ウォールズ・オブ・ジェリコ (アルバム)

『ウォールズ・オブ・ジェリコ』(Walls Of Jericho)は、ドイツのヘヴィメタルバンド、ハロウィンが1985年12月に発表した初のフルレンス・アルバム、およびそのアルバムの1曲目に収録されている楽曲のタイトルである。オリジナル盤はノイズ・レコード、日本盤はビクターエンタテインメントから発売された。ジェリコの壁(エリコの壁)とは、旧約聖書『ヨシュア記』に言及される壁。

『ウォールズ・オブ・ジェリコ』
ハロウィン の スタジオ・アルバム<meta itemprop='albumReleaseType' content='アルバム' />
リリース
録音 1985年9月 - 10月
Musiclab Studio(ドイツ・ベルリン)
ジャンル ヘヴィメタル
メロディック・パワー・メタル
時間
レーベル ノイズ・レコード
ビクターエンタテインメント
プロデュース ハリス・ジョンズ
ハロウィン
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
ハロウィン アルバム 年表
ハロウィン
(1985年)
ウォールズ・オブ・ジェリコ
(1985年)
守護神伝 -第一章-
(1987年)
音楽・音声外部リンク
Walls of Jericho - YouTube

1994年10月21日に、LPジャケット・スペシャル・コレクション(紙ジャケット仕様)が発売された。

単体発売の他、本作とミニアルバム『Helloween』の楽曲、シングル『Judas』の表題曲をひとつにまとめ、『ハロウィン/ウォールズ・オブ・ジェリコ/ジューダス』(Helloween/Walls Of Jericho/Judas)として発売されたこともあった。これについても本項で述べる。

解説

  • 前作『Helloween』はスラッシュメタル色が強かったが、本作では叙情的なメロディを強調したパワーメタルへと変化し、後にメロディック・パワー・メタルと呼ばれるサウンドを確立した。イギリスのバンド、マリスの『In The Beginnig』のプロダクションを真似しようとしたとマイケル・ヴァイカートはインタビューで答えている[6]。
  • ドイツ国内での総売上は約11万枚を超え、セールス面でアクセプトと並ぶ(マイケル・ヴァイカート曰く「おそらくスコーピオンズと張り合う位」)程のヒットとなった[7]。
  • ヴァイカートは、本作の製作に専念するために通信販売サービス(注文のあったレコードを棚から取り、それを送付担当者に渡す係)の仕事を辞めた。退職から数ヵ月後、ミニアルバム『Helloween』にサインをするために元の職場に出向いた[6]。
  • ジャケットはハロウィンのマスコット「Fang Face」が戦いが行われている城を打ち砕いているイラストで、ヴァイカートが考えたものである。後にヴァイカートはこのFang Faceが、アイアン・メイデンの真似をしている(デザインがアイアン・メイデンのマスコットキャラであるエディと酷似している)という理由で嫌いになったため、本作以降登場していない。ただし、Fang Faceと同じく、マントを纏った人物(顔は描かれていない)は『守護神伝』シリーズや『The Time Of the Oath』等に登場している。なお、Fang Faceは後にハンセンが結成したバンドGamma Rayのアルバム(1995年発売の4th『Land of the Free』以降)で再登場し、現在に至るまで定着している。
  • イギリスのロック専門誌『ケラング!』の編集者のサヴィアー・ラッセルは、とある日曜日の晩に彼を訪ねてきたメタリカのドラマーであるラーズ・ウルリッヒと一緒に、ウォッカを飲みながらスカッシュのラケットをギターに見立てて本作のプレイを真似したという[6]。

