アドマイヤグルーヴ

アドマイヤグルーヴ(欧字名:Admire Groove2000年4月30日 - 2012年10月15日)は日本競走馬繁殖牝馬[1]

アドマイヤグルーヴ
2004年10月31日 東京競馬場
欧字表記 Admire Groove[1]
品種 サラブレッド[1]
性別 [1]
毛色 鹿毛[1]
生誕 2000年4月30日[1]
死没 2012年10月15日(12歳没)[1]
抹消日 2006年1月4日[2]
サンデーサイレンス[1]
エアグルーヴ[1]
母の父 トニービン[1]
生国 日本の旗 日本北海道早来町[1]
生産者 ノーザンファーム[1]
馬主 近藤利一[1]
調教師 橋田満栗東[1]
競走成績
タイトル JRA賞最優秀4歳以上牝馬(2004年)
生涯成績 21戦8勝[1]
獲得賞金 5億5133万5000円[1]
勝ち鞍
GIエリザベス女王杯2003年・2004年
GIIローズステークス2003年
GII阪神牝馬S2005年
GIIIマーメイドS2004年

エアグルーヴ優駿牝馬天皇賞(秋)を優勝し、その母のダイナカールも優駿牝馬を勝っており、母子3代でのG1制覇となった。半弟にフォゲッタブルルーラーシップ、半妹にグルヴェイグがいる。主戦騎手は母のエアグルーヴの主戦騎手でもあった武豊で、全21戦中19戦に騎乗した(残り2戦に騎乗したのは上村洋行)。

主な勝ち鞍は2003年2004年エリザベス女王杯[3]

デビュー前

2000年夏のセレクトセールでエアグルーヴの2000として上場される。お台の7000万円からたちまち高騰し、最終的には2億3000万円で近藤利一に落札された。これは当時のセレクトセール史上最高価格であると同時に牝馬の最高価格であり、当時の日本のセリ史上でも四番目の高額であった[4] 。近藤はこの馬の名前を一般公募し[5]その中で最も多かったのが冠名と母の名前を合わせたこのアドマイヤグルーヴである。

セレクトセールでは母エアグルーヴの馬主・吉原毎文もこの馬を購入の筆頭候補に挙げ、さらに購入がかなったらエアグルーヴと同じく伊藤雄二調教師に預けることまで決めていたが、あまりに価格が高騰したので購入断念を余儀なくされたという。伊藤は後年、自著の中で「『自分がこの馬を管理していたらここをこう直したのに』と思うことがある」という趣旨の発言をしている。

競走馬時代

2歳・3歳時代

2002年、11月のデビュー戦は単勝1.2倍の1番人気に推され、ここを勝利[6]。その後阪神ジュベナイルフィリーズに出走登録をしたものの、抽選に漏れ除外[7]。翌週のエリカ賞(500万下)を勝利した[8]

年が明けて2003年、気性面の問題などから距離が短い桜花賞トライアル競走チューリップ賞フィリーズレビューに出走せず、皐月賞トライアルの若葉ステークスに出走。この時点では2勝馬に過ぎず、このレース2着以下では賞金が足りず桜花賞に出走できない可能性があったが[7]、牡馬も交えたこのレースを勝利[9]。1番人気で桜花賞に挑んだがスタートで出遅れ、外側から追い込むもスティルインラブの3着と敗れる[5][10](2着はシーイズトウショウ)。続く優駿牝馬(オークス)でも単勝1.7倍の1番人気に支持されるが、激しくイレ込む素振りを見せ、スティルインラブの7着に[5][11]

秋はローズステークスから始動、ここでもスティルインラブとの顔合わせとなり1番人気を譲ったものの、勝利している[12]秋華賞ではスティルインラブを抑えて1番人気に支持されるが、レースではスティルインラブをとらえ切ることが出来ずに2着[5][13]。結局牝馬三冠競走では、全て1番人気となったが、その全てでスティルインラブに敗れている。秋華賞後はエリザベス女王杯に出走。このレースではスティルインラブに次ぐ2番人気での出走となったが、最後の直線でスティルインラブとの叩き合いをハナ差で制し、GI初勝利を挙げた[5][14]

