )
警視庁捜査一課の刑事。久塚班班長。
真野(まの )
ベテラン刑事。通称・マーさん。
丹沢 和佳子(たんざわ わかこ)
一人息子の事故死がきっかけで夫・祐二と離婚、現在は父親と共に、長野県内でペンション『クレセント』を経営している。夫は未練がある模様。客の吉川武雄が長峰重樹だと気付くが、警察への通報を躊躇し協力を申し出る。

映画(日本版)

さまよう刃
監督 益子昌一
脚本 益子昌一
製作 『さまよう刃』製作委員会
出演者 寺尾聰
竹野内豊
伊東四朗
音楽 川井憲次
撮影 王敏
配給 東映
公開 日本の旗 2009年10月10日
上映時間 112分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
興行収入 5.5億円[1]

2009年10月10日公開。配給は東映モントリオール世界映画祭に出品された(受賞せず)。寺尾聰が第19回日本映画批評家大賞において主演男優賞を受賞した[2]。DVDは2010年4月21日に発売。

キャスト

長峰重樹 - 寺尾聰
56歳。建築士。妻は2年前に乳癌により他界。沢村の偽名でペンションに滞在する。
長峰絵摩 - 伊東遥
重樹の一人娘。少年グループにより殴打、輪姦の末、薬物投与により急性心不全で死亡。
木島和佳子 - 酒井美紀
重樹の滞在先、菅平のペンション経営。8歳の時母を亡くし父子家庭で育つ。重樹の気持ちを察し説得するが通報してしまう。
木島隆明 - 山谷初男
和佳子の父。男手一つで娘を育ててきたことで重樹に同感し、猟銃を渡し逃亡を手助けする。

警視庁

織部孝史 - 竹野内豊
警視庁捜査一課刑事
真野信一 - 伊東四朗
警視庁捜査一課の刑事。
島田 - 長谷川初範
警視庁
伊藤 - 木下ほうか
警視庁捜査一課の刑事。
田中 - 池内万作
警視庁捜査一課の刑事。
渡辺憲吉
川崎 - 中村有志
長野県警

少年グループ

菅野快児 - 岡田亮輔
主犯格の少年。
伴崎敦也 - 黒田耕平
主犯格の少年。犯行現場である足立区のアパートに一人暮らし。犯行時の様子をビデオで撮る。重樹に帰宅したところを刺されるが絶命するに至らず、様子を見に来た誠により最期を遂げる。
中井誠 - 佐藤貴広
快児らと高校時代に知り合い使い走りにされ続け、犯行時の車などの提供をさせられる。日ごろからの恨みから重樹に密告する。

その他

中井誠の父 - 小島康志
その他 - 富永研司高瀬尚也関戸雅志吉田友紀松本匠森下サトシ希野秀樹田中伸一宮本行辻雄介安藤智彦奥村寛至鳴海由子伊藤弘子渡辺杉枝不二子妖子山田透大滝奈穂栗林里莉宮田直樹池田わたる矢島俊作荒木誠土井きよ美すだあけみ渡辺隆川岸貴紀櫻木亮

スタッフ

映画(韓国版)

『ベストセラー』のイ・ジョンホ監督によって映画化され、2014年4月10日に韓国一般公開された。韓国での最終累計観客数989,593人、上映スクリーン総数1,462(韓国映画振興委員会資料による)。

原作に惚れ込んだ監督は脚本も担当したが、物静かなトーンで描いている日本版とは相反し、湧き上がる激しい感情やそれに伴う行動をしっかりと描きたかったため、改稿を繰り返し、完成した時には50稿に達していたという[3]

おおまかな粗筋は原作と同じだが、木島和佳子に該当する登場人物は出てこず、主人公は基本的に単独行動である。猟銃は劇中、偶然奪い取る設定になっており、その他にも警察内部のヒエラルキー問題を描くなど、ところどころ独自のアレンジが行われている。

主要なシーンの撮影は冬の江原道各所で行われた。

日本では9月6日より角川シネマ新宿、ヒューマントラストシネマ渋谷で公開された。[4]

キャスト

イ・サンヒョン - チョン・ジェヨン
原作の長峰に相当。繊維メーカーの管理職で40代前半の設定。
チャン・オクグァン刑事 - イ・ソンミン
原作の真野に相当するが、韓国版では彼が警察側の主役に該当する。
パク・ヒョンス刑事 - ソ・ジェニョン
原作の織部に相当。
チョ・ドゥシク - イ・ジェスン
原作の菅野に相当。
キム・チョリョン - キム・ジヒョク
原作の伴崎に相当。
キム・ミンギ - チェ・サンウク
原作の中井に相当。
イ・スジン - イ・スビン
原作の絵摩に相当するが、中学生の設定になっている。
ヤン・テソム- キム・デミョン
原作にはないオリジナルの登場人物。非合法の風俗店を経営するヤクザで、サンヒョンは彼の元からショットガンを奪う。
ミンギの父親- チョン・ソギョン
原作ではサラリーマンだが、韓国版ではクリーニング店を経営。