収録曲

  1. ウォールズ・オブ・ジェリコ Walls Of Jericho (0:48)
    (作曲:Weikath / 編曲:Hansen)
    『ロンドン橋落ちた』(原題:London Bridge is Falling Down)を元にしたオーケストラ風のインストゥルメンタル。そのまま次の曲へと繋ぐ。
  2. ライド・ザ・スカイ Ride The Sky (5:55)
    (作詞・作曲:Hansen / 編曲:Helloween)
    曲を作ったカイ・ハンセンにヴァイカートは「お前のこの曲のブリッジは、何で俺の作った『How Many Tears』と似ているんだ?」と尋ねたことがあった(非難するつもりではなかった)[6]。ハロウィンのライヴの他、カイが結成したガンマ・レイのライヴでも、現在まで頻繁に演奏されている。
  3. レプタイル Reptile (3:44)
    (作詞・作曲:Weikath / 編曲:Helloween)
    歌詞は突然変異で巨大化した爬虫類(レプタイル)によって人類が滅亡するという奇抜な内容。これは当時まだ問題が深刻化する前だったエイズをモチーフとしており、ヴァイカートは「自身が望んでいたロック史に残る名作にはなり損ねたが、今でも気に入っている」と評している[6]。
  4. ガーディアンズ Guardians (4:19)
    (作詞・作曲:Weikath / 編曲:Helloween)
    ヴァイカートはこの曲を気に入っており、本曲に見られる「海の囃子歌」風なメロディは、現在多くのドイツバンドが用いているとインタビューで話している[6]。日本では大阪近鉄バファローズのヒットテーマとして用いられた。
  5. ファントムズ・オブ・デス Phantoms of Death (6:34)
    (作詞・作曲:Hansen)
  6. メタル・インヴェイダーズ Metal Invaders (4:10)
    (作詞:Hansen/Weikath / 作曲:Hansen / 編曲:Helloween)
    元々はコンピレーションアルバム『Death Metal』に収録されていた曲。リアレンジされ、パワーメタル色を強めた。
  7. ゴーガー Gorgar (3:55)
    (作詞:Hansen / 作曲:Hansen/Weikath / 編曲:Helloween)
    タイトルの「ゴーガー」とは1979年に登場したピンボールの機種名のこと。ピンボールに溺れるギャンブラーをドキュメント調で描いている。クラシック曲「山の魔王の宮殿にて」のフレーズを使用[8]。
  8. ヘヴィ・メタル(イズ・ザ・ロー) Heavy Metal (Is the Law) (4:00)
    (作詞・作曲:Hansen/Weikath / 編曲:Helloween)
    バースはカイが作り、残りの部分を全てヴァイカートが書いた[6]。この曲のみ、スタジオ音源ではなく、ライヴでの収録である。
  9. ハウ・メニー・ティアーズ How Many Tears (7:15)
    (作詞・作曲:Weikath / 編曲:Helloween)
    反戦をテーマに掲げた楽曲。元々ヴァイカートが書いていたバラードをハロウィン向けに手直しした曲で、UFO『Lights Out』を手本にしたという[6]。ヴァイカートは当時、この曲のおかげで「マイケルだか何だか、奴はまともに曲を作れると考えているのか?」等と批判された[6]。

LP盤は1曲目から5曲目までがA面、6曲目から9曲目がB面となっている。

演奏メンバー

ハロウィン/ウォールズ・オブ・ジェリコ/ジューダス

『ハロウィン/ウォールズ・オブ・ジェリコ/ジューダス』
ハロウィン の スタジオ・アルバム<meta itemprop='albumReleaseType' content='アルバム' />
ジャンル ヘヴィメタル
メロディック・パワー・メタル
時間
レーベル ノイズ・レコード
ビクターエンタテインメント

『ハロウィン/ウォールズ・オブ・ジェリコ/ジューダス』(Helloween/Walls Of Jericho/Judas)は、ドイツのヘヴィメタルバンド、ハロウィンのカイ・ハンセンのボーカル時代の楽曲を集めた、いわゆる企画アルバムである。オリジナル盤はノイズ・レコード、日本盤はビクターエンタテインメントから発売された。ジャケットなどは『Walls Of Jericho』のものを使用している。