古馬時代

2004年は牡馬相手の競馬になり、産経大阪杯金鯱賞はそれぞれ7着、5着。そして春の目標であった宝塚記念は回避した後、続くマーメイドステークスで勝利を収めた。秋シーズン緒戦の京都大賞典はナリタセンチュリーの4着とし、天皇賞(秋)に出走。ここではゼンノロブロイダンスインザムードに次ぐ3着となる[15]。そして連覇を狙ったエリザベス女王杯で優勝、鞍上の武豊は同レース4連覇を果たした。また、エリザベス女王杯連覇はメジロドーベル以来2頭目だった。このレースで2004年シーズンを終える。同年のJRA賞最優秀4歳以上牝馬を受賞。

2005年も、牡馬相手のレースに出走を続け、大阪杯、天皇賞(春)、金鯱賞でそれぞれ4着、11着、4着と敗れ、宝塚記念では年下の牝馬、スイープトウショウの8着。さらに天皇賞(秋)を同世代の牝馬ヘヴンリーロマンスの17着とし、同一GI3連覇を狙ったエリザベス女王杯ではスイープトウショウの3着と敗れ、牝馬相手にも敗れるレースが続いた。そして引退レースの阪神牝馬ステークスでは、1番人気をその年の桜花賞NHKマイルカップ優勝馬ラインクラフトに譲る。桜花賞以来のマイル戦であったがここを勝利、有終の美を飾った[16]。当日のレース終了後、ウイナーズサークルで引退式が行われた[17][18]

競走成績

年月日 競馬場 競走名


オッズ
(人気)
着順 騎手 斤量 距離馬場 タイム
上り3F
タイム
勝ち馬/(2着馬)
2002. 11. 10 京都 2歳新馬 14 8 13 1.2 (1人) 1着 武豊 53 芝1800m(良) 1.51.8(33.9) -0.2 (エイシンイイデサン)
12. 7 阪神 エリカ賞 500万下 7 2 2 1.1 (1人) 1着 武豊 53 芝2000m(良) 2.03.0(34.7) -0.2 (モンパルナス)
2003. 3. 22 阪神 若葉S OP 10 8 9 1.7 (1人) 1着 武豊 54 芝2000m(良) 2.03.1(34.0) 0.0 (ビッグコング)
4. 13 阪神 桜花賞 GI 17 7 14 3.5 (1人) 3着 武豊 55 芝1600m(良) 1.34.2(34.5) 0.3 スティルインラブ
5. 25 東京 優駿牝馬 GI 17 1 2 1.7 (1人) 7着 武豊 55 芝2400m(良) 2.28.2(33.7) 0.7 スティルインラブ
9. 21 阪神 ローズS GII 12 1 1 3.0 (2人) 1着 武豊 54 芝2000m(良) 2.01.5(34.5) -0.2 ヤマカツリリー
10. 19 京都 秋華賞 GI 18 5 10 2.5 (1人) 2着 武豊 55 芝2000m(良) 1.59.2(34.8) -0.1 スティルインラブ
11. 16 京都 エリザベス女王杯 GI 15 4 7 3.6 (2人) 1着 武豊 54 芝2200m(良) 2.11.8(34.8) 0.0 (スティルインラブ)
2004. 4. 4 阪神 産経大阪杯 GII 11 7 8 6.4 (3人) 7着 武豊 57 芝2000m(良) 2.00.1(35.5) 0.5 ネオユニヴァース
5. 28 中京 金鯱賞 GII 12 4 4 6.1 (4人) 5着 武豊 57 芝2000m(良) 1.58.1(35.1) 0.6 タップダンスシチー
7. 11 阪神 マーメイドS GIII 10 8 9 1.5 (1人) 1着 武豊 57 芝2000m(良) 2.00.0(34.3) -0.5 チアズメッセージ
10. 10 京都 京都大賞典 GII 10 8 9 5.1 (2人) 4着 武豊 57 芝2400m(良) 2.25.9(34.6) 0.4 ナリタセンチュリー
10. 31 東京 天皇賞(秋) GI 17 4 8 17.0 (9人) 3着 武豊 56 芝2000m(稍) 1.59.3(34.9) 0.4 ゼンノロブロイ
11. 14 京都 エリザベス女王杯 GI 18 6 12 3.3 (2人) 1着 武豊 56 芝2200m(良) 2.13.6(33.8) -0.1 オースミハルカ
2005. 4. 3 阪神 産経大阪杯 GII 9 3 3 3.9 (2人) 4着 武豊 57 芝2000m(良) 1.59.4(34.5) 0.4 サンライズペガサス
5. 1 京都 天皇賞(春) GI 18 2 3 10.8 (6人) 11着 武豊 56 芝3200m(良) 3.17.7(35.2) 1.2 スズカマンボ
5. 28 中京 金鯱賞 GII 10 1 1 5.2 (3人) 4着 武豊 57 芝2000m(良) 1.59.5(33.8) 0.6 タップダンスシチー
6. 26 阪神 宝塚記念 GI 15 7 12 31.2 (8人) 8着 武豊 56 芝2200m(良) 2.12.7(36.5) 1.2 スイープトウショウ
10. 30 東京 天皇賞(秋) GI 18 8 17 96.0 (17人) 17着 上村洋行 56 芝2000m(良) 2.01.1(33.3) 1.0 ヘヴンリーロマンス
11. 13 京都 エリザベス女王杯 GI 18 2 3 11.1 (4人) 3着 上村洋行 56 芝2200m(良) 2.13.0(33.9) 0.5 スイープトウショウ
12. 18 阪神 阪神牝馬S GII 11 5 5 4.5 (2人) 1着 武豊 57 芝1600m(良) 1.34.5(35.0) 0.1 マイネサマンサ

