ウォルター・ウェストン

ウォルター・ウェストンWalter Weston, 1861年12月25日-1940年3月27日)は、イギリス宣教師登山家英国山岳会ロンドン日本協会王立地理学会会員。日本山岳会名誉会員。日本に3度長期滞在し、日本各地の山に登り『日本アルプスの登山と探検』などを執筆、日本アルプスなどの山及び当時の日本の風習を世界中に紹介した。訪日の前後にはマッターホルンなどのアルプス山脈の山に登頂していた。

Reverend Walter Weston ウォルター・ウェストン碑 (上高地)
上高地。梓川と河童橋。

来歴

ウェストンは、園芸雑誌に載っていた写真を見て、日本山岳誌の著者から写真を数枚譲って貰えるよう要請。譲り受けた内、志村烏嶺が官有林見廻り役丸山常吉の長男丸山広太郎・同姓の丸山吉十・強力(ごうりき)の清水市太郎を伴って1905年(明治38年)8月20日に白馬岳に登ったときに撮影した写真を、英国山岳会誌『アルパイン・ジャーナル』に寄せ、第23巻1906年5月号に掲載された。これが、日本の山岳写真が初めてヨーロッパに紹介されたものだという[6][7]

“Japanese Alps”という表現は、1881年(明治14年)初版刊行の『日本旅行記』(チェンバレンら編集)[8] に「信州飛騨の境にある山脈 は『ジャパニーズアルプス』と呼ぶのにふさわしい」と記述があるのが最初であるとされる。

死後

死後、日本の山を世界中に紹介したことなどを称えて、日本の各地でウェストンの記念碑、レリーフなどが設置され、山開きの時期にウェストン祭が開催されるようになった。一部の地域ではウェストン公園が整備されている。

ウェストン祭

  • 上高地ウェストン祭 - 長野県松本市の上高地では、「上高地を“再発見”したウォルター・ウェストン」を記念して、毎年6月に「上高地ウェストン祭」が催されている[9]
  • 青森ウェストン祭 - 青森県三戸郡新郷村では、1902年(明治35年)の青森を襲った飢餓の際、救援活動を行ったことに感謝して「青森ウェストン祭」が催されている[10]
  • 海のウェストン祭 - 新潟県糸魚川市では、ウェストンが「親不知が日本アルプスの起点である。」として訪れていることを機縁とし、例年地元有志による「海のウェストン祭」が催されている[11]
  • ミセス・ウエストン祭 - 長野県長野市(旧戸隠村)の戸隠キャンプ場で毎年8月第1土曜日に、戸隠山高妻山に初めて登頂した外国人女性であるエミリー・ウエストンを偲ぶ祭典として「ミセス・ウエストン祭」が催されている[12]
  • 恵那山ウェストン祭 - 岐阜県中津川市恵那山ウェストン公園では、1893年(明治26年)5月11日に恵那山に登り全世界へ紹介したことを記念して、毎年5月11日に中津川市観光協会により「恵那山ウェストン祭」が催されている[13]
  • 宮崎ウェストン祭 - 宮崎県西臼杵郡高千穂町では、1890年(明治23年)に韓国岳高千穂峰登頂の際に訪問し「九州の軽井沢」と称されたことを記念して、五ヶ所高原にて毎年「宮崎ウェストン祭」が催されている[14][15]