1989年の日本盤リリース当初の物はボーナストラックとしてDon't Run For Coverが収録されていたが、1992年8月26日に再発売されたバージョンから収録されなくなった。

2006年(日本盤は同年2月22日)には、デジタルリマスター版のエクスバンデッド・エディションが発売された。その際、ボーナス・トラックを収録したCDを1枚追加した2枚組となった。

収録曲

曲の解説は他のアルバム・シングルの項目で解説しているため一部省略する。

オリジナル盤・エクスバンデッド・エディションDisc 1

  1. スターライト Starlight (5:17)
  2. マーダラー Murderer (4:20)
  3. ウォリアー Warrior (4:00)
  4. ヴィクティム・オブ・フェイト Victim Of Fate (6:37)
  5. クライ・フォー・フリーダム Cry For Freedom (6:02)
  6. ウォールズ・オブ・ジェリコ Walls Of Jericho (0:48)
  7. ライド・ザ・スカイ Ride The Sky (5:55)
  8. レプタイル Reptile (3:44)
  9. ガーディアンズ Guardians (4:19)
  10. ファントムズ・オブ・デス Phantoms of Death (6:34)
  11. メタル・インヴェイダーズ Metal Invaders (4:10)
  12. ゴーガー Gorgar (3:55)
  13. ヘヴィ・メタル(イズ・ザ・ロー) Heavy Metal (Is the Law) (4:00)
  14. ハウ・メニー・ティアーズ How Many Tears (7:15)
  15. ジューダス Judas (4:41)
  16. ドント・ラン・フォー・カバー Don't Run For Cover (4:48)
    1989年版のボーナストラック。4thシングル「I Want Out」のc/w。

エクスバンデッド・エディションDisc 2

  1. マーダラー(リミックス) Murderer (Remix) (4:33)
    コンピレーションアルバム『Treasure Chest』収録バージョン。
  2. ライド・ザ・スカイ(リミックス) Ride The Sky (Remix) (6:43)
    コンピレーションアルバム『Treasure Chest』収録バージョン。
  3. ライド・ザ・スカイ(ライヴ) Intro / Ride The Sky (Live) (7:16)
    1stシングル「Judas」c/w。
  4. ガーディアンズ(ライヴ) Guardians (Live) (4:26)
    1stシングル「Judas」c/w。
  5. オーンスト・オブ・ライフ Oernst Of Life (4:45)
    (作詞・作曲:Weikath / 編曲:Helloween)
    コンピレーションアルバム『Death Metal』より収録。
  6. メタル・インヴェイダーズ Metal Invaders (4:33)
    コンピレーションアルバム『Death Metal』収録バージョン。
  7. サプライズ・トラック Surprise Track (2:07)
    『Helloween』ピクチャーディスク収録曲。

脚注

  1. Rivadavia, Eduardo. “Helloween Walls of Jericho review”. AllMusic. Rovi Corporation. 2011年12月30日閲覧。
  2. Popoff, Martin (1 November 2005). The Collector's Guide to Heavy Metal: Volume 2: The Eighties. Burlington, Ontario, Canada: Collector's Guide Publishing. p. 157. ISBN 978-1-894959-31-5
  3. http://www.metal-observer.com/articles.php?lid=1&sid=1&id=2464
  4. http://www.metal-observer.com/articles.php?lid=1&sid=1&id=9932
  5. Stagno, Mike (2006年10月31日). “Helloween - Walls of Jericho”. Sputnikmusic. 2013年8月20日閲覧。
  6. 『Helloween/Walls Of Jericho/Judas Expanded Edition』ライナーノーツ
  7. 『Keeper Of The Seven Keys Part 1 Expanded Edition』ライナーノーツ
  8. “ヘヴィ・メタル・ファンのためのクラシックコンピ「メタル・クラシックス」2タイトルがメタルフロンティアから発売”. amass. (2012年5月10日). https://amass.jp/5075/

外部リンク

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