繁殖牝馬時代

2006年よりノーザンファームで繁殖牝馬となっていたが、2012年10月15日に胸部出血のため急死したことが、翌10月16日に発表された[19]

死後に最後の産駒であるドゥラメンテ2015年皐月賞を制し、日本競馬史上初となる、母仔による4世代連続G1勝利を達成した[20]

生年馬名毛色馬主厩舎戦績出典
2007アドマイヤテンバ芦毛*クロフネ近藤利一栗東・橋田満22戦4勝(引退・繁殖)[21]
2008アドマイヤセプター栗毛キングカメハメハ27戦5勝(引退・繁殖)
2着:京阪杯
3着:札幌2歳SフェアリーSスワンS
[22]
2009アドマイヤトライ黒鹿毛*シンボリクリスエス13戦2勝(引退)
3着:阪神スプリングJ
[23]
2010アドマイヤグルーヴの2010鹿毛キングカメハメハ----不出走[24]
2011ボージェスト鹿毛吉田勝己栗東・友道康夫
→美浦・木村哲也
11戦2勝(引退、繁殖)[25]
2012ドゥラメンテ鹿毛(有)サンデーレーシング美浦堀宣行9戦5勝(引退・種牡馬)
代表勝鞍:皐月賞、東京優駿(日本ダービー)、中山記念
2着:宝塚記念ドバイSC共同通信杯
[26][27]

評価

母子共に騎乗した武豊は、乗り味はよく似ていたという母と対照的に牡馬相手のレースだとなぜか萎縮してしまい、能力が出し切れないところがあると語った。また、2004年当時の現役馬の中では屈指の瞬発力を持つと評価している。

2003年のクラシックを争ったスティルインラブには同年2勝3敗と負け越したが、古馬になってからは2004年の金鯱賞・エリザベス女王杯、2005年の金鯱賞・宝塚記念とすべて先着している。ただし、混合戦での着差はほとんどない。

血統表

アドマイヤグルーヴ血統(血統表の出典)[§ 1]
父系サンデーサイレンス系ヘイロー系
[§ 2]