スタッフ

  • 監督・脚本 - イ・ジョンホ[5]

テレビドラマ

東野圭吾
「さまよう刃」
ジャンル 連続ドラマ
原作 東野圭吾
脚本 吉田紀子
監督 片山慎三
出演者 竹野内豊
石田ゆり子
三浦貴大
古舘寛治
瀧内公美
井上瑞稀HiHi Jets / ジャニーズJr.
本田博太郎
國村隼
音楽 高位妃楊子
国・地域 日本の旗 日本
言語 日本語
製作
プロデューサー 井上衛
渡邉浩仁
制作 AX-ON
製作 WOWOW
放送
放送チャンネルWOWOWプライム
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間2021年5月15日 - 6月26日
放送時間土曜 22:00 - 23:00
放送枠連続ドラマW
放送分60分
回数全6回
公式サイト

WOWOW開局30周年記念として、2021年5月15日から6月26日まで毎週土曜 22時00分 - 23時00分にWOWOW連続ドラマW』で放送された[6][7][8]。主演は連続ドラマW初登場&初主演となる竹野内豊[7][8]。全6回。

キャスト(テレビドラマ)

スタッフ(テレビドラマ)

放送日程

各話放送日サブタイトル
第1話5月15日
第2話5月22日
第3話5月29日
第4話6月05日
第5話6月19日
最終話6月26日

DVD、Blu-ray

  • 連続ドラマW 東野圭吾「さまよう刃」 DVD-BOX(2021年11月19日発売)


WOWOW 連続ドラマW 土曜オリジナルドラマ
前番組 番組名 次番組
インフルエンス
(2021年3月20日 - 4月17日)
東野圭吾「さまよう刃」
(2021年5月15日 - 6月26日)
黒鳥の湖
(2021年7月24日 - 8月21日)

脚注

  1. 「2009年 日本映画・外国映画 業界総決算 経営/製作/配給/興行のすべて」『キネマ旬報2010年平成22年)2月下旬号、キネマ旬報社、2010年、173頁。
  2. 寺尾聰、父の“戦友”北林谷栄さんに思い馳せる”. 映画.com (2010年5月7日). 2014年6月14日閲覧。
  3. “【映画オタク記者のここが気になる!】感情的で撲殺好き? 東野圭吾原作「さまよう刃」を映画化した韓国の国民性”. msn産経ニュース (伊藤徳裕). (2014年8月30日). オリジナルの2014年9月3日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20140903133303/http://sankei.jp.msn.com/entertainments/news/140830/ent14083007000002-n2.htm 2014年9月3日閲覧。
  4. 東野圭吾「さまよう刃」韓国でも映画化 9月公開決定&ポスター初披露”. 映画.com (2014年6月14日). 2014年6月14日閲覧。
  5. イ・ジョンホ(インタビュアー:りんたいこ)「さまよう刃 :イ・ジョンホ監督に聞く「刑事と父親が顔を合わせる場面に伝えるべき思いを込めた」」『MANTANWEB』、2014年9月7日https://mantan-web.jp/article/20140907dog00m200048000c.html2014年9月25日閲覧
  6. “竹野内豊と石田ゆり子「さまよう刃」で15年ぶり共演、監督は「岬の兄妹」の片山慎三”. 映画ナタリー (ナターシャ). (2021年1月20日). https://natalie.mu/eiga/news/413043 2021年1月20日閲覧。
  7. “竹野内豊&石田ゆり子、15年ぶり共演 『東野圭吾さまよう刃』ドラマ化”. ORICON NEWS (oricon ME). (2021年1月20日). https://www.oricon.co.jp/news/2182232/full/ 2021年1月20日閲覧。
  8. “竹野内豊、石田ゆり子と15年ぶりの共演! 東野圭吾の“犯罪小説史に残る問題作”「さまよう刃」ドラマ化”. シネマカフェ (イード). (2021年1月20日). https://www.cinemacafe.net/article/2021/01/20/70960.html 2021年1月20日閲覧。
  9. "さまよう刃:東野圭吾原作のWOWOWドラマ 國村隼、三浦貴大、瀧内公美らオールキャスト解禁 ポスター&予告映像も". MANTANWEB. MANTAN. 16 March 2021. 2021年3月16日閲覧
  10. "HiHi Jets井上瑞稀が「さまよう刃」出演、復讐劇のキーパーソンに". 映画ナタリー. ナターシャ. 25 February 2021. 2021年2月25日閲覧
  11. "HiHi Jets井上瑞稀、竹野内豊主演『さまよう刃』出演 復讐劇のカギ握る人物に起用". ORICON NEWS. oricon ME. 25 February 2021. 2021年2月25日閲覧

外部リンク

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