ウェストンのレリーフ

著書

  • 『Mountaineering and Exploration in the Japanese Alps』 John Murray、1896年。「覆刻日本の山岳名著」大修館書店、1975年
    • 『日本アルプスの登山と探検』 青木枝朗訳、岩波文庫、1997年 ISBN 4003347412
      • 旧版『日本アルプスの登山と探検』 山崎安治共訳、「日本山岳名著全集1」あかね書房、1962年、新版1970年、新編 三笠書房、1976年。全12巻 
    • 『日本アルプス 登山と探検』 岡村精一訳、平凡社ライブラリー、1995年 ISBN 4582760945
      • 旧版『日本アルプス 登山と探検』 梓書房(田部重治校閲)、1933年。創元選書、1953年。新版 創元社、1957年。角川文庫、1963年
    • 『日本アルプスの登山と探検』 黒岩健訳、大江出版社、1982年
  • 『The Playground of the Far East』 John Murray、1918年。「覆刻日本の山岳名著」大修館書店、1978年
    • 『極東の遊歩場』 岡村精一訳、山と渓谷社、1970年、新版1984年 ISBN 9784635318068
    • 『日本アルプス再訪』 水野勉訳、平凡社ライブラリー、1996年 ISBN 4582761615
  • 『A WAYFARER IN UNFAMILIAR JAPAN』 Methuen、1925年
    • 『ウェストンの明治見聞記  知られざる日本を旅して』 長岡祥三訳、新人物往来社、1987年 ISBN 440401418X
  • 『ウォルター・ウェストン未刊行著作集』 三井嘉雄訳、郷土出版社(上・下)、1999年
  • 『日本アルプス登攀日記』 三井嘉雄訳、平凡社東洋文庫、1995年、ワイド版2009年/平凡社ライブラリー、2024年5月
  • 『宣教師ウェストンの観た日本』 山本秀峰訳、露蘭堂、2014年
  • 『KAMIKOUCHI ONSENBA CLIMBER'S BOOK』 1914年
    • 『ウェストンが残したクライマーズ・ブック 外国人たちの日本アルプス登山手記』 信濃毎日新聞社、2016年 ISBN 978-4-7840-7288-0
  • 『Collected Travel Writings of Walter Weston』著作集 全4巻、Ganesha Publishing(復刻版)、1999年

参照

  • 『北アルプス博物誌 I 登山・民俗』第5版 1974年(昭和49年) 編者 大町山岳博物館 発行所 信濃路 発売元 社団法人農村漁村文化協会 P37 - 42 日本アルプスの父 高橋秀男

脚注

  1. Weston, Walter (1860–1940) (Oxford DNB)
  2. 『日本とその山々の姿を著した宣教師ウォルター・ウェストンの話』奥正敬 京都外国語大学・GAIDAI BIBLIOTHECA 216号 p22-25 平成29年3月20日発行
  3. 夫人はロッククライマーでもあり、夫婦で富士山や戸隠山などに登った。田畑真一『知らざれるW・ウェストン』、284頁。信濃毎日新聞社、2001年9月。ISBN 4-784099042、
  4. 信州山小屋ネット 信濃毎日新聞社
  5. 日本山岳会の歩み 社団法人日本山岳会、2011年2月9日閲覧。
  6. 『北アルプス博物誌 I 登山・民俗』第5版 1974年(昭和49年) 編者 大町山岳博物館 発行所 信濃路 発売元 社団法人農村漁村文化協会 P1
  7. 富山県 立山博物館平成10年度 春季特別企画展 によれば(2008年6月20日閲覧)、1906年2月号?
  8. 『男の隠れ家』 2010年9月号 “日本アルプス”を愛した男、W・ウェストン 田畑真一 p.17(『世界山岳百科事典』 岩間正夫編)
  9. 上高地ウェストン祭 信州とっておき情報、2011年2月23日閲覧。
  10. 第16回青森ウェストン祭が開催されました  新郷村HP、2011年2月23日閲覧。
  11. 海のウェストン祭・白鳥山山開き  にいがた観光ナビ、2011年2月23日閲覧。
  12. ミセス・ウエストン祭 長野県公式観光ウェブサイト、2011年2月23日閲覧。
  13. 5/11(火)第9回 恵那山ウエストン祭 中津川観光なび!、2011年2月23日閲覧。
  14. 宮崎ウェストン祭 高千穂観光ポータル、2011年2月23日閲覧。
  15. 五ヶ所高原 日本観光振興協会
  16. ウェストン碑、上高地公式Website 、2011年2月23日閲覧。
  17. 天竜峡、飯田市地域情報 、2011年2月23日閲覧。
  18. 天下の険 親不知・子不知、糸魚川市HP、2011年2月23日閲覧。
  19. アルペンプラザ広河原 南アルプスNET、2011年2月23日閲覧。
  20. 恵那山ウェストン公園 中津川観光なび!、2011年2月23日閲覧。

関連項目

This article is issued from Wikipedia. The text is licensed under Creative Commons - Attribution - Sharealike. Additional terms may apply for the media files.