*サンデーサイレンス
Sunday Silence
1986 青鹿毛
父の父
Halo
1969 黒鹿毛
Hail to Reason Turn-to
Nothirdchance
Cosmah Cosmic Bomb
Almahmoud
父の母
Wishing Well
1975 鹿毛
Understanding Promised Land
Pretty Ways
Mountain Flower Montparnasse
Edelweiss

エアグルーヴ
1993 鹿毛
*トニービン
Tony Bin
1983 鹿毛
*カンパラ
Kampala
Kalamoun
State Pension
Severn Bridge Hornbeam
Priddy Fair
母の母
ダイナカール
1980 鹿毛
*ノーザンテースト
Northern Taste
Northern Dancer
Lady Victoria
シャダイフェザー *ガーサント
*パロクサイド
母系(F-No.) パロクサイド系(FN:8-f) [§ 3]
5代内の近親交配 なし [§ 4]
出典
  1. [28]
  2. [29][30]
  3. [28]
  4. [28]

脚注・出典

注釈

    出典

    1. アドマイヤグルーヴ|JBISサーチ(JBIS-Search)”. www.jbis.or.jp. 2022年4月5日閲覧。
    2. アドマイヤグルーヴ4日付け抹消へ”. ラジオNIKKEI. 2022年4月16日閲覧。
    3. ”私が女王様よっ”と言わんばかり アドマイヤグルーヴその気性と血/橋田満調教師”. 日刊スポーツ (2022年7月8日). 2022年7月8日閲覧。
    4. 追悼~アドマイヤグルーヴ
    5. アドマイヤグルーヴ VS スティルインラブ - JRA・2007年11月10日
    6. 2002年11月10日 5回京都4日目 サラ系2歳新馬 - netkeiba.com
    7. 不滅のライバル物語 スティルインラブvsアドマイヤグルーヴ - 優駿・2014年8月号
    8. 2002年12月7日 5回阪神3日目 サラ系2歳500万下 エリカ賞 - netkeiba.com
    9. 2003年3月22日 1回阪神7日目 サラ系3歳オープン 若葉ステークス - netkeiba.com
    10. 第63回桜花賞(G1) - netkeiba.com
    11. 第64回優駿牝馬(G1) - netkeiba.com
    12. 第21回関西TVローズS(G2) - netkeiba.com
    13. 第8回秋華賞(G1) - netkeiba.com
    14. 第28回エリザベス女王杯(G1) - netkeiba.com
    15. 第130回天皇賞(秋)(G1) - netkeiba.com
    16. 第48回サンスポ杯阪神牝馬S(G2) - netkeiba.com
    17. アドマイヤグルーヴ、有終の美飾る”. 競馬ブック. 2006年6月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年4月23日閲覧。
    18. グルーヴ有終 ユタカ有馬に弾み - スポーツニッポン・2005年12月19日
    19. エリザベス女王杯連覇 アドマイヤグルーヴ急死”. スポニチ Sponichi Annex. 2015年9月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年4月19日閲覧。
    20. 史上初!母仔4代G1級競走制覇”. 競馬ブック. 2015年4月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年4月19日閲覧。
    21. アドマイヤテンバ|JBISサーチ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2015年5月14日閲覧。
    22. アドマイヤセプター|JBISサーチ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2015年5月14日閲覧。
    23. アドマイヤトライ|JBISサーチ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2015年5月14日閲覧。
    24. _________|JBISサーチ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2015年5月14日閲覧。
    25. ボージェスト|JBISサーチ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2021年2月11日閲覧。
    26. ドゥラメンテ|JBISサーチ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2015年5月14日閲覧。
    27. 第82回日本ダービー(GI)の結果 - JRA・2015年5月31日
    28. 血統情報:5代血統表|アドマイヤグルーヴ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2015年5月14日閲覧。
    29. アドマイヤグルーヴの繁殖牝馬情報”. 競馬ラボ. 2021年2月11日閲覧。
    30. アドマイヤグルーヴの血統表”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2016年8月25日閲覧。

    外部リンク

    This article is issued from Wikipedia. The text is licensed under Creative Commons - Attribution - Sharealike. Additional terms may apply for the media files.